【完結】前世を思い出した身ごもり公爵令嬢は過保護な溺愛国王から逃れたい

*20・求めあう③

　揺れる視界は快感と共にあった。

「ぁっ、ぁっ、じぇ、ら……じぇらぁ……！」

　私は大きな波にさらわれた木の葉のように陛下の動きに翻弄され、逞しい背に縋りつく。
　私の腰を掴んだ陛下は、激しく深く、私の腹を抉り、最奥を突き、快楽の坩堝へと追い落とした。
　私の胎内がぎゅっと陛下に絡みついているのがわかる。
　逞しくて大きくて硬い陛下の雄身は、そんな媚肉をかき分け、擦り上げ、ずちゅずちゅとはしたない水音とともに、私の腹の中を刺激しつくした。

「あ、ぁああぁぁっ……！」

　私は背を仰け反らせ、胸を陛下に押し当て、大きく喘ぎ声を上げるしか出来ない。
　そんな私の唇は、そのうちに陛下に捕らわれ、熱いくちづけによって塞がれた。

「ぁ、ぅむ、ん、んんっ……！」

　腰の動きは止めぬまま口を侵され、私の嬌声は全て陛下へと飲まれていく。代わりのように陛下の唾液が、私の喉へと注がれた。
　熱い。
　唾液にも息にも魔力が混じり、それは熱となって私の全身を駆け巡っていく。
　やがてあらかじめそう決まっていたかのように、魔力は全て腹へと集まり、子を育てる養分となった。
　ドクン、ドクンと、体内にも直接に精と魔力を注がれ、それらもまた、子を育てる糧となる。
　一度や二度の吐精では、陛下の雄身は固いまま。
　私はこんな昼間から、幾度となく陛下の熱を受け止めることとなった。

「ぁっ、ぁっ、ぁっ！ じぇら、じぇらぁ……！」

　陛下の動きに合わせて甘い声を上げ、はしたなく下肢を濡らし、腹の奥深くで陛下を飲み込んでいく。
　陛下の雄身は本当に長大で、全てを私の中に納めようとすると、最奥を突き破り、入ってはいけない場所まで、入ってきてしまいそうだった。
　本当なら痛みさえ感じそうなほどのそれが、だけど私にとっては堪らないほど気持ちよくて。

「ぁっ、ぁっ、も、っと、おくぅ……！ もっとぉ……！」

　いつしか私は、そうねだり、貪欲に陛下を迎え入れ、快感の波に酔いしれていた。

「フィア、フィア、かわいいフィア。私のフィア」

　陛下が私の耳へとささやく声さえも甘く。
　そんな刺激までもが気持ちよくて。

「じぇらぁ……」

　陛下の名を縋るように呼ぶ私に、陛下は満足そうな笑みを浮かべ、もっと更にと私を揺さぶった。
　たわわな胸が弾み、揺れ、真白く瑞々しい肌があらわで。
　時折視界の端に移るそんな自分自身が、恥ずかしくて堪らなかった。
　だけど気持ちよくて。
　陛下。
　昼間からこんな行為なんて、きっと良くないことなのに。
　結局私に抗うすべはなく。快楽に溶けて。

「ジェラ」

　陛下の熱を甘受した。