65 / 317
20.新たな入居者
5
しおりを挟む
中々答えを出さないダビアを見てロキが口を開いた
「お前どうせ住む場所ないんだろ?とりあえずここにいて様子見てみればいんじゃねぇの?何かの契約があるわけじゃないし、イヤになりゃ出て行けばいいことだしな」
「まぁ確かに…デメリットは何もなさそうだ。でも本当にいいのか?騎士団なんて大食らい以外の何でもないぞ?」
ダビアはそっちの方が気が引けるとでも言うように申し訳なさそうな顔をする
悩むのがその点なら簡単なことだ
「気が引けるなら…たまに肉でも魚でも提供してくれれば充分ですよ」
「それならお安い御用ですね」
「あぁ。この話は正直助かる。引き受けるよ」
こうして2人はこのまま住むことが決まった
空いてる部屋はどこでもいいと伝えたものの2人とも3階の角部屋を選んでいた
「スイート人気ないね」
「寝れりゃいい人間に広さも豪華さも不要ってことだろ。正直俺もどこでもいいし」
「まぁ私もそうなんだけどね」
実際広さを持て余して、スイートに移ろうとしたらカメリアに反対された
主が最上級の部屋を使わないなんてありえないということらしい
その日の夕食は2人の紹介と歓迎会を兼ねバーベキューにした
子供たちは遊び相手が出来たと喜んでじゃれついている
あまりにも慣れた様子にロキに尋ねたら、町の巡回で子供たちが集まってくるのはよくある事らしい
******
「若いのが増えると賑やかになっていいな」
「あら、私は同年代も増えて欲しいですよ?」
ジョンの言葉にカメリアが返す
「私たちは恵まれてますね」
「そうだな。ちょっと前が嘘のようだ。道具の状態を気にせずに庭仕事ができるのは最高だしな」
「そういえばこの間コルザが見慣れない箒を持ってたんですよ?私の使ってる箒で手伝ってるのを見て、オリビエが子供用の箒を用意してくれたみたいです」
「オリビエらしいな」
ジョンは走り回る子供たちを眺めながら言う
「ウーも野菜を育てることに意欲的だ。庭より畑に興味があったことさえ知らなかったが…」
「それはウー自身もでしょう?ジョンの花も同じようなものでしょうに」
カメリアはからかうように言う
ジョンが早速芽が出たと大喜びした姿を知っているのはカメリアだけだ
「あの子たちの笑顔が増えたのはオリビエのおかげ。私自身も好きな料理を楽しめるし…掃除もやりがいがあるし…」
「オリビエのおかげで仕事の楽しさを思い出したよ。それに花の種もだが初めて見るものがこれからどれだけ出て来るのか楽しみでもある」
ジョンが手にした花の種は、この町でもよく見かけるものから、ジョンが見たこともないものまで様々だった
数日前にはロキが花や野菜の育て方を記した書籍を何冊か買ってきていた
それらはオリビエが王宮でもらった本と一緒に食堂に並べられていて好きなときに見てもいいという
「これからも頑張らないとね」
「そうだな。あいつらに負けてられないからな」
若者に負けてなるものかと気合を入れる2人をオリビエとロキが微笑ましそうに見ていたのに2人は気づきもしなかった
******
「お前どうせ住む場所ないんだろ?とりあえずここにいて様子見てみればいんじゃねぇの?何かの契約があるわけじゃないし、イヤになりゃ出て行けばいいことだしな」
「まぁ確かに…デメリットは何もなさそうだ。でも本当にいいのか?騎士団なんて大食らい以外の何でもないぞ?」
ダビアはそっちの方が気が引けるとでも言うように申し訳なさそうな顔をする
悩むのがその点なら簡単なことだ
「気が引けるなら…たまに肉でも魚でも提供してくれれば充分ですよ」
「それならお安い御用ですね」
「あぁ。この話は正直助かる。引き受けるよ」
こうして2人はこのまま住むことが決まった
空いてる部屋はどこでもいいと伝えたものの2人とも3階の角部屋を選んでいた
「スイート人気ないね」
「寝れりゃいい人間に広さも豪華さも不要ってことだろ。正直俺もどこでもいいし」
「まぁ私もそうなんだけどね」
実際広さを持て余して、スイートに移ろうとしたらカメリアに反対された
主が最上級の部屋を使わないなんてありえないということらしい
その日の夕食は2人の紹介と歓迎会を兼ねバーベキューにした
子供たちは遊び相手が出来たと喜んでじゃれついている
あまりにも慣れた様子にロキに尋ねたら、町の巡回で子供たちが集まってくるのはよくある事らしい
******
「若いのが増えると賑やかになっていいな」
「あら、私は同年代も増えて欲しいですよ?」
ジョンの言葉にカメリアが返す
「私たちは恵まれてますね」
「そうだな。ちょっと前が嘘のようだ。道具の状態を気にせずに庭仕事ができるのは最高だしな」
「そういえばこの間コルザが見慣れない箒を持ってたんですよ?私の使ってる箒で手伝ってるのを見て、オリビエが子供用の箒を用意してくれたみたいです」
「オリビエらしいな」
ジョンは走り回る子供たちを眺めながら言う
「ウーも野菜を育てることに意欲的だ。庭より畑に興味があったことさえ知らなかったが…」
「それはウー自身もでしょう?ジョンの花も同じようなものでしょうに」
カメリアはからかうように言う
ジョンが早速芽が出たと大喜びした姿を知っているのはカメリアだけだ
「あの子たちの笑顔が増えたのはオリビエのおかげ。私自身も好きな料理を楽しめるし…掃除もやりがいがあるし…」
「オリビエのおかげで仕事の楽しさを思い出したよ。それに花の種もだが初めて見るものがこれからどれだけ出て来るのか楽しみでもある」
ジョンが手にした花の種は、この町でもよく見かけるものから、ジョンが見たこともないものまで様々だった
数日前にはロキが花や野菜の育て方を記した書籍を何冊か買ってきていた
それらはオリビエが王宮でもらった本と一緒に食堂に並べられていて好きなときに見てもいいという
「これからも頑張らないとね」
「そうだな。あいつらに負けてられないからな」
若者に負けてなるものかと気合を入れる2人をオリビエとロキが微笑ましそうに見ていたのに2人は気づきもしなかった
******
35
お気に入りに追加
592
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
白蓮の魔女 ~記憶喪失からはじまる契約婚? 時を逆行し記憶を失った令嬢ですが、バッドエンドを回避したら何故か溺愛がはじまりました!!
友坂 悠
ファンタジー
「——だから、これは契約による婚姻だ。私が君を愛する事はない」
気がついた時。目の前の男性がそう宣った。
婚姻? 契約?
言葉の意味はわかる。わかるけど。でも——
♢♢♢
ある夜いきなり見知らぬ場所で男性からそう宣言された主人公セラフィーナ。
しかし彼女はそれまでの記憶を失っていて。
自分が誰かもどうしてここにいるかもわからない状態だった。
記憶がないままでもなんとか前向きに今いる状態を受け入れていくセラフィーナ。
その明るい性格に、『ろくに口もきけないおとなしい控えめな女性』と聞かされていた彼女の契約上の夫、ルークヴァルト・ウイルフォード公爵も次第に心を開いていく。
そして、彼女のその身に秘めた魔法の力によって危機から救われたことで、彼の彼女を見る目は劇的に変わったのだった。
これは、内気で暗い陰鬱令嬢と渾名されていたお飾り妻のセラフィーナが、自分と兄、そして最愛の夫の危機に直面した際、大魔法使い「白蓮の魔女」であった前世を思い出し、その権能を解放して時間を逆行したことで一時的に記憶が混乱、喪失するも、記憶がないままでもその持ち前のバイタリティと魔法の力によって活躍し、幸せを掴むまでの物語。
虐殺者の称号を持つ戦士が元公爵令嬢に雇われました
オオノギ
ファンタジー
【虐殺者《スレイヤー》】の汚名を着せられた王国戦士エリクと、
【才姫《プリンセス》】と帝国内で謳われる公爵令嬢アリア。
互いに理由は違いながらも国から追われた先で出会い、
戦士エリクはアリアの護衛として雇われる事となった。
そして安寧の地を求めて二人で旅を繰り広げる。
暴走気味の前向き美少女アリアに振り回される戦士エリクと、
不器用で愚直なエリクに呆れながらも付き合う元公爵令嬢アリア。
凸凹コンビが織り成し紡ぐ異世界を巡るファンタジー作品です。
Sランク冒険者の受付嬢
おすし
ファンタジー
王都の中心街にある冒険者ギルド《ラウト・ハーヴ》は、王国最大のギルドで登録冒険者数も依頼数もNo.1と実績のあるギルドだ。
だがそんなギルドには1つの噂があった。それは、『あのギルドにはとてつもなく強い受付嬢』がいる、と。
そんな噂を耳にしてギルドに行けば、受付には1人の綺麗な銀髪をもつ受付嬢がいてー。
「こんにちは、ご用件は何でしょうか?」
その受付嬢は、今日もギルドで静かに仕事をこなしているようです。
これは、最強冒険者でもあるギルドの受付嬢の物語。
※ほのぼので、日常:バトル=2:1くらいにするつもりです。
※前のやつの改訂版です
※一章あたり約10話です。文字数は1話につき1500〜2500くらい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる