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18.迷宮のお土産

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「どうせ区画区切ったからって育て方に差をつける気はないだろう?」
「と、当然だ」
なんてことを言うんだとジョンはギョッとした顔をする

「ならなんも問題ねぇよ。片方はこの屋敷用、もう片方はジョン達用。ジョン達用の区画で取れた分は自分たちで食べようが他所に売ろうが構わないってことだ。屋敷用に俺たちに売ってもいいしな」
「それじゃ申し訳なさすぎる」
「オリビエがそれで折れると思うか?俺でも説得は無理だぞ」
「…」
ロキに言われたジョンが私を見てきた

「もう決めたからね。花も野菜も区画は2つ。決定ね」
言い切るとジョンは諦めたようにため息をついた

「分かった。畑の場所は任せてもらえるのか?」
「勿論よ。必要なものは経費で申請ね」
これは先に言っておかないとジョンは自分で何とかしようとしてしまう

「種の管理はジョンに任せるわね。足りなくなったら言ってね。また迷宮で調達してくるから。希望通りの種を入手するって、約束出来ないのが辛いところだけど」
「調達って…」
「迷宮ってそういう用途の場所だっけ?」
ウーが首を傾げる

「こいつの目にはそう映るみたいだな。魔物よりもドロップ品に興味を持ってるくらいだ。まぁ俺にとっても運動がてら行く感じだし気にすんな」
ロキがそう言うとジョン達は呆れた顔をさらに深めた
私達はどうやら揃って普通ではないらしい

「最後はカメリアね」
「私も?」
「カメリアにって言うか私と一緒に使うことになるんだけど」
種を全てジョンに渡すと次は香辛料を取り出した

「コレって…」
「香辛料、スパイスね」
「初めて見るものもいっぱいあるんだけど…」
それはそうだろう
香辛料を買いに行った際の種類の少なさに驚いたくらいなのだから

「店に並んでるの自体少なかったしね。でもこれだけあったらかなり色々作れるわ」
「ん、ならこれも渡しとく」
色々作れると耳にした途端、ロキも香辛料を大量に取り出し並べた

「まったくお前さんたちは…」
ジョンが今日一番の大きなため息をつく

「どうかした?」
「この種以上に香辛料は高額なものが多い。カメリアですらほとんど知らないのはそのせいだ」
「なるほど…」
「その香辛料がこんな大量に…種もだが俺には恐れ多い」
「ん…そこはもう慣れてもらうしかないわよね?」
私がロキに向かって言うと当たり前のように頷いた

「大丈夫よ。皆がわざわざ無駄にしようとか悪用するなんて思ってないから」
「当然だ」
「当然よ」
ジョンとカメリアの声がハモッた

「それにこれの元手はタダだしね?お肉もお魚も一杯手に入ったから食事も楽しみにしててね」
「お魚?」
「そうお魚。嫌い?」
コルザに尋ね返すと首を横に振る

「この町ではあまり出回らないのよ。海が遠いから」
「なるほど。そういう意味では迷宮ってやっぱり人の理を無視してるのよね」
「まぁ、あの中で海のもんも山のもんもある時点で異常だな」
「言えてる。でも色々入手できる迷宮が近くにあると助かるね」
そう言うとジョンとカメリアが残念なものを見るような視線を向けてきた
しっかりスルーさせていただきます

何にしても皆にとって意味のある物が入手できたのでよしとしよう
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