チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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132.奥が深い?

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「この中から1冊を探し出すのは至難の業だな…」
改めて部屋を見回してついぼやいてしまう
「せめて読んだ本とそうでない本の区別が出来ればもう少しましなんだけど…」
『出来るよー』
何故かぼやきに返事が返ってきた
「え?」
声のする方を見ると妖精がいた
「小さな光…妖精?」
「あ、あぁ」
『シアが読んだ本は今光ってるやつだよ』
「うぉ?」
結構な数の本が光った

「一体…?」
『今光ってるのは、本にシアの魔力が一定以上残ってるやつだよ』
なるほど、今手元にある本の内一部が光ってない所を見るとただ手に取っただけの本は光ってないってことか
「…この中に魔法のことが書かれた本があるかなんてわかったりは…」
『えっとねーこれだけ』
急に光が減った
「え?何で…?」
『本の元は紙でしょう?紙は木から作られてるでしょう?』
「ああ」
『加工されても元の微妖精は残ってるの』
「微妖精…?」
何か新しいワードが出てきたけど?

『私達みたいに形になるほどの力がない妖精は沢山いるの。それが微妖精で、妖精の姿になれるのは1/1000の確率だって言われてるわ』
「1/1000…すげー」
『その微妖精はあらゆる場所にいて周りの情報を把握することが出来るの』
「なるほど…その情報から魔法の本が分かるってことか…」
妖精って奥が深かったんだな…
そう思いながら首をかしげているレティに情報を伝えた

「すごいのね妖精って…」
「だな。俺もビックリだ」
『シアとレティシアナに紙の祝福を』
「「え?」」
『ふふ…シアは地属性の祝福を持ってるからあまり意味はないかもしれないけど、これでもっと自由に本を探せるわよ?』
「どういうことだ?」
『シアが読んだことのある魔法の本をこっちに持ってきて』
妖精がそう声をかけると本が勝手にこっちに飛んで来た
「え?すごい…!」
『今のをシアが自分で出来るよ』
「マジ?あ、じゃぁ魔道具について書かれてる本を持ってきてくれ」
試しに言ってみると同じように本が飛んで来た
『レティシアナも試してみて』
「あ、うん。じゃぁ…料理について書かれてる本をお願い」
これも数は少ないけどしっかり飛んで来た

「…なぁ、これって父さんたちも使える?」
考えてみればいつも欲しい本をすぐに見つけて来てたのを思い出す
『使えるよ。レイとサラサだけじゃなく、バルドもね』
「シア、3人の共通点は?」
「この家の中の無類の本好き」
そう答えるとレティが笑い出す
 
「このお礼はどうしたらいいんだ?」
『お礼は特にいらないわよ。時々この部屋に来てくれればそれで充分だから』
「そんなことでいいの?」
『ええ。来てくれればシア達から自然に溢れてる魔力がもらえるから』
「…妖精って魔力好きだなー?」
『シア達にとってのおやつとかお酒みたいなものだからね』
「嗜好品ってことか?」
『それ!なくても問題ないけどあると嬉しいでしょう?』
「わかった。時々顔を出すよ。本ありがとな」
「ありがとう」
俺達がそう言うとそれにこたえる様にそこら中が淡く光った
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