73 / 80
31.自分を見つめ直す時
2
しおりを挟む
「だからこの国は愚かだと言ったんだ。見た目、表面的な価値それしか見ることが出来ない」
「だからそれは…」
令嬢が言い返そうとした中、マックスの姿が変わっていく
「え…?すごいかっこいい…」
「誰あれ?あれがマックス様?」
「やだ、あんなにカッコいいのに何であんな姿に?」
「素敵…お父様、私マックス様と結婚したいわ!」
悲鳴のような令嬢たちの声が響く
「…で、キミの言いたいことは何だったかな?」
マックスは先ほどの令嬢に向かって言う
「い、いえ…」
向けられた微笑みに頬を真っ赤にする令嬢を次の瞬間マックスが笑い飛ばした
「俺の奥さんにだけはなりたくない、だったかな?」
「違…それは…!」
必死で否定しようとする令嬢に冷めた目を向ける
その目は心底軽蔑したような目だった
「実にくだらないな。見た目が変わっただけでその態度の変わりようは実に滑稽で吐き気がする。君のような頭がお花畑のご令嬢はこっちからお断りするよ」
「酷い…」
その言葉に令嬢は泣き出した
「酷いという前に自分の吐いた言葉を思い出してみたらどうだ?自分の発した言葉に責任を持つべきだと思うが…君のご両親はそんな事さえ教えてはくれなかったのか?」
「そんなこと…」
「あぁ、君の父上も似たようなことを言っていたか。なら無理もない」
側にいた両親をあざ笑うように言う
「皆も今一度考えてみて欲しい。関わる相手と誠実に向き合うことの大切さを。見た目や表面的なものに惑わされる愚かさを。これまでの態度と180度変わった相手を信用するに足るのかなど子供でも分かるはずだ」
その言葉に苦虫をかみつぶしたような顔をする者が大勢いた
「俺が絵を描くしか能がないと思ってた者も覚悟しておくがいい。明日からこの国の改革を始める」
マックスはそう言ってニヤリと笑う
どういうことかと会場が再びざわついた
そんな中帝王が再び声を張り上げた
「本日をもって我は帝王を降りる。長男のドミニクを帝王に、次男のアレン、三男のマックスを補佐とする」
帝王がそう言った途端青ざめるものが多数見て取れる
「…何かたくらんでいるとは思いましたけどまさかこんなことだったとは…」
「リーシャに本当の姿の事を言われて一瞬驚かれたのはこのせいだったようだな」
エイドリアンとアリシャナは苦笑する
「俺を愚か者と思い沢山の情報を零してくれたことには感謝する。それらは全て今後の改革に活かすと約束しよう」
「そんな…」
項垂れ崩れ落ちる当主が続出した
「様々な想いを抱えるものがいるようだが…ここから仕切り直しで舞踏会を再開しようじゃないか」
ドミニクがそう言った途端音楽が鳴り響く
「エイドリアン、アリシャナ、君達にファーストダンスをお願いしてもいいかな?」
「「喜んで」」
場の流れを見る限り断わるのはまずかろうと2人は引き受ける
エイドリアンにリードされ踊るアリシャナは男女問わず視線を奪った
1曲踊り終えると周りも踊り出し舞踏会としての雰囲気を取り戻していった
「だからそれは…」
令嬢が言い返そうとした中、マックスの姿が変わっていく
「え…?すごいかっこいい…」
「誰あれ?あれがマックス様?」
「やだ、あんなにカッコいいのに何であんな姿に?」
「素敵…お父様、私マックス様と結婚したいわ!」
悲鳴のような令嬢たちの声が響く
「…で、キミの言いたいことは何だったかな?」
マックスは先ほどの令嬢に向かって言う
「い、いえ…」
向けられた微笑みに頬を真っ赤にする令嬢を次の瞬間マックスが笑い飛ばした
「俺の奥さんにだけはなりたくない、だったかな?」
「違…それは…!」
必死で否定しようとする令嬢に冷めた目を向ける
その目は心底軽蔑したような目だった
「実にくだらないな。見た目が変わっただけでその態度の変わりようは実に滑稽で吐き気がする。君のような頭がお花畑のご令嬢はこっちからお断りするよ」
「酷い…」
その言葉に令嬢は泣き出した
「酷いという前に自分の吐いた言葉を思い出してみたらどうだ?自分の発した言葉に責任を持つべきだと思うが…君のご両親はそんな事さえ教えてはくれなかったのか?」
「そんなこと…」
「あぁ、君の父上も似たようなことを言っていたか。なら無理もない」
側にいた両親をあざ笑うように言う
「皆も今一度考えてみて欲しい。関わる相手と誠実に向き合うことの大切さを。見た目や表面的なものに惑わされる愚かさを。これまでの態度と180度変わった相手を信用するに足るのかなど子供でも分かるはずだ」
その言葉に苦虫をかみつぶしたような顔をする者が大勢いた
「俺が絵を描くしか能がないと思ってた者も覚悟しておくがいい。明日からこの国の改革を始める」
マックスはそう言ってニヤリと笑う
どういうことかと会場が再びざわついた
そんな中帝王が再び声を張り上げた
「本日をもって我は帝王を降りる。長男のドミニクを帝王に、次男のアレン、三男のマックスを補佐とする」
帝王がそう言った途端青ざめるものが多数見て取れる
「…何かたくらんでいるとは思いましたけどまさかこんなことだったとは…」
「リーシャに本当の姿の事を言われて一瞬驚かれたのはこのせいだったようだな」
エイドリアンとアリシャナは苦笑する
「俺を愚か者と思い沢山の情報を零してくれたことには感謝する。それらは全て今後の改革に活かすと約束しよう」
「そんな…」
項垂れ崩れ落ちる当主が続出した
「様々な想いを抱えるものがいるようだが…ここから仕切り直しで舞踏会を再開しようじゃないか」
ドミニクがそう言った途端音楽が鳴り響く
「エイドリアン、アリシャナ、君達にファーストダンスをお願いしてもいいかな?」
「「喜んで」」
場の流れを見る限り断わるのはまずかろうと2人は引き受ける
エイドリアンにリードされ踊るアリシャナは男女問わず視線を奪った
1曲踊り終えると周りも踊り出し舞踏会としての雰囲気を取り戻していった
1
【こちらも更新中】
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召還に巻き込まれたのでこの世界を楽しもうと思います(長編/ファンタジー)
■ボクはキミが好き。その一言で奪われた未来を取り返します(短編/恋愛)
【完了しました】
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召還に巻き込まれたのでこの世界を楽しもうと思います(長編/ファンタジー)
■ボクはキミが好き。その一言で奪われた未来を取り返します(短編/恋愛)
【完了しました】
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
お気に入りに追加
222
あなたにおすすめの小説

久しぶりに会った婚約者は「明日、婚約破棄するから」と私に言った
五珠 izumi
恋愛
「明日、婚約破棄するから」
8年もの婚約者、マリス王子にそう言われた私は泣き出しそうになるのを堪えてその場を後にした。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。

お姉様に恋した、私の婚約者。5日間部屋に篭っていたら500年が経過していました。
ごろごろみかん。
恋愛
「……すまない。彼女が、私の【運命】なんだ」
──フェリシアの婚約者の【運命】は、彼女ではなかった。
「あなたも知っている通り、彼女は病弱だ。彼女に王妃は務まらない。だから、フェリシア。あなたが、彼女を支えてあげて欲しいんだ。あなたは王妃として、あなたの姉……第二妃となる彼女を、助けてあげて欲しい」
婚約者にそう言われたフェリシアは──
(え、絶対嫌なんですけど……?)
その瞬間、前世の記憶を思い出した。
彼女は五日間、部屋に籠った。
そして、出した答えは、【婚約解消】。
やってられるか!と勘当覚悟で父に相談しに部屋を出た彼女は、愕然とする。
なぜなら、前世の記憶を取り戻した影響で魔力が暴走し、部屋の外では【五日間】ではなく【五百年】の時が経過していたからである。
フェリシアの第二の人生が始まる。
☆新連載始めました!今作はできる限り感想返信頑張りますので、良ければください(私のモチベが上がります)よろしくお願いします!

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。

好きだと言ってくれたのに私は可愛くないんだそうです【完結】
須木 水夏
恋愛
大好きな幼なじみ兼婚約者の伯爵令息、ロミオは、メアリーナではない人と恋をする。
メアリーナの初恋は、叶うこと無く終わってしまった。傷ついたメアリーナはロメオとの婚約を解消し距離を置くが、彼の事で心に傷を負い忘れられずにいた。どうにかして彼を忘れる為にメアが頼ったのは、友人達に誘われた夜会。最初は遊びでも良いのじゃないの、と焚き付けられて。
(そうね、新しい恋を見つけましょう。その方が手っ取り早いわ。)
※ご都合主義です。変な法律出てきます。ふわっとしてます。
※ヒーローは変わってます。
※主人公は無意識でざまぁする系です。
※誤字脱字すみません。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

怒らせてはいけない人々 ~雉も鳴かずば撃たれまいに~
美袋和仁
恋愛
ある夜、一人の少女が婚約を解消された。根も葉もない噂による冤罪だが、事を荒立てたくない彼女は従容として婚約解消される。
しかしその背後で爆音が轟き、一人の男性が姿を見せた。彼は少女の父親。
怒らせてはならない人々に繋がる少女の婚約解消が、思わぬ展開を導きだす。
なんとなくの一気書き。御笑覧下さると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる