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7.過去の出来事
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「・・・ん・・・」
目を覚ますと真っ先に焚迦釈の顔が飛び込んできた
「え・・・?」
「大丈夫か?」
「あ・・・うん・・・」
紫音は必死に記憶をたどる
「私・・・」
思い出したとたん自分の状況に気付く
「ごめ・・・重かった・・・でしょ・・・?」
膝枕された状態であるとわかり慌てて起き上がる
「どうしよ・・・私本当に迷惑ばっかり・・・ごめ・・・」
「紫音落ち着け」
慌てふためく紫音の腕をつかむ
「だってあんな・・・本当にどうしよ・・・みんなにも迷惑かかっちゃ・・・」
「紫音!」
次の瞬間紫音は焚迦釈の腕の中にいた
「そ・・・?」
「いいから落ち着け」
優しい声に体が硬直する
「だって私あいつらに・・・」
焚迦釈は小刻みに震える紫音を優しく抱きしめる
「最初はいつもかばってくれてたの・・・だから付き合おうって言われても断る理由もなくて・・・だけどあの人もあの人の父親と変わらなかった・・・」
「・・・」
「何とかあの家逃げ出して駅に行ったら誰かに階段から突き落とされて・・・真っ先にあの人病院に来てくれたけど・・・個室に移してくれたけどそれは・・・人払いして1日中弄ぶ為だけで・・・」
かすれる声で紫音は続けた
すでに精神的に参っている感じであることはすぐに分かる
「警察の人が色々動き出したとたん・・・あの人の父親は借金のことはもう忘れるから出て行けって・・・やっと自由になれたと思ったのに・・・!」
その後泣き続ける紫音を焚迦釈は何の言葉をかけるわけでなくただ抱きしめていた
優しい温もりに少しずつ錯乱状態が治まっていく
「・・・あり・・・がと」
暫くして顔を上げた紫音は涙を拭きながら言った
「・・・!?」
答える代わりに再び抱き寄せられた紫音はとまどう
「安心しろ。少なくともここにいる間は守ってやるから」
「湊龍く・・・?」
「ちょっとは落ち着いたか?」
「ん・・・」
頷いた紫音の頭を軽くなでる
その手のぬくもりに紫音は心が休まるのが分かった
「番号は?」
「え?」
「携帯」
「あ・・・090-xxxx-xxxx」
「ん」
焚迦釈は紫音の言った番号をダイヤルするとコール音を確認してから切った
「いつでもかけて来い」
「いいの?」
だめなら教えないとでも言うかのような目をして焚迦釈は携帯をしまった
「聞いてもいい?」
「何?」
「どうして助けに来てくれたの?」
「別に」
「・・・」
「駅の近くに連れがいるだけ。お前が気にすることじゃない」
そっけなく答える
「そろそろ帰るぞ」
「え?」
「晩飯の時間」
「・・・本当だ・・・」
時計を見て慌てだす
突然立ち上がった紫音はふらついてしまった
「きゃっ・・・」
こけそうになった紫音をとっさに焚迦釈が支えた
「お前は・・・」
ため息混じりの言葉に紫音はうつむく
「ごめんなさ・・・」
「いいよ。それより行くぞ」
焚迦釈は歩き出す
「湊龍君」
「・・・焚迦釈でいい」
「え?」
「湊龍の名は嫌いなんだ」
焚迦釈はぞっとするほど冷たい目を見せた
「・・・わかった。じゃぁ焚迦釈君って呼ぶね」
紫音はそう言って微笑んだ
その笑顔が作られたものでないことに焚迦釈はどこか嬉しさを感じた
目を覚ますと真っ先に焚迦釈の顔が飛び込んできた
「え・・・?」
「大丈夫か?」
「あ・・・うん・・・」
紫音は必死に記憶をたどる
「私・・・」
思い出したとたん自分の状況に気付く
「ごめ・・・重かった・・・でしょ・・・?」
膝枕された状態であるとわかり慌てて起き上がる
「どうしよ・・・私本当に迷惑ばっかり・・・ごめ・・・」
「紫音落ち着け」
慌てふためく紫音の腕をつかむ
「だってあんな・・・本当にどうしよ・・・みんなにも迷惑かかっちゃ・・・」
「紫音!」
次の瞬間紫音は焚迦釈の腕の中にいた
「そ・・・?」
「いいから落ち着け」
優しい声に体が硬直する
「だって私あいつらに・・・」
焚迦釈は小刻みに震える紫音を優しく抱きしめる
「最初はいつもかばってくれてたの・・・だから付き合おうって言われても断る理由もなくて・・・だけどあの人もあの人の父親と変わらなかった・・・」
「・・・」
「何とかあの家逃げ出して駅に行ったら誰かに階段から突き落とされて・・・真っ先にあの人病院に来てくれたけど・・・個室に移してくれたけどそれは・・・人払いして1日中弄ぶ為だけで・・・」
かすれる声で紫音は続けた
すでに精神的に参っている感じであることはすぐに分かる
「警察の人が色々動き出したとたん・・・あの人の父親は借金のことはもう忘れるから出て行けって・・・やっと自由になれたと思ったのに・・・!」
その後泣き続ける紫音を焚迦釈は何の言葉をかけるわけでなくただ抱きしめていた
優しい温もりに少しずつ錯乱状態が治まっていく
「・・・あり・・・がと」
暫くして顔を上げた紫音は涙を拭きながら言った
「・・・!?」
答える代わりに再び抱き寄せられた紫音はとまどう
「安心しろ。少なくともここにいる間は守ってやるから」
「湊龍く・・・?」
「ちょっとは落ち着いたか?」
「ん・・・」
頷いた紫音の頭を軽くなでる
その手のぬくもりに紫音は心が休まるのが分かった
「番号は?」
「え?」
「携帯」
「あ・・・090-xxxx-xxxx」
「ん」
焚迦釈は紫音の言った番号をダイヤルするとコール音を確認してから切った
「いつでもかけて来い」
「いいの?」
だめなら教えないとでも言うかのような目をして焚迦釈は携帯をしまった
「聞いてもいい?」
「何?」
「どうして助けに来てくれたの?」
「別に」
「・・・」
「駅の近くに連れがいるだけ。お前が気にすることじゃない」
そっけなく答える
「そろそろ帰るぞ」
「え?」
「晩飯の時間」
「・・・本当だ・・・」
時計を見て慌てだす
突然立ち上がった紫音はふらついてしまった
「きゃっ・・・」
こけそうになった紫音をとっさに焚迦釈が支えた
「お前は・・・」
ため息混じりの言葉に紫音はうつむく
「ごめんなさ・・・」
「いいよ。それより行くぞ」
焚迦釈は歩き出す
「湊龍君」
「・・・焚迦釈でいい」
「え?」
「湊龍の名は嫌いなんだ」
焚迦釈はぞっとするほど冷たい目を見せた
「・・・わかった。じゃぁ焚迦釈君って呼ぶね」
紫音はそう言って微笑んだ
その笑顔が作られたものでないことに焚迦釈はどこか嬉しさを感じた
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