チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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139.ソーサリーマスター

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スライムのドタバタからしばらく俺とレティはそれなりにのんびり過ごしていた
町のわずらわしさも、行く頻度が減ったせいもあってかなり落ち着いた
シャノンが集めてきた情報によれば、これ以上何か起きれば俺達が拠点を移して、その姿を見る事すらできなくなるかもしれないと危機感を持っているらしい
それを恐れた女たちがお互いにけん制し合ってるとかなんとか…
そんな危機感はともかくこのまま落ち着いた状態を維持して欲しいものだと切に願う

「シアそれ…」
レティが呆然と俺の手元を眺めていた
「ん?どうした?」
「どうしたじゃなくて…何でそんな多重発動してるの?!」
レティが目にしてるのは俺の魔法
光と闇、水と雷、氷と地
6つの属性を同時に発動してぶつけ合ってる真っ最中
本来オークを瞬殺出来るそれぞれの魔力の大きさをビー玉くらいの大きさに凝縮してるから魔力操作のスキルも上って効率がいい

「6つも一気に増えるとスキル上げがめんどくさくてさ」
弱いままだとあんま使い物にならないし、1個ずつ上げるのも性に合わない
最初は2属性でやってたけどそれすら煩わしくなってきたのがきっかけだ
3つ、4つと増やしていくと意外と簡単に出来たんだよな
ただ、最初ぶつけ合ってたバレーボールサイズの玉だと複数になると邪魔になるから小さくしただけ
「めんどくさいって…」
「一気に上げて使いこなしたいだけだって」
「その気持ちは分かるけど、普通は出来ないと思う」
「そうか?」
「そうだよ?そもそも2属性以上使える人の方が少ないんだからね?」
「知ってるけど、レティだって3属性使えるだろ?」
元々持ってた火と水に闇が追加されたからな
「私は元々龍神族だからだよ」
「あれ?龍神族ってそうだったのか?」
これは初耳だ
「純粋な龍神族は火と水を持って生まれる。あと時空魔法も」
「へぇ…純粋なってことは他種族と混ざった子は?」
「火か水のどっちかになるみたい。相手が魔法に長けてればその属性も持って生まれることはあるみたいだけど人族は属性持ってても使いこなせない人も多いから」
「なるほど」
確かに生活魔法レベルで止まる人も多いもんな
冒険者で魔法の指導受けて使えそうと思ったやつが鍛えるくらいで他は使い方すら知らないケースも多い

「それにしても…そんな小さなのをぶつけ合ってるだけでレベル上がるの?」
「ん?」
あれ?威力も見たままのサイズと思ってる感じか?
「これは凝縮された魔力だぞ?」
「え?」
「ほら」
雷の玉を少し離れた場所に立ってる木に飛ばす
“バリバリ………”
直撃したとたん木っ端みじんになった
「うそ…だってそんなに魔力感じなかったのに…」
「は?」
今度は俺が驚いた
凝縮しても込めてる魔力量は変わらない
つまり6属性分使ってればそれなりの魔力を放出してるわけで?
「凝縮したら感知されない?そんなことあるのか?」
頭の中に“?”が大量に浮かんでいた

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