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21-1・午睡と夢
しおりを挟む終わり際、お義母様に、
「今日は久々の食堂での昼食で疲れたでしょうからいいのだけれど、近々別で、お茶の時間も取って頂戴ね。楽しみにしているわ」
などと言われ頷いた。
同時に、この後続けてお茶でも、などと言われなくてよかったとも思ってしまう。
今日の午後からは散歩がてら、図書館に行ってみて、それぐらいにしておこうかと考えていたから。
あまりいっぺんに、急に出歩かない方がいいと思ったからだ。
それでなくともとりあえずは部屋に戻って、休憩して、それからだとも予定している。
いくら久しぶりだとはいえ、たかだか昼食へと食堂に赴いただけ。
だが、ここ数週間部屋から一歩も出ていなかったのは、俺自身が思うより俺に影響を与えていたようで。
(もしかして俺は、食堂に行った、たったそれだけで気疲れしている、とでもいうのか……?)
部屋戻って、いつものソファに腰かけ、ほっと一息ついた途端、どっと押し寄せてきた疲労に、自分で自分に愕然としてしまうほどだった。
図書館に、と思っていたけれど、これは明日にした方がいいかもしれないとも思う。
ちなみに元々夕食は、これまで通りラティと二人部屋で取る予定で、それはお義母様やお義父様にも伝えていることだった。
だからこそわざわざお茶も、『近々』などと言っていたのだろう。
そうでもなければ明日以降の予定など、夕食の時に告げてもいいようなことなので。
「うーん」
なんとなくぐでっと、ソファにだらしなく、体を預けきってしまう。
「寝室で少し、お休みになりますか?」
見かねたのだろうシェラに訊ねられ、少しだけ考えてから頷いた。
部屋に籠りっぱなしとは言え、昼寝の習慣はなかったのだけれど……今日はそうした方がいいのかもしれない、そう思えたからだった。
「あー、うん、そうだな……ちょっと休むかな……」
なんとなくひどく体が重怠いのは、数週間の閉じこもり生活で体力がすっかりなくなっているからなのかもしれない。
それともただ単純に、久々の外出に気疲れしているだけなのか。
(いや、多分両方だな……)
思い直してのろのろと体を起こし始める俺へ、すかさず近づいてきたシェラが、休むのならそれに適した装いをと着替えを手伝ってくれる。
素直にその手を受け入れ、他の侍従らも加わっての着替えを済ませると、どことなくぼんやりした気分のまま寝室へと移動した。
数週間ぶりの、ラティと一緒ではない寝室は、昼間でいつもよりよほど明るいはずなのに、どことなく寒々しく感じられて。
自分が、どうやらすっかりラティの存在に慣れていたようだということを実感した。
(ああ、俺はいつの間に……)
心の中で呟いて、どさと体を寝台の上へと投げだした。
ごろり、寝心地のいい場所を探して身動ぎ、目を閉じる。
睡魔は容易く俺を捕らえに来て。
俺は抗うことなく、浅い眠りへと身を委ねたのだった。
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