【完結】酔った勢いで子供が出来た？！しかも相手は嫌いなアイツ？！

16・疑問

　そんなロディスと俺が、どうして。
　昨日俺はしたたかに酔っぱらっていた。
　起きた時には二日酔い特有の頭痛で頭が割れそうだと思ったし、記憶もないのだから間違いない。
　だが、だからと言って、それでどうしてこんなことになったのか。
　よしんば、同じように酔っぱらっていたらしいロディスと、うっかりお互いがお互いをご認識して、どうにかなってしまうだとかいうことは、まぁ、ほとんどない話ではあるが、全く可能性がないとは思わない。
　と、言うより、状況から見て実際にそうなっているのだから、そう思うより他にない。
　子供のことに対しても同じだ。
　よっばらっていて、正常な判断が出来なくなっていたからなのだろうと俺は思っている。
　だがしかし、起きてからはどうなのか。
　俺は相手がロディスであると知った瞬間、そそくさとその場を逃げ出した。
　なかったことにしたかったのだ。
　てっきり相手も同じだと思っていたのに、なぜかロディスは追いかけてきた。
　追いかけてきて、その上……――。
　家の鍵は、多分、慌てて帰り着いたが為に、閉め忘れてしまっていたのだろう。
　だからロディスは俺の家へと入ってくることが出来た。だからと言って、無遠慮に浴室まで来たのはわけがわからない。その後のことだって何一つ。
　責任、とロディスは言っていた。
　責任？ 責任だって？ それはいったいどういう意味なのか。
　少なくとも俺には、それを理由として浴室であのような行為に及ぶのは、理解の範疇を超えていた。
　子供には魔力が要る。
　そのこと自体に間違いはない。
　だからと言って、あんな、あんな……――。
　俺は今朝のことを、物凄くいやいやながら思い返した。
　あの、強引で半ば無理やりな行為を。
　あれが俺の認識では初めての、そういった接触だったのだ。