チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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133.妖精からの招待

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「ねぇ、それより何でこの剣を?」
「特に理由はないよ。何となく思い出して見てただけだ」
「ずっと残しておくの?」
「どうだろうな」
そう言いながら考える
確率は低いけどもし自分たちの子供が出来たら譲ってもいいかもしれないと
あえて口にはしないけど

「そろそろ動くか」
「うん。でも出かけるのはお昼からだよね?」
レティは尋ねながら取り出した服を身につけていく
「ああ。妖精達はそう言ってたな」
そう、昨日の晩、俺達は妖精たちに誘われたのだ
何でも俺達を連れて行きたい場所があるらしい
「それまでは家でのんびりしよう」
「そうだね」
2人頷き合うと下に向かった

「あらおはよう。珍しくゆっくりね?」
「ああ、遅くまで妖精と戯れてたせいかな」
入れ代わり立ち代わりやってくるおかげで中々話が終わらなかった
「それで妖精がご機嫌だったのね?」
「そうなのか?」
「ええ。朝からはしゃいでたわ。今日は楽しいことがあるんだって」
母さんがクスクス笑いながら言う

「シア何かあるの?」
「いや?俺も知らないんだ。ただ妖精に招待されてるだけだからさ」
「ふ~ん」
スカイがつまらなさそうに零して去っていく
俺とルーク、シャノンは色んなタイミングで祝福を貰ったおかげで自分の持つ属性の妖精に関しては姿も見えるし話も出来る
でもスカイとケインはまだ祝福を貰ったことがないから淡い光の玉に見えるだけ
こればっかりは俺達からお願いして何とかなるものじゃないから見守るしかないわけだけど…
いや、母さんか俺が頼んだら祝福くらいは与えてくれるかもしれないけど、それは違うと思うんだよな

「あの子、ずっと妖精と話したがってるものね」
母さんが苦笑交じりに言ってスカイを見る
「シア達が特殊なだけなのに何か可哀想になるね」
「…レティ?」
「だってそうでしょう?それなりに耳にすることはあっても、自分は勿論身近に祝福を受けた人なんてそうそういないもの」
「それは…そうだろうな」
「でしょう?だから普通はいいな~程度で終わるけど、ここは…ね?」
母さんを軸に周りも結構祝福を貰ってるからな…
その中でもらえないのはたしかに凹むか…

「ふふ…スカイもそのうちね」
母さんが意味ありげにそう言った
「何か知ってる?」
「知ってるって言うかね、地属性の妖精がずっとスカイの側にいるでしょう?」
「え?」
言われてよく見てみれば微妙な距離でスカイの側にいる妖精が一人…
「それも、入れ替わりとかじゃなく特定の子がね」
母さんは優しいほほえみをスカイに向ける
「あれはきっとバルドと同じかな?」
「バルドさんと?あ、シナイ?」
「そう。スカイは刺繍に没頭する時本当に幸せそうだからね」
シナイは確か竹細工をするバルドさんに惹かれたはず
俺達が紙の祝福を貰ったのは本がきっかけだった
つまりそう言うことか…?
思わず母さんを見ると頷きが返ってきた
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