【完結】身に覚えがないのに身ごもりました。この子の父親は誰ですか?

愛早さくら

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第一章・リーファ視点

1-35・視察④

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 さて、実際に視察が始まったのだが、僕と義兄上との見解では、大公閣下には特に問題が見られなかった。
 出迎えてくれた時の様子や、その後の対応、言動も含め、非常に強力的で、何ら後ろ暗い何かがあるようには見えない。
 僕や義兄上と、躊躇いなく握手を交わせる程度にはどうやら清廉な人物らしいと判断する。
 僕も義兄上も、否、ナウラティスの王族であるならばほとんどの者が必ず、自分自身にも国を覆っているのと同じ守護結界をかけてあった。つまり、悪意や害意を持つ者は、触れるどころか近づくことさえできなくなっていて、これもまた有名な話。
 ましてや公国の大公閣下がそれを知らないはずがなく、その上で躊躇いなく求められた握手は、大公閣下の人柄を保証するものとなり得たのだ。
 これには僕も義兄上もほっとする。
 もしこの視察期間中に今後、何らかの問題が発生したとして、ある程度は大公閣下に裁量ごと任せることが出来ると証明されたようなものだったからだ。
 一番上の国主たる存在が、どうやら信頼に足る人物であるようだというのは非常に大きい。
 もし大公閣下の部下の一人に、信用ならない者がいたとしても、ナウラティス側から何らかの処罰を与えなくとも、大公閣下の下、公国内で処理してもらうことが出来るからだ。
 これが大公閣下そのものが信用できない存在であった場合、他に信頼に足る者を可能な限り大公閣下ご自身と近い者の中で見つける所から始めなければならず、単純な視察では終われなくなることさえ過去にあったと聞いている。
 加えて、あの日、義兄上とご一緒でいらした第一公女様にも特に問題はなく、義兄上のおまけのような僕にも、非常に親切に接して頂いた。
 とても素敵な女性だと思う。
 問題は第二公女様の方で、僕を睨みつけるのは勿論、義兄上をともすればうっとり見つめ続けていたりして、大公閣下が謝罪するほどの態度だった。
 大公閣下は勿論、ご本人にも何度も注意していらして、それは第一公女様も同じ。にも拘らず、第二公女様の態度は一向に改まらず。
 その上、資料の照らし合わせの最中、どうやら大公閣下がご存じではなかった・・・・・・・・・らしい問題が発生し、このままでは予定の延長を余儀なくされることとなり、そういった諸々を踏まえて、公邸での作業に関しては引き続き義兄上が、各地を回ることについては僕がと分担する予定へと変更することになった。
 第二公女様の悪意ある視線から僕を守る意図もあったのだろう。
 しかし、とにかくそれらのこと全てが、公邸に着いてたった2日以内に発生し、余裕を見て予定されていたはずの、翌日夜の夜会を迎えることになったのだった。
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