チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

文字の大きさ
上 下
336 / 370
132.奥が深い?

1

しおりを挟む
「これも違う…これも…」
俺は朝から本部屋で手当たり次第の本を手にとっては戻すという行為を繰り返してた
「シアこれは?」
「んーこれも違うなー」
レティが持ってきた10冊弱の本を見てため息交じりに答えた

「悪いなレティ。こんなことに付き合わせて」
「気にしないで。自分で気になる本も何冊か見つけたから」
そう言いながらレティの見た方に視線を移すと5冊くらい積んであった
「はは…レティも大概本好きだよな?」
「そうみたい。これまでは両親の残してくれた2冊の本しかなかったから嬉しくて」
この世界ではまだ本は高級品だ
紙自体一般ではあまり使わないくらいだしな

ちなみにギルドの依頼用紙は普通の紙じゃなく魔道具
専用の魔道具で魔力を流すと書かれた文字が消える特殊仕様だから何度も繰り返し使えるらしい
素材を売ったときに渡される明細は紙ではなく、大半が低ランクの魔物の皮を乾燥させたもの
勿論防具なんかに使える部分を取った後の捨てるしかない端材が利用されている
そんな中で部屋いっぱいに詰め込まれたこの家の本の量は異常なレベル
でもSSランクが6人って考えれば納得できてしまう

一般に冒険者のBランクでこの世界の貴族の男爵~子爵レベルの稼ぎがある
Aランクだと伯爵レベル、Sランクになればさらに上といわれている
でも俺や母さんみたいに主に魔法で戦うならそうでもないけど、父さん達にみたいに剣をはじめとした武器をメインで戦う冒険者は、ランクが上がるにつれて装備にかかる費用が跳ね上がる
パーティーでAランクの魔物を仕留めても、その皮は1体分ではパーティー全員の装備を揃えることは出来ないから当然複数個体が必要になる
さらに、高ランクの魔物の素材は加工するにも馬鹿みたいに金がかかる
かといって金をケチれば装備の弱体化につながって依頼を失敗することもある
結果、バカ高い装備を用意して依頼を遂行するものの、あくまで消耗品の扱いになる
つまり一度買えば終わりではなく何度も買い直すことになる
その点魔法系は遠距離攻撃が可能になることが多いから装備もそこまで傷まない

迷宮では1体丸々じゃなく素材ドロップとなるせいで思った素材は中々集まらない
サイズは定量、しかもその手の素材はレアドロップといわれるくらいドロップ率が低い
かといって普通に討伐に行っても1体丸々持ち帰るのは難しい
最低でもマジックバッグが必要でそっちはそうそう売られてない
運よく売ってるのを見かけたとしてもとんでもない金額が設定されている
そう言う意味では俺達はものすごく恵まれてるんだよな
インベントリがあるし、それとは別で母さんたちがマジックバッグをプレゼントしてくれてるから
大半がCランク止まりといわれる中、双子とマリクがBランクに上がれたのはその恩恵は大きい
双子の場合は俺のインベントリやエンドレスも大きく関係してるけど
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

【番外編】貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。

譚音アルン
ファンタジー
『貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。』の番外編です。 本編にくっつけるとスクロールが大変そうなので別にしました。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜

赤井水
ファンタジー
 クロス伯爵家に生まれたケビン・クロス。  神に会った記憶も無く、前世で何故死んだのかもよく分からないが転生した事はわかっていた。  洗礼式で初めて神と話よく分からないが転生させて貰ったのは理解することに。  彼は喜んだ。  この世界で魔法を扱える事に。  同い歳の腹違いの兄を持ち、必死に嫡男から逃れ貴族にならない為なら努力を惜しまない。  理由は簡単だ、魔法が研究出来ないから。  その為には彼は変人と言われようが奇人と言われようが構わない。  ケビンは優秀というレッテルや女性という地雷を踏まぬ様に必死に生活して行くのであった。  ダンス?腹芸?んなもん勉強する位なら魔法を勉強するわ!!と。 「絶対に貴族にはならない!うぉぉぉぉ」  今日も魔法を使います。 ※作者嬉し泣きの情報 3/21 11:00 ファンタジー・SFでランキング5位(24hptランキング) 有名作品のすぐ下に自分の作品の名前があるのは不思議な感覚です。 3/21 HOT男性向けランキングで2位に入れました。 TOP10入り!! 4/7 お気に入り登録者様の人数が3000人行きました。 応援ありがとうございます。 皆様のおかげです。 これからも上がる様に頑張ります。 ※お気に入り登録者数減り続けてる……がむばるOrz 〜第15回ファンタジー大賞〜 67位でした!! 皆様のおかげですこう言った結果になりました。 5万Ptも貰えたことに感謝します! 改稿中……( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )☁︎︎⋆。

投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」  リーリエは喜んだ。 「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」  もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。

【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明
ファンタジー
 秋津直人、85歳。  50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。  嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。  彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。  白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。  胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。  そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。  まずは最強の称号を得よう!  地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編 ※医療現場の恋物語 馴れ初め編

攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?

伽羅
ファンタジー
 転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。  このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。  自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。 そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。 このまま下町でスローライフを送れるのか?

処理中です...