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59.大賑わい
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「お姉ちゃんがオリビエ?」
小さな女の子が店に入ってくるなりそう尋ねてきた
ロキも何事かと顔を上げた
「そうだけど…あなたは?」
目線に近くなるようしゃがんで尋ねるとチラシと手紙を見せてきた
「あら、ハンスの妹さんかしら?」
「うん!あたり」
少女はそう言ってにっこり笑う
少しすると夫婦ともう少し小さな少女が入ってきた
「ルチア、一人で行っちゃダメでしょう?」
「ちゃんとオリビエ見つけたもん」
ルチアと呼ばれた少女は頬を膨らましてそう言った
「ふふ…いらっしゃいませ。ハンスのご家族ですよね?」
「ああ。手紙とチラシを貰って縋る気持ちで来させてもらった。父親のミュゲだ」
「母のラミアです。この子たちはルチアとミーア、6歳と4歳なんです」
「オリビエです。彼はクロキュス。私の主人です」
「どうも。オリビエ、俺はあいつら呼んでくるよ」
「うん。お願い。皆さんは…少しの間外のテラスでもよろしいですか?店内はもうすぐ空くと思うんですけど」
「ああ、問題ない。突然押しかけた者に気を使わんでくれ」
「お外気持ちいーよ?」
「そうねミーア」
ラミアは微笑んでそう言った
「あ、先に食べたいもの選んでください。他のご家族にも初回はサービスで食べてもらってるので遠慮なくどうぞ」
「とてもおいしそうだわ…」
「ルチアこのピンクのゼリーがいい」
「ミーアはね、イチゴがのった白いケーキ」
「俺はこの青の32番を」
「じゃぁ私は緑の13番ね」
「分かりました。お飲み物はコーヒーと…ルチアとミーアはオレンジジュースでいいかしら?」
「「うん」」
「用意して外にお持ちしますね」
私はスイーツをショーケースから取り出しドリンクを準備する
店内のお客様はもう商品の提供は終わっているので問題はないだろう
「お待たせしました」
それぞれの前に置いていくと子供たちが目を輝かせている
「ママ、食べてもいい?」
「ええ、いいわよ」
許可が出るなりほおばっている
2人がものすごい勢いで平らげていると子供たちがやってきた
「4人に新しいお友達よ。6歳のルチアと4歳のミーア。仲良くしてあげてね?」
「うん。僕はコルザ、7歳だよ」
「ロベリ、5歳、妹のリラは3歳」
「私はラピス。コルザと同じ7歳よ」
4人もそれぞれ自己紹介をする
ちょうどカメリアとナハマ、ジョン達もやってきたので同様に自己紹介が進んだ
「オリビエ僕も食べたい」
「そうね。おやつの時間も忘れて遊んでいたものね」
笑いながら言うと4人は顔を見合わせて笑っていた
「さぁ、4人ともいらっしゃい」
カメリアが誘導して4人を連れていく
「俺ももらう」
マロニエが後を追う
ジョン達は3時過ぎに食べていたので問題ないのだろう
「それにしても子供たちの年が近くて良かったわよね」
「本当に。この子たちにお友達が出来るか心配だったけど…」
既に一緒にスイーツを食べながら騒いでいるのを見て苦笑する
「うちの子たちも友達が増えて喜んでます。これからよろしくお願いしますね」
「こちらこそお願いね。この町の方と来たその日にお近づきになれるなんて思ってもみなかったからとても嬉しいわ」
ラミアの顔には安堵の色が浮かんでいる
「後は仕事が決まればいいんだけどな」
「これまでは何を?」
「俺は陶芸職人なんだ。こういう器を作ってた」
何と…
「確か窯が必要なのよね?」
「ああ。だから流石に厳しいと思ってな」
ミュゲは何とも言えない顔をする
流石に窯を持ってる知り合いは見つけてないわ~と思っていると…
小さな女の子が店に入ってくるなりそう尋ねてきた
ロキも何事かと顔を上げた
「そうだけど…あなたは?」
目線に近くなるようしゃがんで尋ねるとチラシと手紙を見せてきた
「あら、ハンスの妹さんかしら?」
「うん!あたり」
少女はそう言ってにっこり笑う
少しすると夫婦ともう少し小さな少女が入ってきた
「ルチア、一人で行っちゃダメでしょう?」
「ちゃんとオリビエ見つけたもん」
ルチアと呼ばれた少女は頬を膨らましてそう言った
「ふふ…いらっしゃいませ。ハンスのご家族ですよね?」
「ああ。手紙とチラシを貰って縋る気持ちで来させてもらった。父親のミュゲだ」
「母のラミアです。この子たちはルチアとミーア、6歳と4歳なんです」
「オリビエです。彼はクロキュス。私の主人です」
「どうも。オリビエ、俺はあいつら呼んでくるよ」
「うん。お願い。皆さんは…少しの間外のテラスでもよろしいですか?店内はもうすぐ空くと思うんですけど」
「ああ、問題ない。突然押しかけた者に気を使わんでくれ」
「お外気持ちいーよ?」
「そうねミーア」
ラミアは微笑んでそう言った
「あ、先に食べたいもの選んでください。他のご家族にも初回はサービスで食べてもらってるので遠慮なくどうぞ」
「とてもおいしそうだわ…」
「ルチアこのピンクのゼリーがいい」
「ミーアはね、イチゴがのった白いケーキ」
「俺はこの青の32番を」
「じゃぁ私は緑の13番ね」
「分かりました。お飲み物はコーヒーと…ルチアとミーアはオレンジジュースでいいかしら?」
「「うん」」
「用意して外にお持ちしますね」
私はスイーツをショーケースから取り出しドリンクを準備する
店内のお客様はもう商品の提供は終わっているので問題はないだろう
「お待たせしました」
それぞれの前に置いていくと子供たちが目を輝かせている
「ママ、食べてもいい?」
「ええ、いいわよ」
許可が出るなりほおばっている
2人がものすごい勢いで平らげていると子供たちがやってきた
「4人に新しいお友達よ。6歳のルチアと4歳のミーア。仲良くしてあげてね?」
「うん。僕はコルザ、7歳だよ」
「ロベリ、5歳、妹のリラは3歳」
「私はラピス。コルザと同じ7歳よ」
4人もそれぞれ自己紹介をする
ちょうどカメリアとナハマ、ジョン達もやってきたので同様に自己紹介が進んだ
「オリビエ僕も食べたい」
「そうね。おやつの時間も忘れて遊んでいたものね」
笑いながら言うと4人は顔を見合わせて笑っていた
「さぁ、4人ともいらっしゃい」
カメリアが誘導して4人を連れていく
「俺ももらう」
マロニエが後を追う
ジョン達は3時過ぎに食べていたので問題ないのだろう
「それにしても子供たちの年が近くて良かったわよね」
「本当に。この子たちにお友達が出来るか心配だったけど…」
既に一緒にスイーツを食べながら騒いでいるのを見て苦笑する
「うちの子たちも友達が増えて喜んでます。これからよろしくお願いしますね」
「こちらこそお願いね。この町の方と来たその日にお近づきになれるなんて思ってもみなかったからとても嬉しいわ」
ラミアの顔には安堵の色が浮かんでいる
「後は仕事が決まればいいんだけどな」
「これまでは何を?」
「俺は陶芸職人なんだ。こういう器を作ってた」
何と…
「確か窯が必要なのよね?」
「ああ。だから流石に厳しいと思ってな」
ミュゲは何とも言えない顔をする
流石に窯を持ってる知り合いは見つけてないわ~と思っていると…
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