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57.リサーチ

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お店は思ったよりお客さんが多くてカメリアにも時々手伝ってもらうことになった
「今日の夕飯は屋台にしない?」
「どうしたの突然」
いつもなら当然のように作るのにとカメリアは首を傾げた

「騎士や魔術師団が流れてきた今の町の様子を見たいなーって。ほら、休みの日とそうでない日は様子も違うだろうしね」
「相変わらずリサーチ欠かさねぇな」
「商売する者にとっての基本です。で、みんなはどう?」
「それ、反対する奴いないって」
ウーが言う
その言葉に皆もウンウンと頷いていた

「屋台は色んな楽しみがあるからな」
「あ、じゃー俺友達と行ってもいい?休みの日は家族で食べるらしいんだけど、今日なら問題なさそうだし」
ブラシュの言葉になるほど、そういう楽しみもあるのかと微笑ましくなってくる

「いいわよ。とりあえず一人ずつお金を渡しとくわね」
私はみんなにお金を渡していく

「今日は自由行動にするか。オリビエとロキもたまには2人で楽しんで来い」
「今日だけじゃなく屋台の時はそれでいいんじゃない?」
「確かにそうだな。人が増えたし皆で集まるのも逆に邪魔になりそうだ」
ジョンの言葉にみんなが口々に言いながら同意する
普段屋台の時は皆で揃って行くのが当たり前になっていた
私達の数が増えてるのもあるけど、屋台を利用する人も急に増えただけに、これからもこれまでのように皆で揃ってというのは逆に難しいかもしれない

「じゃぁお言葉に甘えさせてもらおうかな」
「そうだな」
ロキに確認すると頷いた

「ママいこー。ナハマも!」
カメリアとナハマが真っ先に子供たちに引っ張って行かれた
ナハマが来てすぐのころはナハマが子供たちについていくと思っていたけど、どちらかというと子供たちにナハマが引っ張られて行っているようだ
特にリラはナハマが大好きで隙あらばナハマに引っ付いている
他の者もそれぞれのタイミングで出て行くと残ったのは私達だけになった

「私たちもいこっか」
「ああ。でもその前に」
ついばむようなキスが落ちてきた
「もぅ…」
笑いながら歩き出すロキの後を追いかけ腕を絡める

「オリビエじゃないか。ロキもいるならちょうどいい」
呼び止めたのは本屋の店主

「どうしたのおじさん」
「お前らなら気に入りそうなものがあるんだ。カクテュスの騎士や魔導士が譲ってくれたんだが…」
「へぇ…」
ロキも気になるようだ

「入ってみよっか」
「そうだな…親父、どんな本が多い?」
「色々あるぞ。こっちだ」
どうやら1か所にまとめているらしい
案内された先で私たちが目にしたのは積み上げられた沢山の本だった
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