チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

文字の大きさ
上 下
341 / 370
133.妖精からの招待

4

しおりを挟む
「綺麗…」
ここはお気に入りの湖とはまた違った神秘的な雰囲気を醸し出していた
『これは精霊の好む精霊草だよ』
「「え…」」
ここに来て精霊と言う言葉を耳にするとは思わなかった
『シア、この先何かあって困ったときはここに来て』
『精霊草に祈りを捧げるの』
『精霊が助けてくれるよ』
口々にささやかれる言葉に俺の理解が追い付かない

『気に入ってもらえれば4大精霊様にも助けてもらえるよ』
4大精霊…
水のウンディーネ、火のサラマンダー、風のシルフ、土のノーム…だったか
リアンの時に精霊王やら闇の精霊と言う言葉は耳にしたけど、自分が直接関わる可能性など考えたこともなかった

「シア、精霊草ってどれだけ探しても見つけることのできない幻の薬草じゃなかった?」
「…俺もそう記憶してるな」
冒険者は特に誰もが欲する薬草の名だ
精霊草の持つ効果は様々で、中でも有名なのは死んだ人を生き返らせることができると言われているエリクサーの材料の一つであるということ
そして魔法を使う冒険者や騎士が欲する理由でもあるけど、摂取することで魔力量を飛躍的に向上させることができると言われている
他にも若返りや美容関連の効果がまことしやかにささやかれているのがこの精霊草だ

「あ…今なら」
これまで検索しても辞書にもマップにもかからなかった精霊草
それはあくまで夢物語や幻のような存在だったからだ
ということは?
***
精霊草
精霊の力の源となる薬草で精霊の祠にのみ生息する
効能は多岐にわたる
根:死者を甦生するエリクサーの材料の一つ。ただしその効果は1回のみ
葉:すり潰して服用。魔力量を1.5倍に増加する。ただしその効果は1回のみ
茎:抽出して服用。50年延命する。ただしその効果は1回のみ
花びら:抽出して塗布。美白効果
ガク:すり潰して服用。抗老化作用。注意)この世のものとは思えない苦みがある
どの素材も採取後20分で効果は消滅する
***
辞書に表示された内容を読み上げるとレティが呆然とする
「幻の素材…しかもここが『精霊の祠』だったなんて…」
「知ってるのか?」
「龍神族の間で語り継がれてるの。『奇跡を起こす素材が精霊の祠にある』って」
「確かに奇跡を起こす素材だな」
効能は現実味のないものばかりだ
こんなのがあまりよろしくない貴族や国にわたったらとんでもないことになるだろう
「『精霊の祠』の事は秘密にしとこう」
「サラサさん達にも?」
「ああ。妖精が必要と思えば直接伝えるだろうし」
それ以前にもう知ってるかもしれない

「そうだね。本当に困ったときに頼ることはあるかもしれないけど、今のところは純粋にこの神秘的な景色を楽しむだけで十分かも」
「そうだな」
俺達は日が暮れるまで妖精達とこの景色を楽しんでいた
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫
ファンタジー
 孤児院出身の僕は10歳になり、教会でスキル授与の儀式を受けた。  僕が授かったスキルは『眠る』という、意味不明なスキルただ1つだけだった。  そんな僕でも、仲間にいれてくれた、幼馴染みたちとパーティーを組み僕たちは、冒険者になった。  それから、5年近くがたった。  5年の間に、覚醒したスキルを使ってパーティーに、貢献したつもりだったのだが、そんな僕に、仲間たちから言い渡されたのは、パーティーからの追放宣言だった。

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜

西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。 4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。 そんな彼はある日、追放される。 「よっし。やっと追放だ。」 自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。 - この話はフィクションです。 - カクヨム様でも連載しています。

半神の守護者

ぴっさま
ファンタジー
ロッドは何の力も無い少年だったが、異世界の創造神の血縁者だった。 超能力を手に入れたロッドは前世のペット、忠実な従者をお供に世界の守護者として邪神に立ち向かう。 〜概要〜 臨時パーティーにオークの群れの中に取り残されたロッドは、不思議な生き物に助けられこの世界の神と出会う。 実は神の遠い血縁者でこの世界の守護を頼まれたロッドは承諾し、通常では得られない超能力を得る。 そして魂の絆で結ばれたユニークモンスターのペット、従者のホムンクルスの少女を供にした旅が始まる。 ■注記 本作品のメインはファンタジー世界においての超能力の行使になります。 他サイトにも投稿中

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

処理中です...