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牢獄の真実

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「まず、お嬢様は朝、アノン様を起こされてから必ず何かしらの習い事に行かれます。今日で言うとピアノのお稽古です。」

「なるほど。つまり朝食が配られてから、次にお嬢様が来るまで時間がかなりあると言うことですね?」

「そうです。だから脱出するための準備、はたまた脱出するときはその時間の方がいいと言えるでしょう。」

「え、でも私がいつも寝てる時間はマリアは寝ているでしょう?その時間ではダメなのですか?」

「その時間は夜です。この館の警備は昼間よりも明らかに厳しくなっています。なので朝の、おそらく油断している時が1番と言えます。」

「なるほど。」

「そして脱出経路ですが、正面突破で脱出すると、警備が厳しいところが多いので危険が多く伴うでしょう。

なので何か抜け道的なのがいいと思います。そして何よりこの牢は地下にあるのです。」

「え、ここ地下なんですか?」

「そうです。なので脱出はかなり難しくなってきます。そこでまずは一階に上がるためには、まず牢を出て廊下をまっすぐ行くと地下の警備隊長の部屋があります。そこを右に曲がれば階段がありますのでそこを行くしかないです。」

「地下の警備隊長ってこの地下には私以外に何かあるんですか?」

「実は、この地下にはお嬢様が連れてきた人たちがたくさんいるんですよ。」

「え、嘘でしょ。私と同じ目にあってる人がまだいるのですか?」

「そうなんです。前までは。」

「前までは?」

「実は、もうその人たちはみんなお亡くなりになられているのです。だからせめてもの償いをと、アノン様を助けにまいりました。」

私は驚いて声も出せなかった。そしてマリアへの憎しみが強くなった。私はどうすればいいのだろうか。何もしていないのに罪悪感が強くなっていった。
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