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25・覚醒

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 揺れる揺れる、がくがくと、誰かに体を揺さぶられている。
 体中が熱い。熱くて熱くて堪らない。
 体の奥深くに、まるで自分じゃない熱源があるみたいだ。

「ぅっ、くそっ、リティ……リティ、リティっ……うっ」

 誰かが俺の名を呼んでいた。

「っ、ぁっ!」

 あ。
 ぶわと、次いで俺を襲ってきたのは快感。目も眩むようなそれ。魔力。頭の中が真っ白になる。
 体の中に熱源、だなんてそんなもの。文字通り深く入り込まれている。

「ぁあっ!」

 意識を取り戻すのと高く喘ぐのが同時。

「リティ? ああ……よかった、リティ……」
「あっ、あっ、ぁあっ、やぁっ……!」

 ほっとしたような声で呟きながら、しかし体は揺れたまま。どうやら動きを止めるつもりはないようなのだった。
 勿論、俺をそうやって揺さぶっていたのはロディスである。
 どうやら俺はいつの間にか、ロディスに体を開かれていたらしい。
 多分あの隊長室で。ロディスの顔を見て、どうしてだろうほっと安堵し、意識を手放してしまった俺に、ロディスは魔力を注ぎ込むこととしたのだろう。
 俺の陥っていた魔力欠乏の症状からしても、決して不自然なことではない。
 意識のないうちに、という部分に思う所がないわけでもないけれど。

「ぁっ、ぁっ、ぁっ、ぁあっ!」

 ゆさゆさ、がくがくと止まることなく、俺に覆いかぶさって腰を打ち付けてくるロディスの肩越し、目にした天上に見覚えはない。
 ここはいったい何処なのだろうか。
 そんな疑問は、

「ぁっ、ぃやっ、やぁっ……!」

 眩む快感に押し流されて溶けて消えた。
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