チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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136.クリスマス

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「ねぇシア」
「ん?」
「朝からちびちゃんたちが騒がしいみたいだけど今日って何かあるの?」
レティの問いかけに苦笑する
普段起きるより早い時間帯にも関わらずチビ達の動く気配がする
遮音の魔道具が働いてるから音は聞こえないけど種族が変わったせいか、人の気配を察知する力は人族だった頃より遥かに高くなった
広範囲、かつその個々の強さもある程度把握できる
今は1階でチビがちょろちょろ動き回ってる感じかな
そういえばこれもこの家だけなんだよな

「今日は12月の24日だろ?」
「そうね」
「これは俺と母さんの前世が関係してるんだけど、今日はクリスマスっていう季節の行事の日なんだ」
「クリスマス?」
レティは首をかしげる
「まぁ、本来なら宗教…信じる神様に関係するんだけど、俺達のいた国ではそう言う信仰心をあまり重視せずにお祝いだけしてた感じの人が多いんだけどさ」
「お祝い…」
と言われてもわかんないよな

「とりあえずそんな由来とかはともかくとして、この家では12月の24日は、クリスマスと称して皆でパーティーをして、夜になるとチビ達がプレゼントを貰えるんだ」
「パーティーにプレゼント…それであんなにはしゃいでるの?」
「そういうこと」
流石に前の世界のをそのまま再現するのは無理があるから、イブと当日を1日にまとめてしまった感じではあるけどな
でもそんなことも俺と母さんしか知らないから問題ない

「私何も用意してないけど…?」
「それは問題ない。プレゼントを贈るのは父さん達だけだから」
「そうなの?」
「ああ。親たちからのプレゼントってことで皆1つだけ貰えるんだ」
「普段はあれだけ沢山貰えるのに?」
誕生日なんかは色んな人から貰えるもんな
そう言う意味では1つだけって少なく感じるのも無理ないか

「その1つは自分の希望のものなんだよ。1月ほど前に希望は聞いて回ってるはずだし」
「希望の物?」
「そ。1つだけ欲しいものが貰える。ただし成人するまでだけど」
シャノン達がこないだ成人したからポールより下しか貰えない
「ふふ…何か面白いね」
「だろ?おかげで何が貰えるかわかってても盛り上がる」


「ちなみに朝からチビ達が騒がしいのはこの日のもう一つの楽しみでもあるツリーを作ってるからだ」
チビがツリーを作ってる間に親たちは料理の準備をして、パーティーは昼からぶっ通しで夜まで続く
1日にご馳走が2回も並ぶってこと自体がチビ達にとっては夢のような出来事なんだよな
その上夜にはプレゼントがもらえるとなればテンションは確実に上がる
俺も小さい頃はかなりはしゃいで多様な気がするし…

「ツリーって?」
「でかい木に飾りつけをするんだ。これは見た方が早いか」
もう少しレティの温もりを感じたままベッドでゴロゴロしてたい気もするけど仕方ない
当のレティの意識が完全に下に向いてるからな
俺は一旦レティを抱きしめてから口づけると起き上がる
それぞれに身支度を整えて下に降りるとツリーは半分くらい完成していた

「すごい…」
レティは呆然立ち尽くす
目の前には1.5m程の高さのツリーが3本
それぞれのツリーを囲う様に高い背もたれの付いたロングチェアが配置されている
これは高めのところでも自分たちで飾りつけできるようにと言う母さんの計らいだ
そのそれぞれのツリーにスカイとケイン、スージーとユリアにロニー、ポールとフラウに分かれて楽しそうに飾り付けをしていた
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