チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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閑話12 油断(side:レティシアナ)

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「シア…」
私の姿が見当たらなければシアはどう思うだろう?
私の身に何か起こればシアはどうするだろう?
これまで感じた事のない不安が押し寄せて来る
自分の身に何か起こる事よりもシアに拒絶される方が怖いなんて…
そんなことを考えていたら扉の開く音、そしてこちらに近づいて来る足音が聞こえてきた

「ククク…目覚めたみたいだな?」
「…」
睨み返した先には醜い笑みを浮かべた貴族らしき男がいた
背は高いけど小太りで身に着けた衣服にはたくさんの宝石が取り付けてある
一言でいえば、下品
お洒落とか品性なんて言葉はどこかに忘れてきたみたい

「お前の血を貰おうと思ってな」
「…」
「純粋な龍神族の血には寿命を延ばす力があるらしいな?定期的に飲めば俺はどれだけ生きられる?」
ニヤニヤ笑いながら近づいて来る
その後ろから白いローブを纏った男が入ってきた
「やれ」
「御意」
白いローブを纏った男は取り出した魔道具を私の腕に取り付けた
「何を…」
「言っただろ?血を頂くのさ」
その言葉の直後チクリとした痛みが走る
「っ…」
体内から何かが抜き取られていく感覚の直後頭がボーっとしてきた
「おや、勢いよく抜き過ぎましたかな?ま、量は知れてますからしばらく横になってれば問題ないでしょう」
まるで病気の診断でもしてるようなく口調で白いローブを纏った男が言った

「魔道具から抽出するのにどれくらいかかる?」
「そうですな…夕食を終える頃までには」
窓の外は既に暗い
夕方にギルドに行ったのにどれくらい眠っていたんだろう?
「すぐに取り掛かれ」
男にそう言われて白いローブを纏った男は出て行った

「さて、夕食までにはまだ少し時間があるな」
1人何かを考えるそぶりを見せた後に男は寝台に乗り上げた
「!?」
「時間があるならやることは一つだ」
「何…を…」
「お前には俺の子を産んでもらう」
「!」
予想は出来ていた
でも、嫌だ
シア以外に身をゆだねるなんて絶対に嫌
恐怖と不安が溢れ出してくる
「その顔最高だな…」
「触らないで!」
頬に触れられそうになって必死で顔をそむけた
「無駄だ。お前の体液に現状を維持する効果がある事は知っている。上手くいけば若返りの効果があることもな」
その言葉に目の前が真っ暗になる
龍神族でも知ってる人の少ない事実なのに…

「涙、よだれ、汗…そして…」
男の手が服の上から秘部に触れた
「ここから出る液も」
「嫌…やめ…」
必死で身をよじろうともほぼ身動き取れない状態に涙が溢れて来る
怖い
気持ち悪い
ただそれだけに支配されて体の震えが止まらない
どうすることもできないまま少しずつ衣類が取り払われていく恐怖にただ必死で耐えるしか出来ない
もういっそ舌を噛んで死んでしまった方が楽かもしれない
恐怖と絶望に飲み込まれながらそんな考えが過った
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