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126.俺達のこと
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「でだ」
一度言葉を切ってレティを見る
どちらかと言えばここからが本題だ
「うすうす気づいてるとは思うけど俺にも前の世界で生きた記憶がある」
その言葉にレティの目が大きく見開かれた
「…と言っても難病で3歳までしか生きられなかったんだ、それも含めて前世の事を思い出したのは1歳の誕生日を迎えるちょっと前だったんだ」
「つまり…シアも転生者ってこと?そういえば称号…」
俺が人間をやめた時のステータスを思い出したらしい
あの時はそれどころじゃなかったんだろう
目にしていても意識から外れてた感じかな
『転生者』という言葉はそれなりに広まっている
今の自分とは違う人生を生きた記憶を持つ人達で、その人達には神様からのギフトがあるという話と共に言い伝えられているから
記憶自体がギフトの一つで、他にも珍しいスキルだったりステータスが通常より高かったり、あとは言語理解力が高かったりと内容は様々だと言われている
実際、町に1人~2人はいると言われているし、そう言う意味では然程驚くほどのことでもない
その割合が色んな世界の中で見た時に多いのか、それとも少ないのかは分からないけど
「ただ…俺は特殊な転生をした母さんの血を引く転生者ってこと」
念動力や称号がやたらと増えるのは俺のギフトの影響なんだろう
でもギフトというには多すぎるスキルや耐性はきっと母さんの血を引くせいだ
こっちは俺だけじゃなく弟妹にもあるから間違いないはず
「…シアが規格外なわけだわ」
「やっぱそこに結びつくのか…」
もうさすがに諦めてはいる
諦めてはいるけど納得いくかと言われればNoだ
「ちなみに俺と母さんがいた世界は同じ世界の同じ国だったし、多分時代も大きく変わらない。だから共通の話題もあるし、俺は生きた年数以上の知識を母さんから聞いて知ってる」
そこがあいまいなのは俺が自分の生年月日の年をきちんと覚えていなかったから
TVで流れてた主だった出来事ですり合わせしようにも、3歳までしか生きていない俺にはちゃんとした内容を理解できていなかった
よく見てた番組とかそこで流れてた曲とかは何となく覚えてたけど、それがどこまで正確かなんて考えるまでもない
結果、わからないなりにも耳に残っている単語ですり合わせるような形になった
CMの曲とか耳に残るものはかなりの手掛かりになったらしいけど、母さんの記憶だよりだったのは言うまでもない
確実にわかっているのは同じ国だったことくらいか?
どのあたりに住んでたとか俺は全く覚えてない
何なら入院してた病院の名前も知らない
ほら、今くらいの年齢なら友達にこの病院にいるから見舞いに来てっていうこともあるかもしれないけど、生まれてすぐから人生の大半を入院して過ごしてた俺にとってはそこが家に近かったから
家にいた記憶もほとんどないくらいだし病院の名前なんて考えたこともなかったように思う
一度言葉を切ってレティを見る
どちらかと言えばここからが本題だ
「うすうす気づいてるとは思うけど俺にも前の世界で生きた記憶がある」
その言葉にレティの目が大きく見開かれた
「…と言っても難病で3歳までしか生きられなかったんだ、それも含めて前世の事を思い出したのは1歳の誕生日を迎えるちょっと前だったんだ」
「つまり…シアも転生者ってこと?そういえば称号…」
俺が人間をやめた時のステータスを思い出したらしい
あの時はそれどころじゃなかったんだろう
目にしていても意識から外れてた感じかな
『転生者』という言葉はそれなりに広まっている
今の自分とは違う人生を生きた記憶を持つ人達で、その人達には神様からのギフトがあるという話と共に言い伝えられているから
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実際、町に1人~2人はいると言われているし、そう言う意味では然程驚くほどのことでもない
その割合が色んな世界の中で見た時に多いのか、それとも少ないのかは分からないけど
「ただ…俺は特殊な転生をした母さんの血を引く転生者ってこと」
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でもギフトというには多すぎるスキルや耐性はきっと母さんの血を引くせいだ
こっちは俺だけじゃなく弟妹にもあるから間違いないはず
「…シアが規格外なわけだわ」
「やっぱそこに結びつくのか…」
もうさすがに諦めてはいる
諦めてはいるけど納得いくかと言われればNoだ
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家にいた記憶もほとんどないくらいだし病院の名前なんて考えたこともなかったように思う
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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