12 / 236
*10・衝撃に揺れて
しおりを挟むラルがにこと笑みを浮かべながら、ぶちゅとそのあまりにも大きいそれを俺の解れきったその場所に押し当てた。
正直俺は少し怖くなって竦んでいるのだが、かと言って止めようとまでは思ってはいなかった。
「貴方が……魔術を、行使して下さってよかった。これならきっと大丈夫です。貴方を傷つけなくて済む。だって貴方の中はすでに充分にとろとろと蕩けていますから」
確かにラルは執拗なほど、俺の腹の中を指でかき回していた。いい加減しつこいほどだと感じていたが、自身が大きい自覚があったからなのだろう。
痛いほどに張りつめたそれを、きっとすぐにどうにかしたかったはずだ。だが、おそらくは俺への気遣いを優先してくれた。
そんなラルの気持ちを、しっかりと受け取ることが出来た俺は、ごく、覚悟を決める為に一つ息を飲んで、今にも俺に入ろうとしている、大きすぎるラルを見つめ続けた。
思わず体を引いてしまいそうになるのを必死で押しとどめ、はぁはぁと荒くなる息のまま、可能な限り抗わないように努める。
俺の尻穴はちゃんと柔らかくなっている。腸液も滴るほどで濡れそぼっていて、湿り気だって十分なはずだ。
だからきっと、大丈夫。大丈夫だと、信じるしかない。
俺を抱えながら、狙いを定めているかのようなラルの息も荒い。
「フィリス、僕を受け入れて下さい、フィリス。愛しています。だから……」
告げながら、とてもゆっくりとラルは腰を進めてきた。
メリメリと長大なラルが俺の腹に分け入ってくる。
「ぅっ……くっ、んっ」
違和感どころではない衝撃。文字通り、体を穿たれていく感触を、どう表現すればいいのだろうか。
想像していたよりも痛みはなかった。
勿論、全く痛まないというわけではない。それでも、堪えられないというほどではなく、それよりもただひたすらに、腹の中を押し広げられているということだけが生々しく感じられた。
「あっ、あっ、凄い、腰が溶けそうだ、すみません、フィリス、もうっ……!」
上擦った声で控えめに喘いだかと思うと、そう、俺に謝罪したラルが堪えきれないとばかり、勢い良く腰を押し進めてくる。
「ぁあっ!」
俺は衝撃に仰け反った。目の奥がちかちかする。先程までのゆっくりと割り開かれていっていた感触とは全然違う。もっと激しく、荒れ狂うかのようなそれだ。
その上、ラルは、
「すみません、フィリス、すみません、気持ちいい、止まらない、フィリス、フィリス、フィリスっ……!」
「あっ! あっ! ぁあっ! あっ!」
そんな風に謝りながら、激しく腰を振り始めたのである。俺にはなす術なんて何もなかった。
ただ、ラルの動きに合わせて揺さぶられるだけで。
ラルでいっぱいになったお腹の中を、ずちゅずちゅと勢いよく擦られ続ける。気持ちいいだとか痛いだとか、それすらも何もわからない。上がる声はほとんどただの反射だ。
「あっ! あっ! あっ!」
「フィリス、フィリス、フィリス」
ラルが腰を振る。俺はまるでただの肉筒か何かで、ラルの男性器をしごく為だけの道具にでもなったかのように、ただひたすらに揺さぶられ続けた。
気持ちがいいのかはわからない、だけど嫌悪を感じていたり、痛かったりするわけでもない。ただ、ラルで満ちた腹は苦しいほどで、そこを擦られる衝撃は、どう言葉にすればいいのかさえ分からなかった。
どれぐらいそうしていただろう。
「フィリスっ……うっ……!」
やがてラルが呻いたかと思うとひときわ強く俺を突き上げ、そのまましばらく動きを止めた。
「ぁっ、ぁあっ……!」
どくどくと腹の奥にラルの体液と共に魔力が流れ込む。熱い。火傷しそうに熱い魔力。
腹の奥が、ラルの魔力で満ちていく。
「ぁっ、ぁっ、ぁぁ……」
俺は腹を満たす魔力に陶然と感じいった。
「ああ、フィリス……」
ひとしきり熱を吐き出しきったラルは更に数度、名残を惜しむかのように腰を振って、ようやくゆっくりと俺の腹から抜け出ていったのだった。
30
お気に入りに追加
1,829
あなたにおすすめの小説

そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。
全17話、約6万文字。

繋がれた絆はどこまでも
mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。
そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。
ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。
当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。
それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。
次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。
そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。
その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。
それを見たライトは、ある決意をし……?

息の仕方を教えてよ。
15
BL
コポコポ、コポコポ。
海の中から空を見上げる。
ああ、やっと終わるんだと思っていた。
人間は酸素がないと生きていけないのに、どうしてか僕はこの海の中にいる方が苦しくない。
そうか、もしかしたら僕は人魚だったのかもしれない。
いや、人魚なんて大それたものではなくただの魚?
そんなことを沈みながら考えていた。
そしてそのまま目を閉じる。
次に目が覚めた時、そこはふわふわのベッドの上だった。
話自体は書き終えています。
12日まで一日一話短いですが更新されます。
ぎゅっと詰め込んでしまったので駆け足です。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

黒豹拾いました
おーか
BL
森で暮らし始めたオレは、ボロボロになった子猫を拾った。逞しく育ったその子は、どうやら黒豹の獣人だったようだ。
大人になって独り立ちしていくんだなぁ、と父親のような気持ちで送り出そうとしたのだが…
「大好きだよ。だから、俺の側にずっと居てくれるよね?」
そう迫ってくる。おかしいな…?
育て方間違ったか…。でも、美形に育ったし、可愛い息子だ。拒否も出来ないままに流される。

信じて送り出した養い子が、魔王の首を手柄に俺へ迫ってくるんだが……
鳥羽ミワ
BL
ミルはとある貴族の家で使用人として働いていた。そこの末息子・レオンは、不吉な赤目や強い黒魔力を持つことで忌み嫌われている。それを見かねたミルは、レオンを離れへ隔離するという名目で、彼の面倒を見ていた。
そんなある日、魔王復活の知らせが届く。レオンは勇者候補として戦地へ向かうこととなった。心配でたまらないミルだが、レオンはあっさり魔王を討ち取った。
これでレオンの将来は安泰だ! と喜んだのも束の間、レオンはミルに求婚する。
「俺はずっと、ミルのことが好きだった」
そんなこと聞いてないが!? だけどうるうるの瞳(※ミル視点)で迫るレオンを、ミルは拒み切れなくて……。
お人よしでほだされやすい鈍感使用人と、彼をずっと恋い慕い続けた令息。長年の執着の粘り勝ちを見届けろ!
※エブリスタ様、カクヨム様、pixiv様にも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる