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15・就職
しおりを挟む卒業後、俺が就職先に魔術士団を選んだ時も、何故だかロディスは同じ所を選んでいた。
ロディスの魔術の腕で、入れないということもなく、俺は不本意にもロディスと同僚となってしまう。
同じ中央部を希望し、しかしここでようやく配属先が、第二部隊と第三部隊で別れたのは、幸運だったと言えるだろう。
当時すでに誰の目にも、俺達が犬猿の仲であることは間違いない事実であったし、あるいはお互いの体格的なものがあったのかもしれない。
なにせロディスの所属する第二部隊は、圧倒的に男性隊員が多く、また、皆が大柄で、剣術やら体術やらに長けた者も多かった。
対して、俺の所属する第三部隊は、女性と男性の比率ややはり半々ぐらい。男性隊員も俺と同じよう、体格に恵まれず、剣術や体術を苦手としている者が多かった。
そこに配属されたことは、なんだか俺自身の立ち位置を思い知らされたような気分となったものだが、同じ部隊の者達は皆、気が合う者ばかり揃っていて、結果的に第三部隊で良かったと今では思っている。
おそらく他の部隊では今のように、隊長にまでは、なれていなかったことだろう。
ちなみに第五部隊だとかは、女性の方が多い部隊であったりするのだがそれはともかく。
第二部隊と第三部隊で隊が分かれ、少し距離が出来たところで、俺とロディスの仲は悪いままだった。
むしろ学生時代よりもずっと、ロディスは俺と会う度、不機嫌を通り越して怒っているとしか思えない顔ばかり見せるようになったのである。
それはお互いが隊長となり、時に共同で作戦に当たったり、協力し合わなければならない時だって変わらない。
勿論、足を引っ張り合ったりなどしないよう、俺も、おそらくはロディスも気を付けてはいるけれど、仲良く談笑などは出来るはずもなく、会うとほとんど必ず言い争ったりなど諍いを起こした。
俺としてはロディスにいつも、わけのわからないいちゃもんを付けられているように感じている。
いつもいつも、俺にはキツいことばかり言って、いったい何のつもりなのか。
他の人間に対してはむしろほとんど表情さえ動かさないくせに、俺には怒ったような顔しか見せないのだ。
俺も勿論、同じような顔しかロディスに見せず。
それは今では、お互いの部隊の隊員たちのみならず、中央部全体に知れ渡っているような有り様なのだった。
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