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警備隊長の謎
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「そんなことって...」
「気をしっかりしてください。私も言いたくはなかったですが、人として隠すことができませんでした。私も聞いた時は絶句しました。昔、そんなことがあったなんて...。」
「サルバドールさんはその人たちとは会っていないのですか?」
「はい。実はその亡くなられた人たちというのは5~6年ほど前の話らしくて、私がこの館の執事をする前のことらしいのです。」
「5~6年前って!?あの子、そんな昔からこんなことを...」
「アノン様を連れてくるまではかなり落ち着いていたらしいのですが...。マリア様が考えることは分かりません。」
「...これ以上悩んでられないわ。早く脱出の作戦を考えましょう。」
「そうですね。」
「警備隊長の部屋の前か...。ちなみに警備隊長はずっと地下にいるの?」
「警備隊長はいつも地下か館の庭を警備しています。私の見た感じ、昼頃に庭を警備しているようです。」
「なるほど。じゃあその時間なら一階には行けそうね。」
「ただ一つ問題があって...。」
「問題?」
「ええ、その警備隊長、庭にいる時間にかなり差があって。」
「そりゃ少しの差ぐらいはあるでしょ。」
「いえ、それが少しじゃなくて短い時は1分2分、長い時は5時間ほどいるのです。」
「5時間の時ならまだしも、1分2分の時に、出ようとしたら危ないわね。」
「そうなんですよ。」
「それにしても5時間は少し異常ね。庭ってそんなに警備しなきゃいけないところなのかしら?」
「そうなんですよ。実はこの館、庭が完全に密閉空間になっていて、庭というより、部屋なんですよ。だからいつも主人に、そこはそんなに見張らなくていいと怒られているんですよ。」
「そう。だとしても時間に差があるってのが気になるわね。庭に何かあるんじゃないの?」
「探ってみる価値はあるかもしれないですね。」
「気をしっかりしてください。私も言いたくはなかったですが、人として隠すことができませんでした。私も聞いた時は絶句しました。昔、そんなことがあったなんて...。」
「サルバドールさんはその人たちとは会っていないのですか?」
「はい。実はその亡くなられた人たちというのは5~6年ほど前の話らしくて、私がこの館の執事をする前のことらしいのです。」
「5~6年前って!?あの子、そんな昔からこんなことを...」
「アノン様を連れてくるまではかなり落ち着いていたらしいのですが...。マリア様が考えることは分かりません。」
「...これ以上悩んでられないわ。早く脱出の作戦を考えましょう。」
「そうですね。」
「警備隊長の部屋の前か...。ちなみに警備隊長はずっと地下にいるの?」
「警備隊長はいつも地下か館の庭を警備しています。私の見た感じ、昼頃に庭を警備しているようです。」
「なるほど。じゃあその時間なら一階には行けそうね。」
「ただ一つ問題があって...。」
「問題?」
「ええ、その警備隊長、庭にいる時間にかなり差があって。」
「そりゃ少しの差ぐらいはあるでしょ。」
「いえ、それが少しじゃなくて短い時は1分2分、長い時は5時間ほどいるのです。」
「5時間の時ならまだしも、1分2分の時に、出ようとしたら危ないわね。」
「そうなんですよ。」
「それにしても5時間は少し異常ね。庭ってそんなに警備しなきゃいけないところなのかしら?」
「そうなんですよ。実はこの館、庭が完全に密閉空間になっていて、庭というより、部屋なんですよ。だからいつも主人に、そこはそんなに見張らなくていいと怒られているんですよ。」
「そう。だとしても時間に差があるってのが気になるわね。庭に何かあるんじゃないの?」
「探ってみる価値はあるかもしれないですね。」
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