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*192・俺と試練の夜⑧(リシェ視点)

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 目が眩んだ。
 何より途方もなく熱かった。
 俺は知っている。
 サフィルを暴いた時の気持ちよさを。
 サフィルの胎内を、俺自身で押し進んだ時の感触を、その快感を。俺はもう、知っているのだ。
 そして同時にその後に味わった恐怖もまた、決して忘れられるようなものではなかった。
 だから。

「リシェ様ぁ、くださぃぃ……もっと! リシェ様を、もっとっ……!」

 サフィルが、そんなことを上擦った声でねだりながら、俺に縋りついて股間を押し付けてきた時、俺は乱暴にサフィルを組み伏せたい衝動を堪えた。
 否、結局堪えきれず、サフィルへと押し入ったのだけれども、それでも出来るだけゆっくりとを心掛けた。
 すぐにも奥まで、勢いよく突き入れてしまいたいのを、歯を食いしばって堪えて。

「くっ、ぅうっ……!」
「ぁあっ!」

 その甲斐あってか、背を仰け反らせて喘ぐサフィルの声に苦痛はない。
 初めての夜とはまるで違うその様子に、俺の興奮はますます高まっていく。
 もっと、なんてそんなもの。
 そう望んでいるのは俺の方だ。
 もっと、もっと欲しかった。
 もっと激しく、サフィルを貪り尽くしたかった。
 サフィルの胎内は柔らかく溶けて熱く、そしてきつく、俺を包み込むかのよう。
 初めての夜のように、狭いところを無理やりに抉じ開けたというような感触はない。だが、気持ちよさはそれ以上と言っていいだろう。
 股間から俺の全部が、まるで溶けてしまいそうだ。
 気持ちよくて気持ちよくて、もっと激しく、腰を動かして出し入れしたら、どれほど気持ちいいことだろう、そう思わずにはいられなかった。
 でも。あの、翌朝を思い出しては自制する。
 ゆっくり、ゆっくり、努めて乱暴にならないよう、慎重に腰を圧し進めながら、俺は出来るだけサフィルの様子を伺い続けた。

「ぅ、く、さふぃ、るっ……! サフィル、サフィルっ……! い、痛くないか……? 苦しくないか……?」

 俺の方こそ苦しいほど荒い息の合間に、言葉でもそんな風に確かめると、サフィルは切なそうに顔を歪めながら、

「はい、はい、だいじょう、ぶ、です、リシェさまぁ……! ぁあっ!」

 感じ入ったと言わんばかり、甘く、甘くそう喘いで。

「そう、かっ……ぅっ」

 そこに、苦痛の色が見えないことに安堵した。
 ゆっくり、ゆっくりサフィルの腹の中を暴いていく。すぐにも激しく腰を振りたいのを堪えて。注意深く身を沈め、僅かに身を引いてはまた押し込んだ。

「あっ、あっ、あっ、ぁあっ!」

 俺の動きに合わせ、サフィルが上ずった声を上げる。
 甘い喘ぎ声。
 それは気持ちいいと、その声で示すかのようでさえあった。
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