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しおりを挟む慣れているようで慣れない体。
知っているようで知らない体温。
否、知らないはずの、ぬくもり、あつさ、熱。
ストリシュタの熱だ。
俺の肌の上を這う、男の指は硬く、少しばかりかさついている。
男性らしいと言えばきっとそうなのだろう、対して俺はじっとりと汗ばんで、体中を火照らせていて。
開け切った互いの衣服。露わになった胸元。布地が妙に多く思えるのは、身に着けていたブラウスの、装飾が多かったからか。
俺は自分が今、どんな容姿でどんな格好をしているのかすらよくわからないまま、ストリシュタの緑色の瞳の中に、見慣れない姿が映っているのをぼやけた思考で眺めていることしか出来なかった。
「ぁっ、ぁっ、ぁあっ、んんっ……」
俺の露わになった胸に吸い付く男の仕草は荒々しく、でも何処か労わりを感じられて、俺の体は昂っていくばかり。
口から洩れる、余ったる喘ぎ声が耳に遠い。
「あっ、あっ、やぁっ……んっ」
堪らず身を捩っても、逃してなんかもらえず、それどころかますます拘束は強くなる。
ストリシュタの指が俺の背筋をなぞり、腰を這い、肉付きの薄い尻をわし掴んだ。
そのまま揉まれると、体に宿る熱はますます俺から身の置き所を奪っていく。
やがて足を大きく押し開かれたかと思うと、ストリシュタが俺の、いつの間にかすっかりと熱を持ち主張していた雄芯を握り込んで。
「あっ! ぁあっ、や! そこっ……!」
ぐちゅ、堪え性なく、雫を浮き上がらせていた先端を指の腹で擦られた。
そうされるとどうにも耐えられず、すぐにも達してしまうのではないかと思えたのに、その瞬間、ぎゅっと強く握り込まれ遮られる。
「あ、ぃや、はなし、てっ……!」
抗い、押しのけようとした手は煩わしそうに振り払われたかと思うと、ストリシュタはその場所に頭を下げていった。
ねろ、生暖かい口内に包まれる。握り込まれ、根元を戒められたまま。同時に、尻の間を探られ始め、俺の心臓はこれまで以上に大きく強く高鳴った。
ああ。期待している、と自覚せざるを得ない。
この先を俺は、知っていると。
この男から与えられる快楽を。その先に至れる境地を。俺は、どうして。ああ。
「もぉ、やぁっ……! トリシュぅ……!」
俺の喉から、甘ったるい声が漏れる。
それに応えるかのように、ストリシュタの指がぐりゅん、俺の胎の中へと沈み込んできて。俺は感じるがままにただ喘ぐだけ。
「あっ、あっ、ぁあっ! いい、いいよぉっ……! ああっ!」
身悶え、体を仰け反らせて。腰を、まるでストリシュタに押し付けるかのようにして俺は肌を震わせた。
頭が白く染まっていく。
気持ちいい、それしか考えられなくなっていく。
そのうち、ストリシュタが俺の雄芯から口を離したかと思うと、体勢を整え、俺の足を抱え直して。
ぐぢゅ、指を引き抜かれた俺のその場所が、ひくひくと物欲しげに引くついているのが自分でもわかる。
寂しいとさえ、感じている。
たった今までストリシュタの指をいつの間にか二本、否、三本ほども飲み込まされていたそこは排泄口で、何かが入るような場所ではないはずなのに、そんなことさえもはや何もわからず。ただ、この先を待ちわびて、早くと、そう願うだけで。ああ。
「トリシュ、トリシュ、早く、もっと」
もっとぉ……!
俺は情動に逆らわず、ストリシュタへと両手を伸ばした。
そうして引き寄せるのに、ストリシュタは逆らわず、ぴと、あつい熱の塊が、その場所へとおしつけられ、そして。
「ああ、ディファ。いくらでも、くれてやる……っ!」
「あぁっ!!」
体を割り開かれていく。
信じられないぐらい胎の奥にストリシュタ自身が入り込んでくる。
ともすれば痛みすら感じられるのではないかと思うようなこの行為に、けれど苦痛など何処にもありはしなかった。
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