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*10・衝撃に揺れて
しおりを挟むラルがにこと笑みを浮かべながら、ぶちゅとそのあまりにも大きいそれを俺の解れきったその場所に押し当てた。
正直俺は少し怖くなって竦んでいるのだが、かと言って止めようとまでは思ってはいなかった。
「貴方が……魔術を、行使して下さってよかった。これならきっと大丈夫です。貴方を傷つけなくて済む。だって貴方の中はすでに充分にとろとろと蕩けていますから」
確かにラルは執拗なほど、俺の腹の中を指でかき回していた。いい加減しつこいほどだと感じていたが、自身が大きい自覚があったからなのだろう。
痛いほどに張りつめたそれを、きっとすぐにどうにかしたかったはずだ。だが、おそらくは俺への気遣いを優先してくれた。
そんなラルの気持ちを、しっかりと受け取ることが出来た俺は、ごく、覚悟を決める為に一つ息を飲んで、今にも俺に入ろうとしている、大きすぎるラルを見つめ続けた。
思わず体を引いてしまいそうになるのを必死で押しとどめ、はぁはぁと荒くなる息のまま、可能な限り抗わないように努める。
俺の尻穴はちゃんと柔らかくなっている。腸液も滴るほどで濡れそぼっていて、湿り気だって十分なはずだ。
だからきっと、大丈夫。大丈夫だと、信じるしかない。
俺を抱えながら、狙いを定めているかのようなラルの息も荒い。
「フィリス、僕を受け入れて下さい、フィリス。愛しています。だから……」
告げながら、とてもゆっくりとラルは腰を進めてきた。
メリメリと長大なラルが俺の腹に分け入ってくる。
「ぅっ……くっ、んっ」
違和感どころではない衝撃。文字通り、体を穿たれていく感触を、どう表現すればいいのだろうか。
想像していたよりも痛みはなかった。
勿論、全く痛まないというわけではない。それでも、堪えられないというほどではなく、それよりもただひたすらに、腹の中を押し広げられているということだけが生々しく感じられた。
「あっ、あっ、凄い、腰が溶けそうだ、すみません、フィリス、もうっ……!」
上擦った声で控えめに喘いだかと思うと、そう、俺に謝罪したラルが堪えきれないとばかり、勢い良く腰を押し進めてくる。
「ぁあっ!」
俺は衝撃に仰け反った。目の奥がちかちかする。先程までのゆっくりと割り開かれていっていた感触とは全然違う。もっと激しく、荒れ狂うかのようなそれだ。
その上、ラルは、
「すみません、フィリス、すみません、気持ちいい、止まらない、フィリス、フィリス、フィリスっ……!」
「あっ! あっ! ぁあっ! あっ!」
そんな風に謝りながら、激しく腰を振り始めたのである。俺にはなす術なんて何もなかった。
ただ、ラルの動きに合わせて揺さぶられるだけで。
ラルでいっぱいになったお腹の中を、ずちゅずちゅと勢いよく擦られ続ける。気持ちいいだとか痛いだとか、それすらも何もわからない。上がる声はほとんどただの反射だ。
「あっ! あっ! あっ!」
「フィリス、フィリス、フィリス」
ラルが腰を振る。俺はまるでただの肉筒か何かで、ラルの男性器をしごく為だけの道具にでもなったかのように、ただひたすらに揺さぶられ続けた。
気持ちがいいのかはわからない、だけど嫌悪を感じていたり、痛かったりするわけでもない。ただ、ラルで満ちた腹は苦しいほどで、そこを擦られる衝撃は、どう言葉にすればいいのかさえ分からなかった。
どれぐらいそうしていただろう。
「フィリスっ……うっ……!」
やがてラルが呻いたかと思うとひときわ強く俺を突き上げ、そのまましばらく動きを止めた。
「ぁっ、ぁあっ……!」
どくどくと腹の奥にラルの体液と共に魔力が流れ込む。熱い。火傷しそうに熱い魔力。
腹の奥が、ラルの魔力で満ちていく。
「ぁっ、ぁっ、ぁぁ……」
俺は腹を満たす魔力に陶然と感じいった。
「ああ、フィリス……」
ひとしきり熱を吐き出しきったラルは更に数度、名残を惜しむかのように腰を振って、ようやくゆっくりと俺の腹から抜け出ていったのだった。
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