チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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136.クリスマス

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「シア、丁度良かった」
「なに?」
「その子たち見ててくれる?もう危なっかしくて…」
母さんは飛び跳ねたり走り回ったりしてるチビ達を見てそう言ってきた
「ついでにシエラも頼む」
父さんが抱いていたシエラをこっちに渡してくる
「了解」
シエラを引き取りレティとツリーのそばにあるソファーに座った

「この木はどこから?」
「これは母さんが作ったやつ。本物そっくりだろ?」
「っていうか本物じゃないの?どう見ても本物にしか見えないんだけど…」
流石母さんクオリティ
あとで伝えておこう

「俺がガキの頃からずっとある。毎年ああやって飾り付けて、翌日の朝に飾りを全て外す」
「何か1日だけなんてもったいないね?」
「最初は俺もそう思ってたんだけどな、でも普段の暴れようを見ればわかるだろ?」
「あ…」
走り回って暴れる子供の前にあんなものがあれば突撃して怪我する未来しか見えない
それがレティにもわかったのか苦笑する
「それが分かってるからあいつらもいつもはない大きな玩具くらいの認識じゃないか?」
「なるほど…」
普段遊ぶ玩具は食事なんかのタイミングで必ず片付ける
その延長ってこと
ただ年に1回しか出てこない特別に大きな玩具だから片付けるのが翌日になるだけ
当然の様にやってるからそれ以上でもそれ以下でもなかったりする
ロニーの様に初めて参加する時は驚きの方が強いだろうけど

「さぁ、ご飯の準備ができたけど飾りつけはどう?」
「もう出来た!」
真っ先に答えたのはポールだ
ちょっと前に到着したマリクやバルドさん達は既に料理を食べようとスタンバっている
「あとはてっぺんのお星さまだけ。カーロお願い!」
スカイはロングチェアの上に上がったカーロの背に乗って星を付けた

「もうすぐできるからちょっと待って!」
スージー達は慌てて仕上げに取り掛かる
焦ってやると危なっかしくてしょうがない
「スージー、ユリア、ロニーも慌てなくて大丈夫よ」
「でもー」
「飾りは出したままにしておくから、ご飯がひと段落したら続きをすればいいわ」
「「「はーい」」」
ナターシャさんの言葉に3人はしぶしぶと言った感じで頷いた
所狭しと料理が並べられていつものパーティーが始まる
ご馳走はチビ達の好物が必ずあるからみんな大喜びだ

賑やかな食事の後ユリアたちはすぐにツリーの続きに取り掛かって完成させていた
最後の星をロニーに着けさせてやる辺り『お姉さん』が板についてきたらしい
スカイなんて我先にと確保してたのに…
ちょっとは見習わせた方がいいんだろうか?
でもケイン自身がそこにこだわりを持ってないから問題ない気もする
シエラがもう少し大きくなるころまで様子見かな?

途中でゲームしたり誰かが踊りだしたり、時々けんかする声が聞こえたり…
飽きもせず夜まで皆で騒ぐ
なぜかコーラルさんやギルマス迄いるのは気にしたら負けな気がした
そのコーラルさんから俺にプレゼントだと封筒が一通渡された
中から出てきたのは新しいリスト
これはプレゼントというのかと首を傾げたのは言うまでもない
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