357 / 373
141.戦利品
2
しおりを挟む
「迷宮産ってお前…あの恐ろしいほどの機能を持ったヤツだよな?」
マリクがようやく言葉を発した
「そうだな」
俺は即答しながら頷く
マリクが恐ろしいほどの機能と言いたいのはもう一つ迷宮産の武器に共通している機能のことだろう
武器本来の威力が使用者のステータスに連動するという謎の機能があって、それは矢や銃の弾丸なんかの消耗品も例外じゃないってこと
他人に貸したら当然のようにその人のステータスに連動するし、使用者登録をすれば誰かに奪われたとしても武器自ら手元に戻ってくる
これは登録した者が死ぬか、神殿で使用者解除するまで続く
さらに何かしらの付加機能がついているものもある
今回俺たちが渡したものについている不劣化は傷まないため半永久的に使うことができるもので、さらに追跡機能は狙った獲物に当たるまで追跡し続けるもの
「たかが10本だけど絶対に外さない上に半永久的に使える高性能の矢だ。今ならこれもつけるぞ」
言いながら取り出したのは同じく迷宮産の弓
「シアお前これ…」
ヒタチが口をパクパクさせて魚みたいになっていた
成人した男がやってもかわいくないけどな?
「その矢と一緒に今日出たんだけど俺もレティも弓は使わないし、あの家の関係者にも弓使いはいないからな」
「けどこれ売ればかなりの…」
「その場合、確実にどうでもいいやつの手元にいくだろ?それは嫌なんだよな」
迷宮産の武器や防具は超レア扱い
ギルドに売れば破格の値段が付くけど、その分売値はさらに高くなる
結果、貴族がコレクションとして手に入れて冒険者に渡らないのが定石だ
「こんな高性能な武器を貴族のコレクションにするなんてばからしいだろ?」
『猫に小判』『豚に真珠』『馬の耳に念仏』とかいうんだっけ?
ちょっと言葉は変わるけどこっちの世界にもあるからすんげー違和感がある
「私もシアに同意。だからヒタチにって話してたの」
「ちなみにこれ火属性なんだよな」
「!」
ヒタチが息をのむ
ヒタチの魔法属性は火だ
『弾丸』に指導してもらってるおかげで剣に火をまとわせることはできるようになっている
そのヒタチが火属性の迷宮産の弓を使ったらどうなるか?
そこには楽しみな未来しか待っていない
「シア達が困ったとき俺たち皆で力になる。だからヒタチ、この弓はありがたくもらっとけ」
「マリク?」
「迷宮産の火属性の弓にこの先出あえる確率なんて考えるまでもないだろ?」
「それは…そうだけどさ」
おそらく俺でもこの先死ぬまで出会わないだろう
試しにエンドレスにしてみたけど矢も弓もこれ以上出なかったしな
その点に関しては、魔道具は作れるものだけど迷宮産の武器や防具についてる性能は魔道具として再現できないのが理由だろうと勝手に思っている
「もらっとけよ。どうせシアのことだからヒタチが使わなきゃ、次に火属性持ちの弓使いに出会うまでインベントリの肥やしだって」
「…リアム、間違ってはいないけどその言い方は何とかならないか?」
「間違ってないなら問題ないだろ?」
あっさり返された
確かに死蔵一択だよな
次に火属性持ちの弓使い似合う確率もかなり低い
龍神族の寿命が長かろうとそれは変わらない
「とにかくそういうことだからヒタチは遠慮なく使ってくれ」
「そういうことなら…正直助かるよ」
弓は使用者が少ない分値段も割高になるし種類も少ない
作り手も少ないだけにオーダーメイドで作れるのはSランク以上といわれている
迷宮産はなぜか使用者の手に馴染むという意味でもヒタチには合うはずだ
「腕を上げて今度一緒に依頼受けるときにでも感想を聞かせてくれ」
「もちろんだ」
ヒタチは嬉しそうにそう答えながら頷いた
マリクがようやく言葉を発した
「そうだな」
俺は即答しながら頷く
マリクが恐ろしいほどの機能と言いたいのはもう一つ迷宮産の武器に共通している機能のことだろう
武器本来の威力が使用者のステータスに連動するという謎の機能があって、それは矢や銃の弾丸なんかの消耗品も例外じゃないってこと
他人に貸したら当然のようにその人のステータスに連動するし、使用者登録をすれば誰かに奪われたとしても武器自ら手元に戻ってくる
これは登録した者が死ぬか、神殿で使用者解除するまで続く
さらに何かしらの付加機能がついているものもある
今回俺たちが渡したものについている不劣化は傷まないため半永久的に使うことができるもので、さらに追跡機能は狙った獲物に当たるまで追跡し続けるもの
「たかが10本だけど絶対に外さない上に半永久的に使える高性能の矢だ。今ならこれもつけるぞ」
言いながら取り出したのは同じく迷宮産の弓
「シアお前これ…」
ヒタチが口をパクパクさせて魚みたいになっていた
成人した男がやってもかわいくないけどな?
「その矢と一緒に今日出たんだけど俺もレティも弓は使わないし、あの家の関係者にも弓使いはいないからな」
「けどこれ売ればかなりの…」
「その場合、確実にどうでもいいやつの手元にいくだろ?それは嫌なんだよな」
迷宮産の武器や防具は超レア扱い
ギルドに売れば破格の値段が付くけど、その分売値はさらに高くなる
結果、貴族がコレクションとして手に入れて冒険者に渡らないのが定石だ
「こんな高性能な武器を貴族のコレクションにするなんてばからしいだろ?」
『猫に小判』『豚に真珠』『馬の耳に念仏』とかいうんだっけ?
ちょっと言葉は変わるけどこっちの世界にもあるからすんげー違和感がある
「私もシアに同意。だからヒタチにって話してたの」
「ちなみにこれ火属性なんだよな」
「!」
ヒタチが息をのむ
ヒタチの魔法属性は火だ
『弾丸』に指導してもらってるおかげで剣に火をまとわせることはできるようになっている
そのヒタチが火属性の迷宮産の弓を使ったらどうなるか?
そこには楽しみな未来しか待っていない
「シア達が困ったとき俺たち皆で力になる。だからヒタチ、この弓はありがたくもらっとけ」
「マリク?」
「迷宮産の火属性の弓にこの先出あえる確率なんて考えるまでもないだろ?」
「それは…そうだけどさ」
おそらく俺でもこの先死ぬまで出会わないだろう
試しにエンドレスにしてみたけど矢も弓もこれ以上出なかったしな
その点に関しては、魔道具は作れるものだけど迷宮産の武器や防具についてる性能は魔道具として再現できないのが理由だろうと勝手に思っている
「もらっとけよ。どうせシアのことだからヒタチが使わなきゃ、次に火属性持ちの弓使いに出会うまでインベントリの肥やしだって」
「…リアム、間違ってはいないけどその言い方は何とかならないか?」
「間違ってないなら問題ないだろ?」
あっさり返された
確かに死蔵一択だよな
次に火属性持ちの弓使い似合う確率もかなり低い
龍神族の寿命が長かろうとそれは変わらない
「とにかくそういうことだからヒタチは遠慮なく使ってくれ」
「そういうことなら…正直助かるよ」
弓は使用者が少ない分値段も割高になるし種類も少ない
作り手も少ないだけにオーダーメイドで作れるのはSランク以上といわれている
迷宮産はなぜか使用者の手に馴染むという意味でもヒタチには合うはずだ
「腕を上げて今度一緒に依頼受けるときにでも感想を聞かせてくれ」
「もちろんだ」
ヒタチは嬉しそうにそう答えながら頷いた
94
お気に入りに追加
670
あなたにおすすめの小説

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~
黒色の猫
ファンタジー
孤児院出身の僕は10歳になり、教会でスキル授与の儀式を受けた。
僕が授かったスキルは『眠る』という、意味不明なスキルただ1つだけだった。
そんな僕でも、仲間にいれてくれた、幼馴染みたちとパーティーを組み僕たちは、冒険者になった。
それから、5年近くがたった。
5年の間に、覚醒したスキルを使ってパーティーに、貢献したつもりだったのだが、そんな僕に、仲間たちから言い渡されたのは、パーティーからの追放宣言だった。

黄金の魔導書使い -でも、騒動は来ないで欲しいー
志位斗 茂家波
ファンタジー
‥‥‥魔導書(グリモワール)。それは、不思議な儀式によって、人はその書物を手に入れ、そして体の中に取り込むのである。
そんな魔導書の中に、とんでもない力を持つものが、ある時出現し、そしてある少年の手に渡った。
‥‥うん、出来ればさ、まだまともなのが欲しかった。けれども強すぎる力故に、狙ってくる奴とかが出てきて本当に大変なんだけど!?責任者出てこぉぉぉぃ!!
これは、その魔導書を手に入れたが故に、のんびりしたいのに何かしらの騒動に巻き込まれる、ある意味哀れな最強の少年の物語である。
「小説家になろう」様でも投稿しています。作者名は同じです。基本的にストーリー重視ですが、誤字指摘などがあるなら受け付けます。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜
赤井水
ファンタジー
クロス伯爵家に生まれたケビン・クロス。
神に会った記憶も無く、前世で何故死んだのかもよく分からないが転生した事はわかっていた。
洗礼式で初めて神と話よく分からないが転生させて貰ったのは理解することに。
彼は喜んだ。
この世界で魔法を扱える事に。
同い歳の腹違いの兄を持ち、必死に嫡男から逃れ貴族にならない為なら努力を惜しまない。
理由は簡単だ、魔法が研究出来ないから。
その為には彼は変人と言われようが奇人と言われようが構わない。
ケビンは優秀というレッテルや女性という地雷を踏まぬ様に必死に生活して行くのであった。
ダンス?腹芸?んなもん勉強する位なら魔法を勉強するわ!!と。
「絶対に貴族にはならない!うぉぉぉぉ」
今日も魔法を使います。
※作者嬉し泣きの情報
3/21 11:00
ファンタジー・SFでランキング5位(24hptランキング)
有名作品のすぐ下に自分の作品の名前があるのは不思議な感覚です。
3/21
HOT男性向けランキングで2位に入れました。
TOP10入り!!
4/7
お気に入り登録者様の人数が3000人行きました。
応援ありがとうございます。
皆様のおかげです。
これからも上がる様に頑張ります。
※お気に入り登録者数減り続けてる……がむばるOrz
〜第15回ファンタジー大賞〜
67位でした!!
皆様のおかげですこう言った結果になりました。
5万Ptも貰えたことに感謝します!
改稿中……( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )☁︎︎⋆。

俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる