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133.妖精からの招待
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「綺麗…」
ここはお気に入りの湖とはまた違った神秘的な雰囲気を醸し出していた
『これは精霊の好む精霊草だよ』
「「え…」」
ここに来て精霊と言う言葉を耳にするとは思わなかった
『シア、この先何かあって困ったときはここに来て』
『精霊草に祈りを捧げるの』
『精霊が助けてくれるよ』
口々にささやかれる言葉に俺の理解が追い付かない
『気に入ってもらえれば4大精霊様にも助けてもらえるよ』
4大精霊…
水のウンディーネ、火のサラマンダー、風のシルフ、土のノーム…だったか
リアンの時に精霊王やら闇の精霊と言う言葉は耳にしたけど、自分が直接関わる可能性など考えたこともなかった
「シア、精霊草ってどれだけ探しても見つけることのできない幻の薬草じゃなかった?」
「…俺もそう記憶してるな」
冒険者は特に誰もが欲する薬草の名だ
精霊草の持つ効果は様々で、中でも有名なのは死んだ人を生き返らせることができると言われているエリクサーの材料の一つであるということ
そして魔法を使う冒険者や騎士が欲する理由でもあるけど、摂取することで魔力量を飛躍的に向上させることができると言われている
他にも若返りや美容関連の効果がまことしやかにささやかれているのがこの精霊草だ
「あ…今なら」
これまで検索しても辞書にもマップにもかからなかった精霊草
それはあくまで夢物語や幻のような存在だったからだ
ということは?
***
精霊草
精霊の力の源となる薬草で精霊の祠にのみ生息する
効能は多岐にわたる
根:死者を甦生するエリクサーの材料の一つ。ただしその効果は1回のみ
葉:すり潰して服用。魔力量を1.5倍に増加する。ただしその効果は1回のみ
茎:抽出して服用。50年延命する。ただしその効果は1回のみ
花びら:抽出して塗布。美白効果
ガク:すり潰して服用。抗老化作用。注意)この世のものとは思えない苦みがある
どの素材も採取後20分で効果は消滅する
***
辞書に表示された内容を読み上げるとレティが呆然とする
「幻の素材…しかもここが『精霊の祠』だったなんて…」
「知ってるのか?」
「龍神族の間で語り継がれてるの。『奇跡を起こす素材が精霊の祠にある』って」
「確かに奇跡を起こす素材だな」
効能は現実味のないものばかりだ
こんなのがあまりよろしくない貴族や国にわたったらとんでもないことになるだろう
「『精霊の祠』の事は秘密にしとこう」
「サラサさん達にも?」
「ああ。妖精が必要と思えば直接伝えるだろうし」
それ以前にもう知ってるかもしれない
「そうだね。本当に困ったときに頼ることはあるかもしれないけど、今のところは純粋にこの神秘的な景色を楽しむだけで十分かも」
「そうだな」
俺達は日が暮れるまで妖精達とこの景色を楽しんでいた
ここはお気に入りの湖とはまた違った神秘的な雰囲気を醸し出していた
『これは精霊の好む精霊草だよ』
「「え…」」
ここに来て精霊と言う言葉を耳にするとは思わなかった
『シア、この先何かあって困ったときはここに来て』
『精霊草に祈りを捧げるの』
『精霊が助けてくれるよ』
口々にささやかれる言葉に俺の理解が追い付かない
『気に入ってもらえれば4大精霊様にも助けてもらえるよ』
4大精霊…
水のウンディーネ、火のサラマンダー、風のシルフ、土のノーム…だったか
リアンの時に精霊王やら闇の精霊と言う言葉は耳にしたけど、自分が直接関わる可能性など考えたこともなかった
「シア、精霊草ってどれだけ探しても見つけることのできない幻の薬草じゃなかった?」
「…俺もそう記憶してるな」
冒険者は特に誰もが欲する薬草の名だ
精霊草の持つ効果は様々で、中でも有名なのは死んだ人を生き返らせることができると言われているエリクサーの材料の一つであるということ
そして魔法を使う冒険者や騎士が欲する理由でもあるけど、摂取することで魔力量を飛躍的に向上させることができると言われている
他にも若返りや美容関連の効果がまことしやかにささやかれているのがこの精霊草だ
「あ…今なら」
これまで検索しても辞書にもマップにもかからなかった精霊草
それはあくまで夢物語や幻のような存在だったからだ
ということは?
***
精霊草
精霊の力の源となる薬草で精霊の祠にのみ生息する
効能は多岐にわたる
根:死者を甦生するエリクサーの材料の一つ。ただしその効果は1回のみ
葉:すり潰して服用。魔力量を1.5倍に増加する。ただしその効果は1回のみ
茎:抽出して服用。50年延命する。ただしその効果は1回のみ
花びら:抽出して塗布。美白効果
ガク:すり潰して服用。抗老化作用。注意)この世のものとは思えない苦みがある
どの素材も採取後20分で効果は消滅する
***
辞書に表示された内容を読み上げるとレティが呆然とする
「幻の素材…しかもここが『精霊の祠』だったなんて…」
「知ってるのか?」
「龍神族の間で語り継がれてるの。『奇跡を起こす素材が精霊の祠にある』って」
「確かに奇跡を起こす素材だな」
効能は現実味のないものばかりだ
こんなのがあまりよろしくない貴族や国にわたったらとんでもないことになるだろう
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「サラサさん達にも?」
「ああ。妖精が必要と思えば直接伝えるだろうし」
それ以前にもう知ってるかもしれない
「そうだね。本当に困ったときに頼ることはあるかもしれないけど、今のところは純粋にこの神秘的な景色を楽しむだけで十分かも」
「そうだな」
俺達は日が暮れるまで妖精達とこの景色を楽しんでいた
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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