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130.祝福
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今日は朝からバタついている
母さんたちはご馳走づくりに夢中だしチビ達はその匂いに釣られてご機嫌だ
そういえばリアンの姿が見当たらないけど…まぁその辺を走り回ってるんだろう
外に出て行ってたとしても神獣に勝てるような魔物はこの辺にはいないし、リアン自身周りからどう見られるかは理解してるみたいだから問題も起こらないだろう
トータさんが既に飲み始めてるけどこれは見慣れた光景だ
全ての準備がととのったのが夕方になってから
その頃にはマリクとリアム、バルドさんとミリアもサリーを連れて到着していた
祝い事には集まるのが当たり前になってるからな
「さぁ、始めましょうか」
母さんがそう言うとそれまで自由に動き回っていた皆が席に着く
チビ達のこういう時の動きはかなり早い
「それでは、ルークとシャノンの15歳の誕生日と成人を祝して!」
“かんぱーい!”
皆が声を揃えてそういいながら飲み物の入ったグラスやコップを合わせる
乾杯の形は前世とさほど変わらない
「ルークとシャノンの大好物ばかりだから肉がメインだけどみんなしっかり食べてね」
「そうよ。これだけお肉料理するの大変なんだから~」
母さんとナターシャさんの言葉に皆が苦笑する
でもその手は料理を口に運び続けてるからある意味凄い
「この勢いに慣れる日が来るのかな?」
レティがボソッと呟いたとたん俺は噴き出していた
「そんなに笑わなくても…」
「悪い。でも別に慣れる必要はないんだぞ?異常なのは確かだし」
「そうなんだけどね?でもどれだけ見ても開いた口が塞がらないって言うか…」
困惑気味に言うから笑いが止まらない
それでも慣れようとするあたりがレティだよな~なんて思う
「2人共これはお母さん達からね」
食事を食べる勢いが落ち着いてきた頃母さんが2人にプレゼントを渡す
そういえば『贈り物』を『プレゼント』と言い始めたのはいつだったか?
気付けば前世の言葉がこの家の中ではかなり浸透してるような気がする
「ありがとー」
「ありがと」
2人共受け取って早速開けてみる
中から出てきたのはリングだった
そう言えば2人はリング初めてだな…
俺は自分の指にはまっているリングに視線を落とした
「これ、お母さんが作ったやつ?」
「そうよ。あなた達の無事を祈ってね」
母さんはそう言いながら2人をそれぞれ抱きしめる
『無事に』
それが何よりの願いなのだと旅を通して思い知った
レティと過ごすようになってからその気持ちが俺の中にも芽生えた
「これは俺から」
「何々?」
2人は興味津々でこっちにやって来る
「妖精の住処」
「旅の途中でもらったバングルと同じ?」
「物は一緒。でも魔石の属性は違う。シャノンは水と氷、ルークは雷と地だ」
「僕たちが祝福をもらった属性?」
「ああ。祝福するくらいだし妖精もその方が喜ぶだろうからな。住処は気に入ってるみたいだしお前たちのことも助けてくれると思うぞ」
『助ける~』
『一緒にいるの』
『魔力分けてもらうのー』
妖精が2人の周りを飛び回る
発してる言葉は2人が教えてくれた
この家の人間よりはるかに多い妖精が飛び回る光景はある意味カオスだけど淡い光だけに神秘的でもある
「こんなに妖精が側にいてくれるなんてすごく心強いね」
「ありがとシア。前のと一緒に大事にする」
「おう」
喜んでくれたようでほっとした
それに妖精の方も喜んでるみたいだしな
そう思っていると予想もしなかったことが起こった
母さんたちはご馳走づくりに夢中だしチビ達はその匂いに釣られてご機嫌だ
そういえばリアンの姿が見当たらないけど…まぁその辺を走り回ってるんだろう
外に出て行ってたとしても神獣に勝てるような魔物はこの辺にはいないし、リアン自身周りからどう見られるかは理解してるみたいだから問題も起こらないだろう
トータさんが既に飲み始めてるけどこれは見慣れた光景だ
全ての準備がととのったのが夕方になってから
その頃にはマリクとリアム、バルドさんとミリアもサリーを連れて到着していた
祝い事には集まるのが当たり前になってるからな
「さぁ、始めましょうか」
母さんがそう言うとそれまで自由に動き回っていた皆が席に着く
チビ達のこういう時の動きはかなり早い
「それでは、ルークとシャノンの15歳の誕生日と成人を祝して!」
“かんぱーい!”
皆が声を揃えてそういいながら飲み物の入ったグラスやコップを合わせる
乾杯の形は前世とさほど変わらない
「ルークとシャノンの大好物ばかりだから肉がメインだけどみんなしっかり食べてね」
「そうよ。これだけお肉料理するの大変なんだから~」
母さんとナターシャさんの言葉に皆が苦笑する
でもその手は料理を口に運び続けてるからある意味凄い
「この勢いに慣れる日が来るのかな?」
レティがボソッと呟いたとたん俺は噴き出していた
「そんなに笑わなくても…」
「悪い。でも別に慣れる必要はないんだぞ?異常なのは確かだし」
「そうなんだけどね?でもどれだけ見ても開いた口が塞がらないって言うか…」
困惑気味に言うから笑いが止まらない
それでも慣れようとするあたりがレティだよな~なんて思う
「2人共これはお母さん達からね」
食事を食べる勢いが落ち着いてきた頃母さんが2人にプレゼントを渡す
そういえば『贈り物』を『プレゼント』と言い始めたのはいつだったか?
気付けば前世の言葉がこの家の中ではかなり浸透してるような気がする
「ありがとー」
「ありがと」
2人共受け取って早速開けてみる
中から出てきたのはリングだった
そう言えば2人はリング初めてだな…
俺は自分の指にはまっているリングに視線を落とした
「これ、お母さんが作ったやつ?」
「そうよ。あなた達の無事を祈ってね」
母さんはそう言いながら2人をそれぞれ抱きしめる
『無事に』
それが何よりの願いなのだと旅を通して思い知った
レティと過ごすようになってからその気持ちが俺の中にも芽生えた
「これは俺から」
「何々?」
2人は興味津々でこっちにやって来る
「妖精の住処」
「旅の途中でもらったバングルと同じ?」
「物は一緒。でも魔石の属性は違う。シャノンは水と氷、ルークは雷と地だ」
「僕たちが祝福をもらった属性?」
「ああ。祝福するくらいだし妖精もその方が喜ぶだろうからな。住処は気に入ってるみたいだしお前たちのことも助けてくれると思うぞ」
『助ける~』
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この家の人間よりはるかに多い妖精が飛び回る光景はある意味カオスだけど淡い光だけに神秘的でもある
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「ありがとシア。前のと一緒に大事にする」
「おう」
喜んでくれたようでほっとした
それに妖精の方も喜んでるみたいだしな
そう思っていると予想もしなかったことが起こった
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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