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22.果実を求めて迷宮へ
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「とりあえず5種類」
階段に並んで座り、インベントリから取り出して並べてみる
全て直径10センチほどの大きさだった
「スイカにメロン、ランブータンにドラゴンフルーツ、それにキウイ。ダビアが言ってた赤いのが、ランブータンとドラゴンフルーツとは思わなかったわ」
「珍しいのか?」
「そうだねーそんなに一般的に食べてはいなかったと思うよ。メロンは網目って言ってたから何となく予想は出来てたのよね。それにこのサイズのキウイはびっくりだ」
「どっちの意味で?」
「大きいって方。1/8くらいの大きさだったから」
「なるほど」
ロキはただ頷いた
「で、これは全部美味いのか?」
「私は好きだよ。尤も同じ味ならだけど」
「あぁ…その問題があったか」
「世界の違いプラス迷宮マジックがあるからね~」
迷宮マジックというのは迷宮ならではの特異性を指している
前にゲットした花や野菜の種で言えば、成長が異常に早かったり、一般的な品種なのに花の色がやたらと豊富だったり、通常より大きな花や野菜が出来たりその逆だったり、味そのものが違ったりと驚く現象が頻繁に起こる
「そういえば調味料やスパイスでは迷宮マジック働かないんだよね。加工されてるからかな?」
「それはあるかもな。で、どうする?この先にも進むのか?」
「せっかくだし10階層まで行っちゃおっか。転移も使えるようになるし」
「…それが妥当か?」
低級は10階層ごとにボスがいる
そこをクリアすれば転移装置がある為次回そこから始めることが出来る
ロキと再び足を進めどんどん階を進めていくと…
「やーん素敵!」
7階層で出たのは巨大なカラフルな蜘蛛型の魔物
身体はグロテスクだけど、身体と同じ色の毛糸をドロップした
しかもかなり上質な毛糸だと思う
なんだろ、蜘蛛の出す糸から出来てるとかかな?
「お前こんなのどうする気だよ?」
大量の毛糸玉をホクホク顔で格納する私に驚いているらしい
「毛糸と言えばマフラーとかセーターを編むに決まってるじゃない」
「編む?あれって魔道具で作るもんじゃないのか?」
ロキが首を傾げている
「普通に編んで作るけど?」
時間がそれほどなかったためにマフラー一つ作るにもかなり日数がかかってたけど、今ならそれほどかからないだろう
「オリビエ、俺のも」
「ん?作る?」
「いいのか?」
「もちろん。マフラーでもセーターでも。でも上等なものは無理だよ?」
「…お前が作ってくれるならそれでいい」
うん。殺し文句が直球で飛んできたかも
「じゃ、じゃぁ毛糸一杯取って帰らないとね」
「…だな」
頷いたロキがさっきまでより気合を入れて倒してるように感じるのは気のせいだろうか?
結局大量の果物と毛糸をゲットして屋敷に戻った
その日のスイーツがその果物を使った試作品になり、カフェで提供することになったのは言うまでもない
そして3階で取れたのが果物だという情報に、それなりの値段が付いたことを私は後日知ることとなる
階段に並んで座り、インベントリから取り出して並べてみる
全て直径10センチほどの大きさだった
「スイカにメロン、ランブータンにドラゴンフルーツ、それにキウイ。ダビアが言ってた赤いのが、ランブータンとドラゴンフルーツとは思わなかったわ」
「珍しいのか?」
「そうだねーそんなに一般的に食べてはいなかったと思うよ。メロンは網目って言ってたから何となく予想は出来てたのよね。それにこのサイズのキウイはびっくりだ」
「どっちの意味で?」
「大きいって方。1/8くらいの大きさだったから」
「なるほど」
ロキはただ頷いた
「で、これは全部美味いのか?」
「私は好きだよ。尤も同じ味ならだけど」
「あぁ…その問題があったか」
「世界の違いプラス迷宮マジックがあるからね~」
迷宮マジックというのは迷宮ならではの特異性を指している
前にゲットした花や野菜の種で言えば、成長が異常に早かったり、一般的な品種なのに花の色がやたらと豊富だったり、通常より大きな花や野菜が出来たりその逆だったり、味そのものが違ったりと驚く現象が頻繁に起こる
「そういえば調味料やスパイスでは迷宮マジック働かないんだよね。加工されてるからかな?」
「それはあるかもな。で、どうする?この先にも進むのか?」
「せっかくだし10階層まで行っちゃおっか。転移も使えるようになるし」
「…それが妥当か?」
低級は10階層ごとにボスがいる
そこをクリアすれば転移装置がある為次回そこから始めることが出来る
ロキと再び足を進めどんどん階を進めていくと…
「やーん素敵!」
7階層で出たのは巨大なカラフルな蜘蛛型の魔物
身体はグロテスクだけど、身体と同じ色の毛糸をドロップした
しかもかなり上質な毛糸だと思う
なんだろ、蜘蛛の出す糸から出来てるとかかな?
「お前こんなのどうする気だよ?」
大量の毛糸玉をホクホク顔で格納する私に驚いているらしい
「毛糸と言えばマフラーとかセーターを編むに決まってるじゃない」
「編む?あれって魔道具で作るもんじゃないのか?」
ロキが首を傾げている
「普通に編んで作るけど?」
時間がそれほどなかったためにマフラー一つ作るにもかなり日数がかかってたけど、今ならそれほどかからないだろう
「オリビエ、俺のも」
「ん?作る?」
「いいのか?」
「もちろん。マフラーでもセーターでも。でも上等なものは無理だよ?」
「…お前が作ってくれるならそれでいい」
うん。殺し文句が直球で飛んできたかも
「じゃ、じゃぁ毛糸一杯取って帰らないとね」
「…だな」
頷いたロキがさっきまでより気合を入れて倒してるように感じるのは気のせいだろうか?
結局大量の果物と毛糸をゲットして屋敷に戻った
その日のスイーツがその果物を使った試作品になり、カフェで提供することになったのは言うまでもない
そして3階で取れたのが果物だという情報に、それなりの値段が付いたことを私は後日知ることとなる
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