30 / 55
第2章・まるで夢のような日々(リュディ視点)
12・侍女の誤認識と、愛しい彼を想うこと①
しおりを挟むルナス様は毎晩、僕の元を訪れて下さった。
なんて素敵なのだろう! 好きすぎてヤバい。
僕は大変ふわふわしながら毎日を過ごしていく。
夜はいつも激しくて嵐のよう。痛くて苦しいのもいつもで、それでも段々そうではなくなっていっているのにユセアナは、
「あの方、思ってた以上にヘタクソなんですかね。リュディ様を思っていらっしゃるのは確かだとばかり思っていましたけれども……いつまでもこのような状況だなんて。それもいったいどうなんだか」
なんて、とっても嫌そうに吐き捨てていて、僕は悲しくなって泣いてしまう。
僕はルナス様に触れてもらえると嬉しい。
痛くても苦しくても、そんな何もかもが、ルナス様から与えられているのだと思うと幸せだ。
それに気持ちいいと思うこともある。
だからユセアナがそんな風に、乱暴なことを言うのは嫌だった。
それに、ヘタクソ、とか何とかはよくわからないけれど、ルナス様はちゃんとお優しいのだ。
毎晩、はじめは指で僕のお腹の中をぐちゃぐちゃにする。
多分香油か何かだと思う、微かにいい匂いのするぬるぬるしたものをたくさん使って、僕はおもらしでもしたのではないかというぐらい、お尻の穴をかき回されるのだ。
それもとっても長い時間をかけて。
それが、いわゆる慣らす行為なのだと僕は今では知っていて。……――だって僕にそうしながらルナス様が時折ぶつぶつと、
「ああ、リュディ、泣かないで。しっかり慣らすから。今晩こそ痛くないように頑張るからね」
だとか言いながら、泣いている僕を宥めて下さったりするので、つまり僕のお腹の中を、指でたくさん触るのは、痛くなくするための行為であるはずなのだ。
それなのになぜ痛くなるのか。
そんなの、簡単な話。ただ単純に、ルナス様の股間の陽物が、大きすぎるのが原因だった。
そもそも、僕は小柄だ。
同じ年の他の人を見たことがないから、よくわからないから多分だけど。
16歳。つまり元々成人していない。
もっとも、貴族の政略結婚だとか考えると、輿入れに際して、あり得ないほど幼いというほどでもないのだけれど。
何より僕は表向きは人質で、だから別に年齢は問題にならなかった。
現に子供も成せたのだから大丈夫だ。
でも、どうも僕は16という年齢を考えても、大きくはないらしい。
少なくとも男なので、もう少し大きくなれると思うのだけれど、体格的に男性より劣る女性のユセアナよりもちろん小さくて、彼女曰く、
「少年特有の危うさですわね。まるで未成熟な果実のよう」
とか何とか言っていたので、そういう感じなのだろう。
10
お気に入りに追加
154
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる