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本編

22.商会②

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「そんなことを言われたのか?」
家に戻ってクラウスとのことを話しているとレオンは楽しそうに笑った

「マリエルがこっちで受け入れてもらえてるならよかった」
隣に座るレオンはいつものように私を抱き寄せる
最初は恥ずかしかったのにいつの間にか当たり前になってしまった

「そういえばミカエルも言ってたな」
「何を?」
「クララ嬢が珍しく買い物から帰って機嫌がよくて、その理由を聞いたら初めて満足のいく買い物ができたと。その商会がマリオン商会だったらしい」
「先日来られた時の事かしら?」
「何だ、知ってたのか?」
「ええ。ミカエル様の婚約者が来たってスタッフが呼びに来たから」
「じゃぁマリエルが対応したのか?」
「まさか。私はそれぞれの商品の事なんて何もわからないもの。そのことを説明してスタッフに対応してもらったわよ?」
当たり前のことだと思ってそう言ったのにレオンが固まった

「あれ?」
私何か変なこと言ったかしら?

「…その後クララ嬢は何か?」
「そうね、そのスタッフが『今度からも専属で付いてほしいと言われた』って報告に来たのよね…明日から始めるパートナー制度はそれが元だったりするんだけど」
「なるほど…でもマリエルは心配にはならなかったのか?スタッフが王族に絡む人の対応なんて」
「スタッフの事は信用してるもの。それにうちに置いてる商品はどこに出しても恥ずかしくないものだけだし」
「それはそうだけど…多分普通の商会ならトップが対応してると思うぞ?」
「無理だよ。スタッフよりも知識無いのに何をお勧めするのよ?質問されてもたいして答えられなければそれこそ信用問題に関わるじゃない」
そう返すと大きくため息をつかれた

「それが気に入ったんだろうな…」
「え?」
「俺もだけど…基本的に店に入るとトップが対応する。こっちの意見をほとんど聞くこともなくこれがおすすめだと言ってくるし、その商品に関して質問しても素晴らしい一品だとしか返ってこない」
「何それ…」
「多分クララ嬢もそうだったんだろう。店に行った時にある高額商品をいかに売りつけるか、それしか考えてないやつが多いからな」
「そうなのね。私ならそんな店二度と行かないけど」
その言葉にレオンは何かが腑に落ちたような顔をした

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