チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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142.新しい発見

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「そうだシア、今日新しい発見があったんだよね」
「どんな発見?」
弓の話が落ち着いたころ、そう切り出したシャノンにレティが食いついた
発見と言われて俺自身興味を惹かれた

「えっとね、私の補助が武器に乗った」
「へ~補助が武器に…は?」
「え?」
思わず聞き流しそうになった
補助が武器に乗った?
魔石の強化じゃなく?
レティも驚きの声を漏らして俺たちは顔を見合わせていた

「…そんなことできるの?魔石での強化は聞いたことあるけど…」
レティが首をかしげながら考え込んでしまった
「それが乗ったんだよ」
興奮気味に言ったのはヨウだ

「これ、今の数字確認して」
シャノンは取り出した短剣をテーブルに置いた
俺はそれを鑑定してその数値をレティにも伝える

「じゃぁ補助乗せるね」
シャノンが発動したのは『スカラ』と『バイキルト』つまり防御力と攻撃力の強化
再び鑑定するとそれぞれのパラメータ値で防御力は『+1』、攻撃力は『+2』と表示されていた
「まじかよ…」
「すごい…」
レティも目をパチパチしてそれ以上の言葉を発しない

「実は昨日孤児院で聞かれたんだよ。武器にも補助魔法かけれるの?って」
マリクが言うには聞かれた時は無理だろうと答えたものの、後から実際どうなのかと気になったらしい
ちょうど今日はシャノン達と一緒に行動する日だったから試してみたところ乗せれたと…
「補助魔法である以上、人にかけるのと同じで時間に制限はあるんだけどね」
「それでもこれはとんでもないことだぞ?」
「重ね掛けはどれくらいできるの?」
「別の補助は重ねられるけど同じものは何回かけても効果も持続時間も変わらなかった」
その辺も人と同じってことか

「『ピオラ(素早さ)』はこっちの感覚が狂うからおすすめしないけどね」
「ってことは試したんだな」
ルークの言葉に苦笑する
「いつもの感覚で剣を振り下ろしたら魔物がまだ射程圏内に入ってなくて焦ったよ。逆に切れたタイミングでは振り下ろす前に魔物が目前…あれはヤバい」
ルークはその時のことを思い出したのか本気で嫌そうな顔をした

まぁ、自分のステータスが徐々に上がって武器を振るスピードが上がるならともかく、いつもと同じ感覚で振って違うスピードで振り切れたら感覚は狂うだろう
そのズレは相手が強ければ強いほど致命的だ
それに慣れるだけのメリットがあるかと言われれば疑問だな
基本的に一緒に行動しているルークならともかくマリクたちはたまにだし
それ以前に補助がかかるタイミングと切れるタイミングを気にしながら戦うなんて俺には無理だ…というかできたとしても遠慮したい
そんなことを考えていたらレティが爆弾を投下した

「ねぇ、この補助魔法、さっきの矢にかけたらどうなるんだろう?」
その言葉に一瞬みんなが沈黙した
言葉を反芻して想像する
それだけで興奮してくるのは冒険者のサガなんだろうか?
「迷宮産に?うわ、これは試してみたい」
ヒタチが大興奮だ
それは俺たちも同じだったわけで…
結局みんなで草原に向かうことになった
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