チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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144.感染症?

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1月も終わりに近づき寒さが厳しくなってきた
この世界は日本にいた時と同様の四季がある
違う点があるとすれば湿度が低いから夏の暑さは影に入ってしまえば涼しいけど、冬の寒さは厳しくなる点だろう
正直どっちがいいかは分からない
この家を除いて冷房の設備が整っているところはほとんどないから夏の涼しさは有り難い
暖炉があるから冬は建物の中に入ってしまえば問題ないし、それなりの金をかけたローブやコートを持っていれば寒さも防いでくれる
俺達は当然のごとく魔道具のコートを持ってるから四季に影響を受けることは少ない
それでも普通の子供や高齢者は体調を崩しやすくなるから要注意だ

そんな中コーラルさんから『弾丸』と『無限』、そして母さんに呼び出しがかかった
中々の組み合わせに首を傾げながらも、俺達は父さん達と共に屋敷にやってきたわけだけど…
「いつになく騒がしいな?」
「緊急事態でも起こったか?」
父さんとカルムさんが呟く言葉に少しの緊張が走る
屋敷内では使用人が荷物を持って行ったり来たりしていて俺達も落ち着かない

「スタンピードの予兆は無かったよね?」
「そんな報告は無いな」
シャノンの言葉に父さんが返す
確かにスタンピードの予兆があればギルドも警戒態勢に入るはずだ
当然町にも周知されるし俺達には真っ先に連絡が来る
その時はギルドへの緊急招集になるからコーラルさんの屋敷に呼び出されるなんて悠長なことはしない
そう言う意味でもスタンピードは無関係だろう

「待たせて悪いな」
そう言いながら入ってきたコーラルさんは少しやつれている感じがする
「何があった?」
「隣町で感染症とみられる症状が見つかった」
その言葉にさっきとは違い皆が息を飲む
「どの程度の?」
「まだ重傷者は出ていない。高熱と下痢による脱水、重い者でも意識混濁…最初に報告されたのは1週間前で3日前から急増した。その時点で隣町は閉鎖する判断をした」
てことは大きな広がりは無いんだろうか?
3日の内に潜伏期間に入った人がどれだけ出入りしたかが問題だけど…

「この町に流れてきた者は?」
「幸い隣町の閉鎖直前に出たCランクのパーティーが1組いたが報告の方が早かったおかげで町には入れず、今は隔離して様子を見ている」
「ならこの町としては特に問題はないんじゃないのか?」
アランさんがボソッと言う
確かに俺達が召集されるほどの事でもない気がする
基本的に町の中の事は町の中で解決することになってるし、向こうから要請がない限りはこちらから動かないというルールがある
良かれと思って動いて被害が拡大したという事態が何度も起きたから設けられたルールだ
不思議なものでそういう事態に限って大惨事だったりするんだよな
そもそも要請が来た場合、冒険者である俺達にはコーラルさんじゃなくギルドから声がかかるはずだし…
まぁ国家レベルのなんちゃらとかだったらどうなるか分かったもんじゃないけどさ
そんな俺達の疑問を読み取ったのだろう、コーラルさんは苦笑しながら本題に入った
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