18 / 82
*17・強引
しおりを挟むロディスは出しっぱなしのシャワーの下で、服がびしょ濡れになるのも構わず、嫌がる俺を強引に引き寄せ、唇を奪った。
それが俺にとっての初めてのくちづけだったのである。
もしかしたら昨夜、すでにロディスと交わしていたかもしれないが、そんなこと俺は全く覚えていない。
なら、なかったのと一緒だろう。
ロディスは俺の唇を、力強く塞いだまま抱きしめた腕で俺のお体のあちこちを触ってきた。
ロディスの俺とは全然違う、太く長く硬い指が、俺の体の上を這いまわる。
俺は不快だとかなんだとかさえよくわからず、混乱したまま、強引なロディスに抗うすべをまったく持つことも出来ず。ただ、ロディスの舌に、指に翻弄された。
口の中がロディスでいっぱいだった。
ロディスは俺より、全てのパーツ一つ一つが大きいのだ。それは口も舌も全て。
俺の小さな口なんて、ロディスの舌を押し込まれたらそれだけで隙間なんてなくなってしまって。
息苦しい、抗っても、離してなんかもらえない。
息が上手くできない所為か、頭の芯が痺れたようにぼうっとし始めるのに、それほどの時間はかからなかった。
多分、唾液と共に、魔力を注がれていたのもあるのだろう。思考はひどくかすみがかって、気が付けば俺の肌の上を、あちこちを探っていたはずのロディスの腕が、俺の片足を抱え上げていて、その隙間から差し入れられた太い指が、俺の尻穴を穿っていた。
ぐちょぐちょ、ぐりぐり。
どこか粘ついた水音がしていたのはきっと、何らかの魔術を行使していたからなのだろう。
水魔術の応用で、粘性の高い液体を指先に纏わせることなど、それほど難しいことではない。
多分、そういった魔術を使用したのだ。
そうでもなければ、女性の膣のように潤沢に濡れるなどと言うことのない排泄器官が、あれほど容易にあの太い指を受け入れるだなんておかしい。
あるいは俺の体自体を、魔力操作などで変化させられてでもいたのだろうか。
そこの締め付けを緩められるようにだとか。
昨夜から今朝にかけて、俺のその場所には多分もっと太いものが入り込んでいたのだろうことぐらい、いくら混乱していたからと言って、その時の俺にもわかっていた。
起きた時の状態が状態だ。明らかに何かが挟まったままかのような違和感が其処にあったのだから、気付かずにいられるはずがない。
ただ、俺はその時、自分自身に治癒魔術を行使し、そこの状態をいつも通りに治しておいた。
だから緩んでいただとかいうはずもなく、やはりくちづけで眩んでいる間に、指を押し込まれ、なのに痛みなどを感じなかったのはおかしい。
そのままロディスは俺の尻穴を、やや強引に解していった。
「んっ、んっ、んんっ……!」
びくんびくん震える体は、逞しいロディスの体に押さえつけられ、口の中はロディスの舌でいっぱいで、ぐにぐにぐいぐいぐちょぐちょと、よくわからないまま、ロディスの唾液を飲みこまされる。
片足を抱え上げられている所為もあって、なおかつロディスは俺よりずっと大柄で、俺は残ったもう片方の足でさえ、ともすれば床から浮き上がりそうになっていた。
不安定な姿勢が怖くて、反射的にロディスへとしがみついてしまう。
ざぁざぁと降り注ぐシャワーの下で、ロディスは散々俺の尻穴を刺激し続け、充分だと判断したのか、やがて俺の体を改めて抱え直したようだった。
俺はやはり半ば頭が眩んで、わけがわからなくなっていて、そして。
「っ……――!」
刺し貫かれた瞬間に襲ってきたのは衝撃。
痛みをほとんど感じられなかったのは、やはり何らかの魔術を行使されていたからなのだろう。
その代わりのように、お腹の中をこれでもかと目一杯広げられる苦しさはあった。
理解できない、俺にとっての初めての感覚は、もしかしたら快楽と、呼べるようなものではあったのかもしれない。
体中がビリビリして、頭の中が真っ白になって、俺は。
「んっ、んっ、んっ、ぁっ、ぁあっ!」
ロディスの唇が俺の其処から離れた瞬間、高い声を上げて喘いでいた。
と思えばすぐにまた、唇を塞ぎ直される。
「んっ、んっ、んんっ、ぁん、ぅん、んんっ!」
逃がしてもらえない唇の隙間、微かに漏れる俺の喘ぎは、シャワーの音に紛れて消えた。
ロディスは容赦なく俺へと腰を打ち付けてきた。
俺はがくがくと揺さぶられ、わけがわからないまま……おそらく、絶頂を迎えたのだろうと思う。
頭は眩んでいたし、思考はまとまらなかったし、自分自身が今、どうなっているのかさえよくわからず、何より混乱しつくしていた。
ロディスは俺の腹の奥深くへと魔力をどくどくと注ぎこんだ。
それはもう、これでもかというぐらいに大量に。
ロディスによる強引な交わりは、そのまま俺が意識を失くすまで……――否、もしかしたら意識を失くした後も、一方的に続けられたのだった。
49
お気に入りに追加
1,116
あなたにおすすめの小説
【BL】【完結】兄様と僕が馬車の中でいちゃいちゃしている話
まほりろ
BL
エミリー・シュトラウスは女の子のように可愛らしい容姿の少年。二つ年上の兄リーヴェス・シュトラウスが大好き♡ 庇護欲をそそる愛らしい弟が妖艶な色気をまとう美形の兄に美味しく食べられちゃう話です。馬車の中での性的な描写有り。
全22話、完結済み。
*→キス程度の描写有り、***→性的な描写有り。
兄×弟、兄弟、近親相姦、ブラコン、美人攻め、美少年受け。
男性が妊娠する描写があります。苦手な方はご注意ください。
この小説はムーンライトノベルズとpixivにも掲載しています。
「Copyright(C)2020-九十九沢まほろ」
博愛主義の成れの果て
135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。
俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。
そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。
【完結】異世界行ったらセフレができました
七咲陸
BL
四月一日紫苑20歳。突然死んで、突然女神様に『転生と転移のどっちがいい?』と聞かれた。記憶を無くすのが怖くて転移を選んだら、超絶イケメンに出会った。「私の情人になって欲しい」って…え、セフレってことだよね?俺この後どうなるの?
金髪碧眼富豪攻め×黒髪黒目流され受け
不定期更新です
r18は※つけてます
【完結】恋人の為、絶倫領主に抱かれてます〜囚われ寝取られる〜
雫谷 美月
BL
エリアートの恋人のヨエルは、騎士団の仕事中に大怪我を負い一命を取り留めたが後遺症が残ってしまう。騎士団長から紹介された光属性の治癒魔法を使える領主ジャルミル=ヴィーガントに、ヨエルを治療してもらうことになった。しかし光属性の治癒魔法を使うには大量の魔力を使用し、回復にも時間がかかるという。素早く魔力を回復するには性行為が必要だとジャルミルから言われ、エリアートはヨエルには秘密のまま協力する。ジャルミルは温厚な外見とは裏腹に激しい獣のような性行為をし、エリアートは次第に快楽に溺れていってしまう。
・外面はいい絶倫邪悪な領主✕恋人のために抱かれる青年
・領主の息子の邪悪な少年✕恋人のために抱かれる青年
【全12話】
【他サイト(ムーンライト)からの転載となります】
※メリーバッドエンドになります
※恋人がいる受けが寝取られる話です。寝取られ苦手な方はご注意ください。
※男性妊娠の話もあります。苦手な方はご注意ください。
※死ぬ登場人物がでます。人によっては胸糞展開ですのでご注意ください。
※攻めは3人出てきます。
※なんでも許せる方向けです。
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。
全17話、約6万文字。
【完結】体を代償に魔法の才能を得る俺は、無邪気で嫉妬深い妖精卿に執着されている
秘喰鳥(性癖:両片思い&すれ違いBL)
BL
【概要】
同類になれる存在を探していた、無邪気で嫉妬深い妖精種の魔法使い VS 自衛の為に魔法を覚える代償として、体を捧げることにした人間不信青年
\ファイ!/
■作品傾向:ハピエン確約のすれ違い&性行為から始まる恋
■性癖:異世界ファンタジーBL×種族差×魔力を言い訳にした性行為
虐げられた経験から自分の身を犠牲にしてでも力を欲していた受けが、自分の為に変わっていく攻めに絆される異世界BLです。
【詳しいあらすじ】
転生しても魔法の才能がなかったグレイシスは、成人した途端に保護施設から殺し合いと凌辱を強要された。
結果追い詰められた兄弟分に殺されそうになるが、同類になることを条件に妖精卿ヴァルネラに救われる。
しかし同類である妖精種になるには、性行為を介して魔力を高める必要があると知る。
強い魔法を求めるグレイシスは嫌々ながら了承し、寝台の上で手解きされる日々が始まった。
※R-18,R-15の表記は大体でつけてます、全話R-18くらいの感じで読んでください。内容もざっくりです。
【完結】旦那の病弱な弟が屋敷に来てから俺の優先順位が変わった
丸田ザール
BL
タイトルのままです アーロ(受け)が自分の子供っぽさを周囲に指摘されて素直に直そうと頑張るけど上手くいかない話。 イーサン(攻め)は何時まで生きられるか分からない弟を優先してアーロ(受け)を蔑ろにし過ぎる話 【※上記はあくまで"あらすじ"です。】 後半になるにつれて受けが可哀想になっていきます。受けにも攻めにも非がありますが受けの味方はほぼ攻めしか居ないので可哀想なのは圧倒的受けです ※病弱な弟くんは誰か(男)カップリングになる事はありません
胸糞展開が長く続きますので、苦手な方は注意してください。ハピエンです
ざまぁは書きません
腐男子ですが、お気に入りのBL小説に転移してしまいました
くるむ
BL
芹沢真紀(せりざわまさき)は、大の読書好き(ただし読むのはBLのみ)。
特にお気に入りなのは、『男なのに彼氏が出来ました』だ。
毎日毎日それを舐めるように読み、そして必ず寝る前には自分もその小説の中に入り込み妄想を繰り広げるのが日課だった。
そんなある日、朝目覚めたら世界は一変していて……。
無自覚な腐男子が、小説内一番のイケてる男子に溺愛されるお話し♡
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる