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仮説の真偽は?

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なぜ?どうして?

私の頭の中で次々に疑問が生まれてくる。

そしてその疑問たちを解消できないまま、疑問はどんどん山積みになっていく。

なぜマルクはマリアに電話をかけているのだろう?

しかし、よくよく考えてみればそれはおかしな行動ではなかった。

あのパーティーが停電の後どうなったのかは全く知らない。

だが、その日のマリアの様子から彼女はマルクのことが好きであるということはなんとなくわかっていた。

ということは、停電中なんらかの方法で私を地下の牢獄に放り込み、その後マルクとコンタクトを取り2人の仲は良くなっていった。

信じたくはないが、十分にあり得る仮説だろう。

寧ろそれ以上に酷い現実だったとしたら私は耐えられないかもしれない。

その酷い現実をなんとか考えつかないように目を背ける。

私が頭の中でパニックになっている時もずっと電話の向こうのマルクは電話を取ったのがマリアだと思い、名前を呼び続けている。

私はそっと電話を元の位置に戻した。

それと同時にマルクの声も途切れる。

私はとにかくショックで、危険な状態だということも気にせずに、駆け足で牢獄に戻った。

息は乱れ、目は血走っていたと思う。足音も館中に響き渡っていただろう。

幸い、途中で誰かと会うことはなかった。

私は息を切らしながら牢獄の部屋までの地下の廊下を早歩きで歩く。

衰退しきった体で重い鉄の扉を開ける。

その先には倒れた状態のサルバドールと暇そうにその場をうろつくミミックがいた。

「おかえりなさい。アノンちゃん。」

ミミックが楽しそうに話しかける。

「........」

私は正直、気が気ではない状態で何か言葉を発するのすら苦痛だった。

「どうしたの?アノンちゃん。何か思い詰めていそうですけど。」

ミミックが訝しげに聞いてくる。

私はその言葉を無視して、適当に取ったマルクの写真を渡した。

「お、おう。ありがとう。うん、確かにマルクの写真ですね。いいでしょう。サルバドールは解放してあげましょう。」

そう言ったミミックの顔は笑顔ではあったが、なんだかいつもとは違い、若干の暗さが目に見えた。

「あ、うん。ありがとう。」

なぜかわからないが暗い顔をしていることに対して少し申し訳なく感じ、固い口を開く。

「それより、どうしたんですか?そんなに暗い顔をして。」

私はあのことを話すべきかどうか分からなかったが、今は誰かに話して楽になりたいという気持ちが強く、今の心境を打ち明ける。

「実は...あの部屋で電話がかかってきて。」

「マリアの部屋で?それがどうしたんですか?」

まだミミックは不思議そうにこちらを見つめる。

「私はそれを取ったんです。」

「取ったの?大丈夫なんですか?」

「うん。こっちからは何も話していないから私だということはバレないと思う。」

つらつらと深刻そうにさっきの出来事を話す私はきっと顔色が優れていなかっただろう。

「それでねその電話をかけてきた相手が、マルクだったの。」

「ああ、そうなんですか。」

特に気にかけた様子もなくミミックは相槌を打つ。

「え?驚かないの?」

まさかの反応に少し元気になる。

「まぁね。二人の関係を考えたら普通だと思いますよ。」

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