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脱出の糸口

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毎日毎日マリアにいじめられ続けていたが、そのうちマリアの行動パターンがわかってきたかもしれない。

私の1日はマリアに起こされてはじまる。正確に言うと、マリアが私で遊んでいて急に目を覚まされる。

時計もなく、いまが朝なのか夜なのかも分からずに生きている。

時々起きていたらずっと眠たい時がある。もしかしたら2時間3時間ぐらいしか寝ていないのかもしれない。

そしてマリアが飽きたらおそらく執事的な立場の人に朝食が配られる。その内容も話によるとマリアが決めているらしい。

何が怖いって、マリアが私を監禁していることをマリア以外の人間が少なくとも1人は知っていると言うことだ。

前からお金持ちのご令嬢とは知っていたが、家族内ではどういう感じなのだろうか。

少しの嫉妬でここまでしてしまうなら、自分の家族にも何か危害を加えている可能性も考えられる。

そしてその朝食だが内容は様々でトーストや目玉焼きなどの良いものもあれば、生のじゃがいもやコオロギ、泥のついた葉っぱなどがある。

この差はなんだろうか。

そして私は過ごしていく中でここから脱出できる糸口を探した。

私が目をつけたのはこの2点だ。

マリア以外にも少なくとも1人は私の状況を知っている人がいること。

朝食はマリアが決めることもあれば別の人が決めることもあるかもしれないということ。

二つ目は憶測でしかないがコオロギやバッタなどが多い中でたまにくる、目玉焼きやトーストはあまりに不自然だ。

さらにあの飽き性でガサツなマリアが毎日毎日朝食を決めているとも思えない。

今考えている作戦で、もしかしたら脱出することができるかもしれない。



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