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1・きっかけと要因

*1-6・6年前の話。待望の歓喜(ミスティ視点)

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 欲がはやった。
 だって初めてだったのだ。ティアリィのこんな反応は。
 ミスティは夢中で彼に触れた。しっとりと吸い付くような滑らかで真っ白な肌を赤く火照らせて、ティアリィの指に導かれるように体を震わせる。
 一番反応が良かったのは当然のように下肢と、後は胸の尖りだろうか。二人の子に吸わせ、育てた其処は治癒魔術の施しを経てもなお、一度もそうしたことのない物とは少し違って、赤くぽってりと色づき、女性のようなふくらみにこそなっていないものの、仄かに柔く隆起していた。掌に吸い付くような其処・・を揉んで、果実のような先端をつまむと、

「んっ…、ぁっ……」

 ティアリィはミスティの指に反応して息を詰める。吐かれる彼の息が熱く、荒く。甘く。

「ティーア」

 口を寄せて食んだ。そもそもその場所からは、別に乳が出るわけではない。産まれたばかりの子供に、それでも胸を含ませるのは、突起からだと魔力が吸い出しやすいからだ。本能的なものなのか、この世界の人間の体はそう・・出来ている。
 つまり、こうすることでその場所・・・・から魔力を吸い出せるのは子供だけではないということ。今のように。
 じゅっと意図して魔力を飲んだ。

「あっ!」

 ティアリィの口から甘く高く、切ない声が漏れる。
 同時にティアリィの下肢にも触れているから、どちらにより反応したのかまではわからない。否、どちらでもよかった。
 そもそも今のティアリィに、胸を吸われている自覚があるだろうか。下肢にばかり意識が集中しているようにも見えるから、存外認識していなさそうだ。別に構わなかった。
 それだけ彼がミスティの指に、陶然と酔ってくれているということだから、もう、それで。
 ティアリィ自身の下肢を握る指と舌で舐めしゃぶり、吸い付いた胸とでさんざん喘がせて、存分にティアリィの反応を引き出した後、ミスティはようやくティアリィ自身の更に奥、自分をこれまでにも幾度となく受け入れてくれてきたその場所に手を伸ばした。
 するとその場所の反応までこれまでとは全然違って、数か月に渡り長く使用していない頑なさはありつつもミスティの指を待ちわびていたかのような綻びの予兆を見せて。まさかこれほどまでとは、とミスティの胸を歓喜で満たした。
 ちらと眺めやったティアリィの瞳は潤み、眼差しは蕩けて、ちらちらとうる熱を垣間見せている。
 求めている。
 ティアリィは今、ミスティを、求めてくれている。
 それは初めてのものだった。
 それは同時にどうしようもなく、ミスティをも酔わせるもの。
 ああ、ティアリィ。
 胸を満たす幸福感は、到底、言葉にも表せられないほどのもの。
 ミスティはますますティアリィに溺れていく。かろうじて手繰り寄せた理性でもって、ともすれば焦りそうな手指に気づかいを思い出させ、いつもと同じ魔術を行使する判断を下させた。そうでもしなければどうしても十全に濡れることのないティアリィの其処を、傷つけてしまいそうだから。魔術の使用は必須なのだ。
 ぬちと、湿った音をさせながら指で探った。
 びくびくといつも以上に反応のいいティアリィの様子に、頭の芯が痺れていく。思考が溶けそうだ。一つ間違うと、衝動のままに貪り散らしてしまいそう。
 否、否、それではいけない。ようやくティアリィが、今、こんなにもミスティの指を求めてくれているのだからそれを妨げるようなことなどできるはずがなかった。
 ずっと望んでいた。ミスティはこれを、望んでいたのだ。
 ティアリィに宿る熱。これまではなかった反応。ミスティを、拒絶せず受け入れるだけではなく、求めて。体を火照らせてうる。それらが示すのは恋情だ。他でもない、ミスティに対しての。
 ああ、ティアリィ。
 縋るように、ティアリィの腹の中を指でかき回して、ミスティ自身を受け入れさせやすくなるよう慣らした。
 出来るだけ丁寧に、丁寧に蕩かして、開かせていく。すでに望むように綻んでくれているそこを、もっと、もっと更にと。
 これまでとは違う反応を噛みしめて。
 やがてようやく体をつなげた時、ミスティを満たした感慨は、いったいどう表せばよかっただろうか。
 その時、ミスティにとって世界はどうしようもなく、輝いていた。
 それだけは間違いようもなく、確かに。光、輝いて。
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