チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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ソーサリーマスターを取得してからも俺は魔法をどう使うかレティと一緒に研究していた
火に風を纏わせる形の『複合魔法』や、水をぶっかけて雷を落とすような『掛け合わせ魔法』は、母さん始め弾丸が既に広めていて、高ランクの冒険者の中には使える人もいる
複合魔法は複数属性持ちしか使えないけど、掛け合わせ魔法はパーティー内にいればいいから比較的身近な魔法として知られている
俺達も例にもれずどちらも既に使っている魔法だ
でも俺がしたいのはそれとはちょっと違うんだよなぁ…

「複数属性を同時に発動でもないんだよね?」
「そうだな。それだと複合魔法と変わらない」
時差が有るか無いかだけで個々で発動してる時点で俺の目指すものとは違う
「氷と風を使うのは変わらないけど、それを元から統合した状態で発動したいんだよな」
「統合魔法…ってことだよね?」
「便宜上そう呼んでるだけだけどな」
魔力を練り上げる段階で掛け合わせる
理屈もイメージも出来てるけど思う通りに行かない
母さんたちが凝縮できなかったってのと似たような状態だ

そこまで考えてふと気づく
「属性として考えるからダメなのか?」
「え?」
俺の零した呟きにレティが反応してることすら気付かず考え続けていた
そもそも俺が作り出したいのは吹雪のような状態だ
だから氷魔法と風魔法を掛け合わせようと考えた
その根本的な土台となる部分が間違っているとしたら?

「魔法はイメージ…」
「えっと…シア?」
「だから変に理屈を考えなくてもいい?」
思いついたら実行に移さずにはいられない

『吹雪』
俺はそうつぶやきながら猛吹雪をイメージした
「ひゃっ…!」
「あ」
突然の事に飛ばされそうになったレティを咄嗟に抱き寄せて魔法を止める
「シア今のって…」
「氷と風の統合」
「複合魔法や掛け合わせ魔法と全然違うわ!何よあれ?ヤバすぎる!」
興奮気味のレティに苦笑する

その時丁度魔物が一体飛び出してきた
『雷雨』
魔物めがけて発動すると感電死した
「ヤバイ。楽しすぎる」
一つできると後は簡単なモノだ
知ってる現象をイメージして命名してやればいい
攻撃に使うなら『ハブーブ(砂嵐を伴った強風)』『ブリザード(地吹雪を伴った強風)』『竜巻』あたり
『霧』は目くらましにも使えるかもしれないな
暑いときに涼むなら『霧雨』とか…
もっともイメージできたとしても根本的に主となる属性の魔法を持っていなかったら発動しないだろう
でも生活魔法に火種と水球、ドライが含まれてることを考えれば、威力は弱くても色々出来そうな気はするんだよな
その辺はこれから試してもらってもいいかもしれないな
そんなことを考えながらそのイメージに合わせて勝手に魔法が練りあがる
それは新しい発見だった
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