結婚10年目で今更旦那に惚れたので国出したら何故か他国の王太子に求婚された件。~星の夢2~

愛早さくら

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3・偽りの学園生活

3-50・休日①

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 心情が交わらないままでの行為に、いったいどんな意味があるというのだろうか。
 最近ティアリィはよくわからなくなってきていた。
 いい加減、国に戻ってきて欲しい。そう願うミスティのことが、理解できないわけでは決してなかった。
 とは言え、ベッドの上、行為の最中さなか、半ば無理やり頷かせようとする部分については、まったく納得できないままではあったのだけれども。ミスティの行動はともかく、希望と発言自体は、反しておかしなものではなかったのである。
 ところでティアリィは立場ゆえ、当然、執務やら公務やらというものが存在する。
 それらの中には決して高い頻度ではなかったが、謁見なんて仕事も含まれた。
 ただし、元々ナウラティスは希望すれば皇帝に会えるというような国ではなく、身分の高い高位貴族でさえも、要件を改められ、内容如何によっては会えないことなどままあった。勿論、必要とあらば非公式な場も含め、いくらでも時間を取りもするのだが。
 基本的にはすべて書面、あるいは記録用の魔道具にて管理され、それがゆえに、皇帝、皇后共にほとんどの執務として、書類仕事に従事することとなっている。
 つまり、それらの処理さえ滞らなければ、常に王宮にいる必要はなく、だからこそティアリィも現在、多くの時間を王宮の外で過ごすことが出来ていた。
 とは言え、当然これまで通りの仕事量など熟せるわけもなく、子供達や文官が手助けしてくれて尚溜まる分というものは発生して、特に国を空ける期間が長期化すればするほど、それらの量は増える一方だった。
 そういった面で考えても、いい加減国に戻らなければならない。
 そんなことはティアリィにもわかってはいるのである。
 ただし、ファルエスタを今のまま放置するわけにはいかないのも本当で。
 ひとまずの処置としてはここ最近、ティアリィは王宮に戻る頻度を増やすようにしていた。
 ピオラの護衛という意味においては、現在ほとんど心配は要らず、むしろティアリィがファルエスタから離れられない理由の大部分はキゾワリの動向やファルエスタの王宮での所用・・が占めていて、夜に戻る時間も早まっていれば、休日も頻度高く、ナウラティスで過ごすようになっている。
 そこで熟すのは当然ながら、滞っている仕事の処理だった。
 アーディが請け負ってくれている案件の確認などもある。ただ、それらに関しては見事という外なく、あの子は本当に今、十歳なのだろうかと親でありながら疑わしく思うほどだった。子供がしっかりしすぎているというのも逆に心配になるものなのだな、なんてことも思う。
 とにかくティアリィはその日、ナウラティスにて滞り気味の執務に従事していたのだった。
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