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7.別荘

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「結局ウーはどの部屋を選んだの?」
側に来たロキに尋ねる

「庭側の真ん中だな。庭と反対側の階段横の部屋からベッドを運び出した」
「了解。このあとジョンにここを掃除してくれてた母子を呼んできてもらうつもりなの。母一人子供3人。一番下は3歳だって」
「そいつらもここに住むのか?」
「そうしてもらえたらいいなとは思ってる。だめだった?」
「俺は別に構わない。城に比べりゃどこでも居心地がいいはずだしな」
その言葉に城の様子を思い出す
うん。私もあそこに住むくらいなら野宿の方がいいかもしれない

「よかった。ただね。ジョンの反応見る限り、ここに来てくれても2階のスイートなんて選びそうにないのよね」
「まぁ普通は手を出さないだろうな」
うん。そうだろうとは思ったけどね…

「だよね。かといって3人の子供と3階でってちょっと…」
危ない上に大変だろう
しかも一番下は3歳だもの
スイートを改装するってのも有かもしれないけど時間がかかるし…

「応接室一つ潰してもいいんじゃないか?どうせ使わねぇだろ?」
ロキが閃いたように言う

「それいいかも。スイートのセミダブルのベッド2つ繋げれば4人並んで寝れるよね?」
「…十分なんじゃねぇの?とりあえず下ろしてくる」
ロキはすぐに階段を上がっていった

私は応接室の1つ、庭がよく見える部屋に入り、不要そうな家具をインベントリを利用して移動したり片付けたりしていく
「今の魔力はそのマジックバッグじゃないよな?」
その声に振り向くとロキが立っていた

「あ、うん。元の世界でインベントリ使ってたのがそのまま使えるみたいなんだよね」
特に隠すことでもないと思い素直に認める

「…広間でマジックバッグ見て驚かないから珍しいとは思ったけどそう言うことか」
妙に納得したような顔で言われてしまった
普通はマジックバッグで驚くものなのかと自分の認識のずれを自覚する
今後はあまり大っぴらに使わない方がいいのかもしれない
その辺りのずれは出来るだけ早くすり合わせたいかも

「この部屋なら直接庭に出れるな」
窓からの見晴らしはとてもいい
子供達が庭で遊ぶのも表から回るより楽でいいはず
そう思って選んだのに気付いてくれたようだ

「わかった?」
「まぁな。それにこの部屋だけバスルームがついてたんだっけ?」
ロキは思い出すように言う

「その通りだよ。やっぱり部屋にある方がいいだろうしね」
「そうだな。ベッドはこの辺でいいか?」
「とりあえずそれでいいと思う。ありがと」
「あと3階のベッド運び出した部屋からコレ持ってきた」
そう言って取り出したのは簡易クローゼットと化粧台だった
女性だしあった方が当然いい

なんて出来る男でしょう
その気遣いに驚くと共に感心する

簡単に部屋を整え終わった頃、ジョン達が母子を迎えに出て行った
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