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14.プロポーズ
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何とかレイを見ると優しい瞳が呆けた私に向けられていた
「…大丈夫か?」
親指で私の唇に触れながらレイは尋ねた
最初から勝ち目などなかったとはいえ今までかなり手加減されていたらしい
私とは対照的にレイには余裕すら見えるのだから
「今までこんなんじゃ…」
どれだけ激しいキスでももっと欲しいと思うことなどなかったのだから
「一応、我慢してたんだよ。でないと抑える自信もなかったし」
「我慢?…抑えるって…」
聞き流せない言葉だった
「そのままだ。けじめつけるまでは抑えようと思ってた。ただ…お前相手に理性保つのは結構きつい」
そう言って私を見たレイは苦笑を浮かべていた
「お前に煽られると理性が焼き切れる」
「え…?」
煽った覚えはない
キョトンとする私にレイは苦笑する
「無自覚とか性質わりぃな…」
レイはごまかすように額にそっと口づけた
「ど…ゆこと?」
「何でもない。でも…あんま煽ると今みたいにセーブできなくなるから」
この先あの程度で止める自信もないからと、耳元でささやかれた瞬間心臓が脈打った
そんな私を見てレイが意味ありげに笑っている
足元から崩れそうになったのを『あの程度』と言い切ったレイが本気を出したらどうなってしまうのだろうか
さっきの激しく貪るように求められたキスが頭の中で見え隠れする
あんなのを普段からされたらたまったもんじゃない
パンドラの箱を開けたらこんな感じなのだろうかとどこかで考えていた
「この先は今日の夜に」
軽く口づけられた直後ささやかれた言葉に心臓が暴れ出す
この先って…?
反射的に問いかけたい言葉は声にならない
自らもっとと望んでしまった口づけの『その先』と考えただけで、何かに飲み込まれてしまいそうな感覚に陥っていた
家に戻ってから自分で自分が分からなくなっていた
食事を作って、一緒に食べて片付ける
そのこれまで当たり前にしていたことがいつも以上に特別なものに感じる
昨日までと何も変わらないはずなのに全く別の感覚に襲われる
それがどこか嬉しくてくすぐったい感じに自然と笑みがこぼれる
「なーに笑ってんだよ?」
レイに突っ込まれ何でもないと誤魔化すもののにやけてしまう頬は緩みっぱなしだった
その反面、レイに触れられる度に湖での事を思い出してぎこちなくなる
くつろいでいても本を読んでいても意識がレイに向く
左手にあるブレスレットを見るたびに喜びがこみあげ、同時に自分から口づけたのだと思い出す
「ひぁ…っ?!」
背後から抱きしめられた瞬間漏れた声に体中が熱くなる
思いもしなかった声に羞恥心に包まれた
一体どうなっているのか…自分でもわからない
「…だから…煽るなって言ってんのに」
抱き上げられたままベッドに運ばれる
「レ…イ……?」
「無理…」
こっちを見て吐き出された言葉の意味を理解する前に、妖艶な笑みを浮かべたレイに口づけられていた
深いキスも愛撫する手も優しいのに初めて感じる激しい快感だった
それでもレイが必死で気遣ってくれてるのが分かる
「サラサ…」
与えられると同時に求められているのを全身で感じた
いつもより深く入ってくるレイに何度も絶頂に達する
「…もぅ……」
絶え間なく与えられる初めての強い快楽に敏感になった体が痙攣する
自分が保てなくなりそうで怖くなる
それでも初めて見る恍惚としたレイを全て受け止めたいと思った
「レイ……愛…してる…」
涙が零れ落ちるのを見てレイが一瞬息を飲んだ
「悪い…止めらんね…」
一気に激しさが増した
「ひぁ…!」
目の前に光が散った
「っ…」
身体がのけ反った瞬間さらに深く突き上げられ一緒に絶頂を迎えた私は意識を手放した
◇ ◇ ◇
「ヤバすぎんだろ…」
眠ってしまったサラサを眺めながらつぶやく
押さえていた理性がなくなった瞬間これまで感じた事の無いほど満たされた
知ってしまった幸福感をこの先我慢できる自信はない
「責任取れよ?」
そう言って口づける
サラサを抱きしめて自分も眠りに落ちた
◇ ◇ ◇
「…おはよ…」
目が覚めて飛び込んできたのは自分を見つめるレイの優しい目だった
「ちゃんと寝れたか?」
「ん…」
頷いて昨夜の事を思い返す
毎日何度も抱かれてきたのに比べようもないほど心も体も満たされていた
「レイ…」
「ん?」
「我慢…しなくていいよ?」
レイが驚いているのが分かる
「満ち足りたレイの顔…初めて見た…だからもう我慢しないで?」
言いながら昨日のような抱かれ方を求めているのだと伝えているようだと気づき恥ずかしくなってくる
「…お前にそう言われたら我慢するのは無理そうだ」
一瞬困ったような笑みを浮かべたレイは、珍しく私を抱きしめたまま肩に顔を埋めた
「レイ…?」
「一度知ったらやめられない。もっと欲しくなる。多分これから何度抱いても次を求める」
「…!」
「もう逃がさない。抱きつぶすかもしれない。それでも手放す気はないから」
耳元でささやかれる言葉にゾクっとする
蜘蛛の巣に絡まった蝶になった気分だ
でもそこから逃げる気はかけらもない
「逃げない…レイの腕の中が一番安心するから」
そう言ってレイを抱きしめ返す
「何も考えられなくなってちょっと怖いけど…レイになら…いい」
「…」
「レイ?」
黙り込んだレイの顔を伺う
「一つ教えといてやる」
「?」
「そういうのを、煽ってるっていうんだよ」
軽く額を小突かれた
いまいち理解できないけど幸せに包まれてる感じがした
「…大丈夫か?」
親指で私の唇に触れながらレイは尋ねた
最初から勝ち目などなかったとはいえ今までかなり手加減されていたらしい
私とは対照的にレイには余裕すら見えるのだから
「今までこんなんじゃ…」
どれだけ激しいキスでももっと欲しいと思うことなどなかったのだから
「一応、我慢してたんだよ。でないと抑える自信もなかったし」
「我慢?…抑えるって…」
聞き流せない言葉だった
「そのままだ。けじめつけるまでは抑えようと思ってた。ただ…お前相手に理性保つのは結構きつい」
そう言って私を見たレイは苦笑を浮かべていた
「お前に煽られると理性が焼き切れる」
「え…?」
煽った覚えはない
キョトンとする私にレイは苦笑する
「無自覚とか性質わりぃな…」
レイはごまかすように額にそっと口づけた
「ど…ゆこと?」
「何でもない。でも…あんま煽ると今みたいにセーブできなくなるから」
この先あの程度で止める自信もないからと、耳元でささやかれた瞬間心臓が脈打った
そんな私を見てレイが意味ありげに笑っている
足元から崩れそうになったのを『あの程度』と言い切ったレイが本気を出したらどうなってしまうのだろうか
さっきの激しく貪るように求められたキスが頭の中で見え隠れする
あんなのを普段からされたらたまったもんじゃない
パンドラの箱を開けたらこんな感じなのだろうかとどこかで考えていた
「この先は今日の夜に」
軽く口づけられた直後ささやかれた言葉に心臓が暴れ出す
この先って…?
反射的に問いかけたい言葉は声にならない
自らもっとと望んでしまった口づけの『その先』と考えただけで、何かに飲み込まれてしまいそうな感覚に陥っていた
家に戻ってから自分で自分が分からなくなっていた
食事を作って、一緒に食べて片付ける
そのこれまで当たり前にしていたことがいつも以上に特別なものに感じる
昨日までと何も変わらないはずなのに全く別の感覚に襲われる
それがどこか嬉しくてくすぐったい感じに自然と笑みがこぼれる
「なーに笑ってんだよ?」
レイに突っ込まれ何でもないと誤魔化すもののにやけてしまう頬は緩みっぱなしだった
その反面、レイに触れられる度に湖での事を思い出してぎこちなくなる
くつろいでいても本を読んでいても意識がレイに向く
左手にあるブレスレットを見るたびに喜びがこみあげ、同時に自分から口づけたのだと思い出す
「ひぁ…っ?!」
背後から抱きしめられた瞬間漏れた声に体中が熱くなる
思いもしなかった声に羞恥心に包まれた
一体どうなっているのか…自分でもわからない
「…だから…煽るなって言ってんのに」
抱き上げられたままベッドに運ばれる
「レ…イ……?」
「無理…」
こっちを見て吐き出された言葉の意味を理解する前に、妖艶な笑みを浮かべたレイに口づけられていた
深いキスも愛撫する手も優しいのに初めて感じる激しい快感だった
それでもレイが必死で気遣ってくれてるのが分かる
「サラサ…」
与えられると同時に求められているのを全身で感じた
いつもより深く入ってくるレイに何度も絶頂に達する
「…もぅ……」
絶え間なく与えられる初めての強い快楽に敏感になった体が痙攣する
自分が保てなくなりそうで怖くなる
それでも初めて見る恍惚としたレイを全て受け止めたいと思った
「レイ……愛…してる…」
涙が零れ落ちるのを見てレイが一瞬息を飲んだ
「悪い…止めらんね…」
一気に激しさが増した
「ひぁ…!」
目の前に光が散った
「っ…」
身体がのけ反った瞬間さらに深く突き上げられ一緒に絶頂を迎えた私は意識を手放した
◇ ◇ ◇
「ヤバすぎんだろ…」
眠ってしまったサラサを眺めながらつぶやく
押さえていた理性がなくなった瞬間これまで感じた事の無いほど満たされた
知ってしまった幸福感をこの先我慢できる自信はない
「責任取れよ?」
そう言って口づける
サラサを抱きしめて自分も眠りに落ちた
◇ ◇ ◇
「…おはよ…」
目が覚めて飛び込んできたのは自分を見つめるレイの優しい目だった
「ちゃんと寝れたか?」
「ん…」
頷いて昨夜の事を思い返す
毎日何度も抱かれてきたのに比べようもないほど心も体も満たされていた
「レイ…」
「ん?」
「我慢…しなくていいよ?」
レイが驚いているのが分かる
「満ち足りたレイの顔…初めて見た…だからもう我慢しないで?」
言いながら昨日のような抱かれ方を求めているのだと伝えているようだと気づき恥ずかしくなってくる
「…お前にそう言われたら我慢するのは無理そうだ」
一瞬困ったような笑みを浮かべたレイは、珍しく私を抱きしめたまま肩に顔を埋めた
「レイ…?」
「一度知ったらやめられない。もっと欲しくなる。多分これから何度抱いても次を求める」
「…!」
「もう逃がさない。抱きつぶすかもしれない。それでも手放す気はないから」
耳元でささやかれる言葉にゾクっとする
蜘蛛の巣に絡まった蝶になった気分だ
でもそこから逃げる気はかけらもない
「逃げない…レイの腕の中が一番安心するから」
そう言ってレイを抱きしめ返す
「何も考えられなくなってちょっと怖いけど…レイになら…いい」
「…」
「レイ?」
黙り込んだレイの顔を伺う
「一つ教えといてやる」
「?」
「そういうのを、煽ってるっていうんだよ」
軽く額を小突かれた
いまいち理解できないけど幸せに包まれてる感じがした
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