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警備隊長の過去
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「過去?いえ、全く。」
「そうですか。では、ここであったのも何かの縁ということで、特別に教えてあげましょう。アロクスの過去、そして私がなぜ、彼を追いかけているのか。」
ゴクリ
「お願いします。」
私は唾を飲み込み男性の話に耳を傾ける。
「まず、私と彼は同級生だった。仲もかなり良く、毎日一緒に遊び歩くほどだった。そしてある日、私はとある女の子が好きだと彼に打ち明けた。
すると彼は、キョトンとした顔をし、非常に驚いている様子だった。話を聞くと、これだけ仲が良ければ好きな人も似るのか、彼もまたその子が好きだったのです。」
「同じ女の子を好きになってたんですね。青春ですね。」
「ええ、そして私たちは決めました。一緒にラブレターを渡そうと。彼はすんなりそれを受け入れました。親友同士、やはり自分だけで告白するのは卑怯だと感じていたのかもしれません。私たちはその日に、その子のロッカーの中にラブレターを一つずつ入れました。」
「それで、どうなったの...ですか?」
「次の日、アロクスがその子に呼ばれました。そして2人は付き合い、後に結婚まで至りました。あとでこっそりロッカーを確認すると、私のラブレターは読んですらいませんでした。」
「ええ、そんな酷い...。」
「その子は元々アロクスのことが好きだったのかもしれないですね。その時の私の悔しさは、半端じゃないものでした。」
「それが理由でアロクスさんを?」
「いいえ、そんなことはありません。私も男です。その女の子はアロクスに任せて私は前を向いて、また歩み始めました。」
「じゃあ、どうして。」
「話しましょう。それから私と彼は少しの気まずさを感じながらも変わらずにいつも通り過ごしていました。
そして、学校も卒業し、離れ離れになっていきました。そんなある日、同窓会がありました。私はもちろん出席し、みんなの垢抜けた姿を見ながら楽しんでいました。
しかし、その場にアロクスとその女の子はいませんでした。」
「そんなに仲が良かったのに。」
「そんな事実を目の当たりにし、みんなは2人のことを話し始めました。話によれば2人は子供も産んでいるらしい。そして話していく中であることを知ってしまったのです。」
「なんですか?」
「アロクスは妻と子を殺した、と。」
「そうですか。では、ここであったのも何かの縁ということで、特別に教えてあげましょう。アロクスの過去、そして私がなぜ、彼を追いかけているのか。」
ゴクリ
「お願いします。」
私は唾を飲み込み男性の話に耳を傾ける。
「まず、私と彼は同級生だった。仲もかなり良く、毎日一緒に遊び歩くほどだった。そしてある日、私はとある女の子が好きだと彼に打ち明けた。
すると彼は、キョトンとした顔をし、非常に驚いている様子だった。話を聞くと、これだけ仲が良ければ好きな人も似るのか、彼もまたその子が好きだったのです。」
「同じ女の子を好きになってたんですね。青春ですね。」
「ええ、そして私たちは決めました。一緒にラブレターを渡そうと。彼はすんなりそれを受け入れました。親友同士、やはり自分だけで告白するのは卑怯だと感じていたのかもしれません。私たちはその日に、その子のロッカーの中にラブレターを一つずつ入れました。」
「それで、どうなったの...ですか?」
「次の日、アロクスがその子に呼ばれました。そして2人は付き合い、後に結婚まで至りました。あとでこっそりロッカーを確認すると、私のラブレターは読んですらいませんでした。」
「ええ、そんな酷い...。」
「その子は元々アロクスのことが好きだったのかもしれないですね。その時の私の悔しさは、半端じゃないものでした。」
「それが理由でアロクスさんを?」
「いいえ、そんなことはありません。私も男です。その女の子はアロクスに任せて私は前を向いて、また歩み始めました。」
「じゃあ、どうして。」
「話しましょう。それから私と彼は少しの気まずさを感じながらも変わらずにいつも通り過ごしていました。
そして、学校も卒業し、離れ離れになっていきました。そんなある日、同窓会がありました。私はもちろん出席し、みんなの垢抜けた姿を見ながら楽しんでいました。
しかし、その場にアロクスとその女の子はいませんでした。」
「そんなに仲が良かったのに。」
「そんな事実を目の当たりにし、みんなは2人のことを話し始めました。話によれば2人は子供も産んでいるらしい。そして話していく中であることを知ってしまったのです。」
「なんですか?」
「アロクスは妻と子を殺した、と。」
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