112 / 317
34.ナハマの勧誘
2
しおりを挟む エミリーと私は言葉を交わすことは無かったけど、二人揃って自然とテラスに足が向く。
庭の中でひときわ目立つんだもん。遠目には白で統一された素敵なテーブルセットにブドウの蔦なんてものも見えてて、とても気になるの。
「う、まあ、そうよね」
「お掃除すれば綺麗になりますよ!」
騎士団は週に何度もルルーシュ僻地を訪れるわけではない。
更に訪問しても宿泊しないこともある。
ハウスキーパーがいるわけでもなく……となると汚れ放題になってしまうわよね。
きっとこのお屋敷は貴族の別荘感覚で作ったのだと思う。たまにきて掃除を……となると掃除をしているだけで一日が終わってしまう。
騎士団が宿泊するのはたったの一泊。
つまり……設計と用途が合っていないの。時間はあるのだし、使うところからお掃除すればいいかな。
うー、それにしても地面なら砂がいくらあっても気にならないけど、泥の上に砂が積もってこびりついていると気になるものなのよね。
水で洗い流してゴシゴシとすれば綺麗になるかな?
「ご安心ください」
私の気持ちを察したのかエミリーが胸の前で両手をぎゅっと握りしめる。
彼女のメイド魂に火が付いたのか背後からメラメラとした炎が浮かんでいるような。
わ、私だって、お掃除するんだから。一緒にやろうね、エミリー。
カサリ。
伸び膨大の雑草が不自然に動いたような。
う、ううん。気のせいじゃない。
真っ黒の棒に先に丸い球をつけたようなものがぴょこっとしているのが見えたわ!
「あ、あれ」
「は、はい。動物の何か、でしょうか」
気が付いたのはエミリーと同時だったみたい。
眉をひそめ、お互いに目くばせする。
「や、やっぱり動いた!」
「は、はいい」
しかも、ぴょこぴょこが二本に増えた!
何かしらあれ、水辺に住むぬめっとした生き物にああいう角を持つ生き物がいたかも。
ひゃ、う、うわあ。
黒い頭が出てきた!
ん、でも、意外に可愛いかも。動いてなかったらぬいぐるみに見間違えるかもしれないほど。
その子は毛の生えていない黒と白のツートンカラーで、人間だと髪の毛が生えている部分が黒で顔の部分が白になっている。
さっき見た棒状のものは触覚に当たるのかなあ。
三角の目に鼻がなく唇がない口。
背中から小さな翼が生えていて、長い黒の尻尾を備えていた。胴体と頭のサイズが同じくらいで手足が短い。
宙に浮くその子の大きさは30~40センチくらいだろうか(尻尾を除く)。
「キイ!」
「きゃああ」
黒い二頭身の子が金切り声をあげたから、エミリーと抱き合って悲鳴をあげる。
な、何。可愛い見た目とは裏腹に凶暴なの?
「ル、ル、ルチルさ、様あ。わ、私が、ま、護りま、す」
「う、ううん。エミリーは後ろに。私が出るわ」
「だ、ダメです。ルチル様は魔法が。わ、私が、何とか。むぐう」
「っし!」
エミリーの魔法ならば襲い掛かって来ても護ることはできると思うわ。
だけど、これほど動揺していては、魔法を使うことなんて無理よ。魔法を使うには多少の集中がいるんだもの。
じりじりと睨み合う黒い子と私たち……。
じわりと手に汗が滲み、相手も警戒と緊張から動けないのかと考えたの。
だったら――。
半歩だけ前へ踏み出す。
「キイイイ!」
すると、さっきより遥かに大きな金切り声をあげて、黒い子はぴゅうと飛んで行った。
へなへなと力が抜ける。
さすがに膝が落ちるまではいかなかったけど。
エミリーの肩を支え、「大丈夫?」と目配せする。対する彼女は小さく頷き、胸に手を当てた。
「と、とてもビックリしました。取り乱してしまい、申し訳ありません」
「ううん。私も似たようなものだったもの。一緒だね」
「そ、そうですね」
「うん!」
あははと笑い合う。
これが壁の外なのね。魔法の壁で護られたシルバークリムゾン王国の中では、さっきのような生物に出会うこともない。
あれもきっとモンスターの一種よ。可愛らしいけど。
私たちにはモンスターと出会った経験がない。だから、小さいモンスターでも取り乱してしまう。
今回は幸い強くはないモンスターだったから、逃げて行ってくれたからよかったものの。好戦的なモンスターだったとしたら、と思うとゾッとするわ。
その後、エミリーとしっかり手を繋いで庭の探索に向かう。
内心かなりびくびくしていたから、歩みも遅く小屋を発見したところでレオが戻って来た。
「レオー!」
門のところで待つ彼の姿に安堵し、エミリーと手を繋いだまま駆け寄る。
「おいおい、どうしたんだ?」
「小さな黒いモンスターがいたの!」
「小さな黒い? こう角みたいなのと尻尾が生えた」
「そうそう、翼もあったわ。小さくて見た目は可愛らしい」
「ふむ」と顎に手をやった彼はパチリと指を鳴らす。
「インプだな。ルルーシュ僻地でたまに見かける」
「危ない子なの?」
「直接人間に危害を加えてきたりはしないみたいだぜ。剣を向けると逃げて行く」
「そ、そうなんだ。他にも村の中にモンスターがいたりするの?」
「いんや。インプ以外は見かけねえな。たまに凶暴なのも来るとか聞いたけど、見たことねえや」
「い、いるんだ……」
「村の『外』にな。もし来襲したとしたら、家の中に隠れろ。エミリーの魔法で固めて凌げば何とかなるはずだ」
「が、頑張ります」
青い顔でエミリーがそう言ってくれたけど、声が震えている。
ゆっくりと時間をかけて彼女に落ち着いてもらい、魔法を使ってもらうようにしなきゃ。
彼女が安心して魔法を使えるように手を考えなきゃね。
「レオ、少し付き合ってもらう時間はある?」
「おう。隊長からも出発まではルチルとエミリーを見ててくれと言われて、戻ってきたんだよ」
「ありがとう!」
「俺の代わりに騎士団が荷物を届けてくれるから安心してくれ」
レオが付いていてくれたから、足どり軽くお屋敷の中まで見回ることができたわ。
小屋の中は鋤やクワ、ガーデニングに使うような道具が入っていたけど、錆が浮いていてそのまま使うと怪我をしそうだった。
お屋敷には一通りの家具や食器が置いてあり、こちらは埃で汚れてはいるけど使用するに支障は無さそう。
「これ、紅茶かな?」
「はい! まだ使えそうですよ! ルチル様、お茶にいたしませんか?」
棚の中に銀色の箱があって、開けてみたら中に入っていたのは茶葉だった。
ちょうど一息入れたいと思っていたところだったの。
このお屋敷、今のところ井戸を発見できてないのよね。だから、私だと紅茶を淹れることもできない。
そのため、エミリーが気を利かせて自分から誘ってくれたのね。
「頼んでもいいかしら」
「もちろんです! 先ほどからもう喉がカラカラで」
「レオも一緒にね」
「おお。いいのか」
嬉しそうな顔をしたレオに笑顔で雑巾を渡す。
もちろん、私の分もあるわよ。
「エミリー。先にこっちにお水をお願いできるかしら?」
「え、お二人がお掃除なさるのですか!」
「うん。待っている間にせめて座れるようにしたいなって」
「そ、そんな畏れ多い」
「二人で協力していかなきゃ。お屋敷は広いのよ」
と言うと、納得してくれたのかエミリーがバケツに手をかざす。
庭の中でひときわ目立つんだもん。遠目には白で統一された素敵なテーブルセットにブドウの蔦なんてものも見えてて、とても気になるの。
「う、まあ、そうよね」
「お掃除すれば綺麗になりますよ!」
騎士団は週に何度もルルーシュ僻地を訪れるわけではない。
更に訪問しても宿泊しないこともある。
ハウスキーパーがいるわけでもなく……となると汚れ放題になってしまうわよね。
きっとこのお屋敷は貴族の別荘感覚で作ったのだと思う。たまにきて掃除を……となると掃除をしているだけで一日が終わってしまう。
騎士団が宿泊するのはたったの一泊。
つまり……設計と用途が合っていないの。時間はあるのだし、使うところからお掃除すればいいかな。
うー、それにしても地面なら砂がいくらあっても気にならないけど、泥の上に砂が積もってこびりついていると気になるものなのよね。
水で洗い流してゴシゴシとすれば綺麗になるかな?
「ご安心ください」
私の気持ちを察したのかエミリーが胸の前で両手をぎゅっと握りしめる。
彼女のメイド魂に火が付いたのか背後からメラメラとした炎が浮かんでいるような。
わ、私だって、お掃除するんだから。一緒にやろうね、エミリー。
カサリ。
伸び膨大の雑草が不自然に動いたような。
う、ううん。気のせいじゃない。
真っ黒の棒に先に丸い球をつけたようなものがぴょこっとしているのが見えたわ!
「あ、あれ」
「は、はい。動物の何か、でしょうか」
気が付いたのはエミリーと同時だったみたい。
眉をひそめ、お互いに目くばせする。
「や、やっぱり動いた!」
「は、はいい」
しかも、ぴょこぴょこが二本に増えた!
何かしらあれ、水辺に住むぬめっとした生き物にああいう角を持つ生き物がいたかも。
ひゃ、う、うわあ。
黒い頭が出てきた!
ん、でも、意外に可愛いかも。動いてなかったらぬいぐるみに見間違えるかもしれないほど。
その子は毛の生えていない黒と白のツートンカラーで、人間だと髪の毛が生えている部分が黒で顔の部分が白になっている。
さっき見た棒状のものは触覚に当たるのかなあ。
三角の目に鼻がなく唇がない口。
背中から小さな翼が生えていて、長い黒の尻尾を備えていた。胴体と頭のサイズが同じくらいで手足が短い。
宙に浮くその子の大きさは30~40センチくらいだろうか(尻尾を除く)。
「キイ!」
「きゃああ」
黒い二頭身の子が金切り声をあげたから、エミリーと抱き合って悲鳴をあげる。
な、何。可愛い見た目とは裏腹に凶暴なの?
「ル、ル、ルチルさ、様あ。わ、私が、ま、護りま、す」
「う、ううん。エミリーは後ろに。私が出るわ」
「だ、ダメです。ルチル様は魔法が。わ、私が、何とか。むぐう」
「っし!」
エミリーの魔法ならば襲い掛かって来ても護ることはできると思うわ。
だけど、これほど動揺していては、魔法を使うことなんて無理よ。魔法を使うには多少の集中がいるんだもの。
じりじりと睨み合う黒い子と私たち……。
じわりと手に汗が滲み、相手も警戒と緊張から動けないのかと考えたの。
だったら――。
半歩だけ前へ踏み出す。
「キイイイ!」
すると、さっきより遥かに大きな金切り声をあげて、黒い子はぴゅうと飛んで行った。
へなへなと力が抜ける。
さすがに膝が落ちるまではいかなかったけど。
エミリーの肩を支え、「大丈夫?」と目配せする。対する彼女は小さく頷き、胸に手を当てた。
「と、とてもビックリしました。取り乱してしまい、申し訳ありません」
「ううん。私も似たようなものだったもの。一緒だね」
「そ、そうですね」
「うん!」
あははと笑い合う。
これが壁の外なのね。魔法の壁で護られたシルバークリムゾン王国の中では、さっきのような生物に出会うこともない。
あれもきっとモンスターの一種よ。可愛らしいけど。
私たちにはモンスターと出会った経験がない。だから、小さいモンスターでも取り乱してしまう。
今回は幸い強くはないモンスターだったから、逃げて行ってくれたからよかったものの。好戦的なモンスターだったとしたら、と思うとゾッとするわ。
その後、エミリーとしっかり手を繋いで庭の探索に向かう。
内心かなりびくびくしていたから、歩みも遅く小屋を発見したところでレオが戻って来た。
「レオー!」
門のところで待つ彼の姿に安堵し、エミリーと手を繋いだまま駆け寄る。
「おいおい、どうしたんだ?」
「小さな黒いモンスターがいたの!」
「小さな黒い? こう角みたいなのと尻尾が生えた」
「そうそう、翼もあったわ。小さくて見た目は可愛らしい」
「ふむ」と顎に手をやった彼はパチリと指を鳴らす。
「インプだな。ルルーシュ僻地でたまに見かける」
「危ない子なの?」
「直接人間に危害を加えてきたりはしないみたいだぜ。剣を向けると逃げて行く」
「そ、そうなんだ。他にも村の中にモンスターがいたりするの?」
「いんや。インプ以外は見かけねえな。たまに凶暴なのも来るとか聞いたけど、見たことねえや」
「い、いるんだ……」
「村の『外』にな。もし来襲したとしたら、家の中に隠れろ。エミリーの魔法で固めて凌げば何とかなるはずだ」
「が、頑張ります」
青い顔でエミリーがそう言ってくれたけど、声が震えている。
ゆっくりと時間をかけて彼女に落ち着いてもらい、魔法を使ってもらうようにしなきゃ。
彼女が安心して魔法を使えるように手を考えなきゃね。
「レオ、少し付き合ってもらう時間はある?」
「おう。隊長からも出発まではルチルとエミリーを見ててくれと言われて、戻ってきたんだよ」
「ありがとう!」
「俺の代わりに騎士団が荷物を届けてくれるから安心してくれ」
レオが付いていてくれたから、足どり軽くお屋敷の中まで見回ることができたわ。
小屋の中は鋤やクワ、ガーデニングに使うような道具が入っていたけど、錆が浮いていてそのまま使うと怪我をしそうだった。
お屋敷には一通りの家具や食器が置いてあり、こちらは埃で汚れてはいるけど使用するに支障は無さそう。
「これ、紅茶かな?」
「はい! まだ使えそうですよ! ルチル様、お茶にいたしませんか?」
棚の中に銀色の箱があって、開けてみたら中に入っていたのは茶葉だった。
ちょうど一息入れたいと思っていたところだったの。
このお屋敷、今のところ井戸を発見できてないのよね。だから、私だと紅茶を淹れることもできない。
そのため、エミリーが気を利かせて自分から誘ってくれたのね。
「頼んでもいいかしら」
「もちろんです! 先ほどからもう喉がカラカラで」
「レオも一緒にね」
「おお。いいのか」
嬉しそうな顔をしたレオに笑顔で雑巾を渡す。
もちろん、私の分もあるわよ。
「エミリー。先にこっちにお水をお願いできるかしら?」
「え、お二人がお掃除なさるのですか!」
「うん。待っている間にせめて座れるようにしたいなって」
「そ、そんな畏れ多い」
「二人で協力していかなきゃ。お屋敷は広いのよ」
と言うと、納得してくれたのかエミリーがバケツに手をかざす。
32
お気に入りに追加
595
あなたにおすすめの小説
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
暁にもう一度
伊簑木サイ
ファンタジー
成り上がり貧乏辺境領主の後継者ソランは、金策のため、「第二王子を王太子になるよう説得できた者に望みの褒美をとらす」という王の頼みごとを引き受けた。
ところが、王子は女嫌いということで、女とばれないよう、性別を隠して仕えることになる。
ソランと、国のために死に場所を探している王子の、「死なせない」と「巻き込みたくない」から始まった主従愛は、いつしか絶対に失いたくない相手へと変わっていく。
けれど、絆を深めるほどに、古に世界に掛けられた呪いに、前世の二人が関わっていたと判明していき……。
『暁に、もう一度、あなたと』。数千年を越えて果たされる、愛と祈りの物語。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています
如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」
何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。
しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。
様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。
この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが……
男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中

俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?
八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ
『壽命 懸(じゅみょう かける)』
しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。
だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。
異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる