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体の大きい執事?
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朝
「ふわぁ~」
私は目を覚ます。そして、今日もマリアに起こされなかったことに気づく。
どんどん謎が深まる。それと同時に嫌な気配もする。
昨日のが、偶然ではなく必然である可能性が高まってきた。
しかし、寝起きというのもあり、あまり深くは考えずに朝食を待った。
すると、扉が開く。
扉の奥から入ってきたのは、マックだった。
「やあ、どうも。アノンちゃん。」
「あ、おはようございます。どうしたんですか?」
「いやー、アノンちゃんの顔が見たくなってね。」
「はぁ。それでどうしましょうか。脱出の方法は。」
「あ、そうそうそれでね。いいこと思いついて。」
「なんですか?」
「一回のエントランスに監視カメラが多いなら、監視カメラを止めちゃえばいいじゃんって。」
「いやーでもそんなことできますかね?」
「実は、昨日の夜中この館を探索してみたら、やたら厳重に鍵がかかってる部屋があって、もしかしたらそこが、監視カメラとかをみてる部屋なんじゃないかって。」
「なるほど。」
「それで、今日アロクスに聞いてみようかなって。」
「ちなみにそれは何階ですか?」
「確か、二階にあったはず。俺が寝てた食料庫のすぐ近くだったから。」
「そうですね...。じゃあ、今日アロクスさんにその部屋がなんの部屋なのか聞いてみましょう。まずはそこからですね。」
「そうそう。脱出するには、まずはこの館を知らないと。」
「危険なのに昨日探索してくれてありがとうございます。」
「いやいや、大したことないよ。俺もアロクスを探すためにいろんな技術がついたから。」
「そうなんですね。」
その後も私とマックで話をしていた。
数十分後
扉が開く。
奥からは体の大きな男性がおそらく食事を運びにきた。
「あ、やっべ。」
マックが途端に隠れようとする。
するとその男性が声をかける。
「俺だよ。俺。」
そういい、マスクを取る。
なんと体の大きい男性はアロクスだった。
「なんだよ。お前だったのかよ。マジで怖かったよ。」
「え、じゃあ今まで時々料理を運んでくれてたのもアロクスさんだったのですか?」
「そうだよ。今思うと悪いな。あんなもの運んで。」
「いや、大丈夫ですよ。虫はきつかったですけど。」
「ちょうどよかったよ。なあアロクス。二階の食料庫の隣って管理室だよな?」
「え?お前よく知ってるな。」
「ほらやっぱり。あんなに厳重に鍵かけてたから怪しいと思ったよ。」
「あの、さっき二人で話してたんですけど、その部屋がもし、管理室だったら、そこに入って監視カメラを止めてから脱出しようって。」
「いやいや、無理だよ。だってあの部屋、ここの家族しか鍵を持ってないんだぞ。」
「じゃあその鍵取ればいいんじゃないの?」
「いや、バレたら終わるぞ。」
「でも、そのくらいしないとここから出れないじゃん。」
「確かにな...。」
二人が私のために真剣に話し合ってくれている。
感謝と同時に申し訳なさも残った。
こんなにも自分によくしてくれる人なんてマルク以来だから。
だって私の親は控えめに言って最低だったから。
「ふわぁ~」
私は目を覚ます。そして、今日もマリアに起こされなかったことに気づく。
どんどん謎が深まる。それと同時に嫌な気配もする。
昨日のが、偶然ではなく必然である可能性が高まってきた。
しかし、寝起きというのもあり、あまり深くは考えずに朝食を待った。
すると、扉が開く。
扉の奥から入ってきたのは、マックだった。
「やあ、どうも。アノンちゃん。」
「あ、おはようございます。どうしたんですか?」
「いやー、アノンちゃんの顔が見たくなってね。」
「はぁ。それでどうしましょうか。脱出の方法は。」
「あ、そうそうそれでね。いいこと思いついて。」
「なんですか?」
「一回のエントランスに監視カメラが多いなら、監視カメラを止めちゃえばいいじゃんって。」
「いやーでもそんなことできますかね?」
「実は、昨日の夜中この館を探索してみたら、やたら厳重に鍵がかかってる部屋があって、もしかしたらそこが、監視カメラとかをみてる部屋なんじゃないかって。」
「なるほど。」
「それで、今日アロクスに聞いてみようかなって。」
「ちなみにそれは何階ですか?」
「確か、二階にあったはず。俺が寝てた食料庫のすぐ近くだったから。」
「そうですね...。じゃあ、今日アロクスさんにその部屋がなんの部屋なのか聞いてみましょう。まずはそこからですね。」
「そうそう。脱出するには、まずはこの館を知らないと。」
「危険なのに昨日探索してくれてありがとうございます。」
「いやいや、大したことないよ。俺もアロクスを探すためにいろんな技術がついたから。」
「そうなんですね。」
その後も私とマックで話をしていた。
数十分後
扉が開く。
奥からは体の大きな男性がおそらく食事を運びにきた。
「あ、やっべ。」
マックが途端に隠れようとする。
するとその男性が声をかける。
「俺だよ。俺。」
そういい、マスクを取る。
なんと体の大きい男性はアロクスだった。
「なんだよ。お前だったのかよ。マジで怖かったよ。」
「え、じゃあ今まで時々料理を運んでくれてたのもアロクスさんだったのですか?」
「そうだよ。今思うと悪いな。あんなもの運んで。」
「いや、大丈夫ですよ。虫はきつかったですけど。」
「ちょうどよかったよ。なあアロクス。二階の食料庫の隣って管理室だよな?」
「え?お前よく知ってるな。」
「ほらやっぱり。あんなに厳重に鍵かけてたから怪しいと思ったよ。」
「あの、さっき二人で話してたんですけど、その部屋がもし、管理室だったら、そこに入って監視カメラを止めてから脱出しようって。」
「いやいや、無理だよ。だってあの部屋、ここの家族しか鍵を持ってないんだぞ。」
「じゃあその鍵取ればいいんじゃないの?」
「いや、バレたら終わるぞ。」
「でも、そのくらいしないとここから出れないじゃん。」
「確かにな...。」
二人が私のために真剣に話し合ってくれている。
感謝と同時に申し訳なさも残った。
こんなにも自分によくしてくれる人なんてマルク以来だから。
だって私の親は控えめに言って最低だったから。
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