恋の終わりもその先も~ずっと好きだった幼なじみに失恋したので、

愛早さくら

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10・いずれは

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 リシュとマディは間違っても恋人同士などではない。
 それは確かだ。
 ほとんど一緒に育ってきたし、離れている時間の方が短いんじゃないかというぐらいには普段から行動を共にしている。
 けどそれだけ。
 そもそも職場が一緒なのだから、それはある意味当たり前のことなんじゃないかとすら思う。
 なにせお互いに好きだとかなんだとか言い交わしたこともなければ、デートとでも言えばいいのか、休日に二人で遊びに出かけるようなこともなく。
 もっとも、買い物などの用がある時には、休日に限らず出かけたりなどはするのだけれど。
 だけどそれだけ、それだけ、だけどそれでも、ただ言葉にしていないだけで、お互いに想い合っている。
 リシュは漠然とそう信じていた。
 そもそもそうでもなければどうして体など交わすというのだろう。
 今はまだ、肉体関係のある友人同士、つまりセフレだ。
 お互いに身近な所で欲を発散することにした、そう言い換えてもいいのだろう。
 半面、お互いにお互いしか経験がなく、面倒だとかなんだとか、理由はどうあれよそに目が向かないのだから、肉体関係がある事実そこに意味を見出すのは当たり前のことなのではないかと思う。
 あくまでもセフレではあるけれども、そこから先へと進んでいないだけで、恋人同士に殉じた関係ではないかとリシュは考えている。

(だって俺は美しいしね)

 マディが自分に不満など持っているはずがない。
 いっそ過剰とも言えるほどの自負。
 けれど事実が付随しているので、あながち間違ってもいなかった。
 実際にマディが口で文句を言いながらも、リシュを大切に扱ってはいて。だからこそリシュは、今はただのセフレでもいずれは、とそう思っている。
 己がマディに寄せている心が叶わないなどと、欠片も考えてはいないのだ。
 それはこれまでの積み重ねであり、経験・・だった。

(事実、前の時・・・は……――)

 確かに、自分たちは恋人同士だった・・・・・・・のだから。
 そこから大きく変わっているとは思えない。だから、今度もきっと、と。

(なのに、どうして)

 揺れる心はまだ少しだけ先の話。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

リベ
2024.07.10 リベ

続きが気になります〜

2024.07.10 愛早さくら

感想コメありがとうございます〜!

続きも書きます!ので、もうちょっとだけ待ってくださいね♡
おまたせしてすみません〜!

解除

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