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プロローグ・とある酒場にて:男の話
しおりを挟む酒場は夜の喧騒に包まれて、ざわざわと騒がしく、隣の人間の声さえ、よく耳を澄ませなければ聞こえないほどだった。
そんな中、一人の男が酒で顔を赤らめて、管を巻くように話をしていた。
同じテーブルについた者たちは、男の話にじっと耳を傾ける。
こわごわと、おそるおそる。
だけど、男の話から意識を逸らせずに。
男の声は、ただひたすらに苦かった。
俺は言っちゃなんだが、褒められた人生なんて歩んできてない。
生きる為なら何でもやった。強盗、恐喝、拉致、強姦、殺人まで何でもだ。
そんな俺でも、あんな光景は見たことがなかったとはっきり言えるぜ。
俺がその場所に踏み入った時、そこには一人の雌……性別は男なんだがな、雌にしか見えなかった。男じゃねぇ。
その一人の雌に、大勢の男が群がっていた。
塊みたいになっちまったそこの周りには、他にも幾人もの男共が転がっている。素っ裸でくだばってた。
多分死んではなかったが、それに近かったな。精も根も尽き果てたってな様子でな。
辺りには雌の嬌声が響いてた。
媚びたような甘い声だ。聞いてると思わず勃っちまうような色気と悦びにあふれて、頭が溶けちまいそうだった。
そこに満ちてたのは鼻が曲がっちまいそうな濃い精の匂い。どんだけ出したんだか。
その場にいる男全員分かと思うとぞっとする。
真ん中で派手な水音を立てて男共に嬲られてる雌は笑ってた。
悦んで媚びて、もっとって叫んで、で、嬉しそうに笑ってたんだ。
俺はピンときた。
ああ、あれが魔女か。
噂に聞く、ナウラティスの魔女だってな。
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