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116.スイーツバイキング

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「おはようオリビエ」
「持ってきたわよ」
そう言って入ってきたのはローズとイリス、カプシーヌ、アカシア、アマリリスの5人
ランだけは今日屋台に出てるのでここにはいない

「おはよう。結構な荷物になってるわね?」
それぞれが両手に抱えるようにして大量の荷物を持っていた

「前もって渡してる分があるとは言ってもね」
「そうそう。初めてのことだし張り切っちゃった」
大福を作るアカシアとケーキを作るアマリリスは特に張り切っている

「まぁ2人はあの場で色々作るのは厳しいかもね…」
「でしょう?だから今回はリサーチにもいいかなって」
「気に入ってもらえたのを順に出していってもおもしろそうでしょう」
「そうね。ぶっつけ本番で屋台で試すのは流石に厳しそうだもの」
屋台には厳しい決まりがいくつもある
その中に、調理をするのは1人のみという項目があるのだ
売り子や呼び込みの子は手伝いを用意してもいいけど、下準備なしであの場で一から一人で作るのはかなり大変だろう
ある程度儲けが出ないことには設備をよくすることも出来ないから余計かもしれない

「だからね、今回の話は凄くうれしいんだよね」
今回の話、それはスイーツバイキングを行うことだ
随分前から考えてはいたけど実行に移すのは今回が初めて
カメリア達には1か月前から声をかけていて、1週間前から少しずつできたスイーツを持ち込んでもらっている

「結局1時間半で2,000シアだっけ?」
「そうだよ。1時間は流石に短すぎるって言われたけど2時間は長すぎるかなって」
「席に着いたら長いこといたい気もするけど、並んでたら短くてもいいからって思っちゃいそうね」
「そう言う意味では1時間半はちょうど中間取ったって感じだね?」
「でも1時間半をどうやってはかるの?」
「このテーブルランプが時間をはかる魔道具なの」
キャンドル型のランプを手に取って見せる

「これが?」
「そ。お客さんが席に着いたらスイッチを入れてね。このランプが消えたら時間が過ぎたって合図だから」
普通のキャンドルで燃え尽きたら終了の形も考えたけど、人が動く場でそれはあまりよろしくない
風圧で火が消えることもあるし何より危ない
時計なんかはうるさいし…と考えていた時に商人に教えてもらったのがこの魔道具だ

「こいつその商人に魔道具作った人を連れて来いって要求してたぞ」
ロキが呆れたように言う

「何で?」
「こんな素敵なもの作れる人なら他にも色々作れそうだと思わない?」
「…まぁそれは確かに…」
「お前また住人にするつもりだろ?」
「だめ?」
「…ダメとは言わないけどせめてちゃんと確かめてからにしてくれ」
「わかった。ロキがOK出した場合だけにしとくね」
そう答えると何故か大きなため息を吐かれた
首をかしげる私をカメリアが残念なものを見る様に見て来るのは、私の気のせいだと思っておこう

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