【完結】身に覚えがないのに身ごもりました。この子の父親は誰ですか?

愛早さくら

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第一章・リーファ視点

*1-45・気持ちいい①

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 義兄上が気にするようなことじゃない。

「謝らないでください。それは義兄上あにうえが僕を思ってしてくださっていたことでしょう?」

 それを感謝こそすれ、責めることなんて出来るはずがない。
 だって僕は義兄上が僕を思ってくれる全部が嬉しい。

「でも、義兄上がせっかく僕に魔力を注いでくださったなら、僕はそれを全部覚えておきたいです。僕が気を失ってしまって、覚えていられない時があったら、せめて後からでも、義兄上が魔力を注いでくださったことを感じたい。だから、今度からは、治して下さる時は僕が起きている時にして下さい。それでいいです。ね?」

 僕がお願いすると、もちろんご義兄上ははっきりと頷いて下さった。

「約束するよ、リーファ。勿論、治さないといけない時は治すけど、そうじゃない時は、今度からは・・・・・必ず、リーファが起きている時にする」

 僕をまっすぐに見つめて、義兄上がそうお約束して下さったから、僕は嬉しくなって、すりと、義兄上の裸の胸に顔を擦り付ける。

「嬉しい、義兄上。きっとですよ?」

 義兄上はぎゅっと僕を抱きしめて下さって、それがとってもあたたかくて。お尻の辺りに、義兄上の硬くて逞しい雄の象徴が、熱く感じられるのも愛しい。
 目が覚めた時から僕は、横向きに義兄上に抱き着くみたいな格好になっていて、元々初めから、僕は足の間に義兄上の腰の辺りを挟むような体勢だったんだ。だから義兄上の雄の象徴は、ずっと、僕の少しひりひりするお尻の穴の所を擦っていたんだよ!
 少し位置を調整すると入ってしまいそうだ。
 でも、お腹の赤ちゃんの様子を探る限り、僕は今、魔力に満ちているみたいだから、そうしなくても大丈夫そうだった。
 それに、じんじんひりひりするお尻の穴を義兄上の象徴の幹の部分が擦るだけでなんだか少し気持ちがいいしね。

「ふふ。リーファ。可愛いね。私のリーファ」

 義兄上がぎゅっと僕を抱きしめて下さる。僕は義兄上よりずっと小さいから、そうされるとすっぽりと義兄上の腕の中におさまってしまうんだ。そして身じろいだからだろう。それともぎゅっとするのに、義兄上がより僕を抱き寄せたからか。ずりと、お尻の穴を義兄上の象徴が擦って、それはやっぱり少しだけ気持ちよかった。

「ぁっ……」

 思わず、そんな声が出ちゃうぐらいに。

「リーファ?」
「ん、義兄上ぇ……」

 ちょっとだけ自分でも腰を動かしたら、やっぱり気持ちいい。じんじんひりひりしているふちの所を擦られるのは、まるで痒い所を搔いたみたいな感じになるんだ。
 つまり、結局、気持ちがいいってことだ。

「腰が動いているね、リーファ。気持ちいいの? 足りなかった?」
「ううん、足りてると思います。足りてるけど、でも……んっ、」

 魔力が欲しいっていうわけじゃなくて、これはただ気持ちいいからしてるだけ。
 じんじんひりひりして、疼くから。
 そうしたら義兄上は、そんな僕に笑って。

「はは。いいよ、リーファ、だったらいっぱい擦ってあげる。入り口だけでもそんなのだったら、きっとも足りないよ。ついでに、もう足りてるみたいだけど、もう少し追加で魔力も注いでおこうね。昨夜リーファは本当に危なかったんだから」

 言いながら、僕をぎゅっと抱きしめてくれていた腕の片っぽを、僕の足に回して、少し腰を引いて、位置を調整した。
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