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しおりを挟むまるで導かれるようにそちらを見下ろす。
硬く、反り返るように勃ち上がったフィム自身は、見たこともないぐらい大きくて。
ごく、知らず喉が鳴ったのは、前世の記憶があるからなのだろう。
今まで前世でさんざん尻に押し込んできた玩具や、勿論、前世の俺よりもずっと大きい。
長くて太くて硬そうで。
何より元気良く、腹につくほど反り返っていて。
あれを、今、フィムの指を含まされている俺のそこに挿れる。
入るのだろうか、と不安がよぎった。
フィムが先程、散々無理だと言っていた理由を痛感する。
いや、だってまさかここまで大きいとは思わなかったのだ。
そりゃ、確かにフィムは体格がいいから、それもきっと大きいのだろうとは思ってはいた。
思ってはいたけれど、実際に目にすると想像以上だ。
だってあんなの、もし全部入れたりなんかしたら、腹が突き破られるんじゃないかとさえ思う。
どこまで届くのか見当もつかない。
それを、今から受け入れる。
フィムの指一本でギチギチになっている俺のそこに。
不安になる。なのに、やめようとは思わなかった。
だって俺は知っている。尻の中を刺激して得られる快感を。
勿論、肉体的な快楽だけではなく、何よりフィムと一つになりたいのだ。
誰かと、深く触れ合いたい、それは前世から憧れてきたことで、そして相手は、他の誰でもない、フィムがよかった。
俺の怖気に気付いたのだろうフィムの指の動きが止まる。
顔を見上げると、眉尻が情けなく下がっていて。だから。
俺は笑って、力の入らない腕を懸命にフィムに伸ばした。
「フィム」
続けていいんだと告げる代わりに、名前を呼んだ。
愛しくて、大切で。前世も含めたこれまでで、唯一求めたいと思えた男の名前を。
「ああ」
フィムの、感極まったような吐息が、今にも泣きだしてしまいそうな笑みに撓んだ。
抱きしめられる、抱きしめる。
肌と肌を触れ合わせて。
年は同じはずなのに、体の大きさはまるで違う。すっぽりとフィムの影に、収まりきってしまう俺の体。
それでも、受け入れられないわけがない。
だってこんなにも俺はフィムを求めている。
止まっていた、俺の尻の中を探る、フィムの指の動きが再開された。
「あっ、あっ、あっ、あぁんっ!」
ぐちゅぐちゅ、じゅぐじゅぐ、俺の胎の中から、湿った音が響く。
潤滑油か何かでも使っているのだろうか。
いつの間に。こうなってから一度も、フィムは俺から体を離さなかったのに、なんて一瞬、不思議に思って、だけどすぐにそんなことどうでもよくなってしまう。
だって気持ちよくて。
なのに何処か、もどかしくて。
フィムの指が俺の胎の中のあちこちを引っかいたりこねたりする度、俺は前世を含めても感じたことのないほど強烈な快感に、喘ぐことしか出来なかった。
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