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121.魔道具店
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「ユリアは何か欲しいのあったのか?」
「いっぱい!」
「いっぱい?」
魔道具は決して子供、しかも女の子が喜ぶようなかわいらしい物じゃない
冒険者がメインで使うからどちらかといえば武骨な物が多いはずだけど…
「シア、私魔道具作りたい!」
マジか…
「ユリアはずっとおじさんに仕組みばかり聞いてるの」
レティが付け足す様に言う
これまで特に何かに興味を持つことのなかったユリアがねぇ…
ついて来たいって言った時点で何となくそんな気はしてたけどな
「流石はカルムの引き取った子だな?ここまで突っ込んで聞いてくる子も珍しい」
おっさんはそう言いながら満更でもない顔をする
「そう言うってことはユリアが押しかけても問題ないってことでいいのか?」
「そうだな。どうせわしには子供もおらん。興味持って覚えたい者がいるならそれほど嬉しいことは無いからな」
そういやおっさんの家族もスタンピードで亡くなってたか
つまり教える者がいなければこの店はおっさんの代で終わることになる
ん?そうなると下手したらユリアがここの後継者になる可能性があるってことか?
ケインに続いてユリアまで…
これはカルムさんが荒れるか?
「ところで魔道具って何歳くらいから作れるんだ?」
「簡単なモノなら今のユリアでも作れると思うぞ。魔力の問題もあるが…」
その言葉にユリアが不安そうな顔をする
「ユリアはそれなりに魔力がある方だからその点は問題ないと思うぞ」
「本当?」
「ああ。スカイと比べても多い」
俺達は母さんと父さんの血のせいもあって一般的な人よりも魔力が多い
そのスカイより多い点についてはカルムさんもナターシャさんも引き取った時から期待をしている部分でもある
「ならあとは根性次第だな」
「なるほど」
笑いながら言うおっさんに俺が頷くとユリアが期待に満ちた目を向けて来る
「悪いけどユリア、決定権は俺にはないからな?」
「えー」
「当然だろ?俺はユリアの兄もどきでしかないからな。戻ってカルムさんに相談だ」
そう言うと明らかに残念そうな顔をする
カルムさんもナターシャさんも頭から反対するタイプじゃなかったと思うけど何でだ?
「俺も一緒に話してやるから、な?」
「ん…レティシアナも?」
「もちろんよ」
レティも苦笑しながら頷いた
『シア、ボクこれがいい』
クロムが小さめのランプを持ってきた
試しにつけてみると明るさが10段階で調節できるらしい
「中々いいのを選んだな?」
『だめ?』
「いや、問題ないよ。ケインは水差し選べたか?」
「うん。これがいい」
持ってきたのは小ぶりの水差しで口が細かい散水から水道水の様に出るものまで5タイプの切り替えができるものだった
「流石に目の付け所がいいな?」
おっさんが感心したように言ってくる
「ランプといい水差しといい、そのサイズで一番いい物を選んどる」
「そうなのか?お前ら凄いな?」
それには俺も驚いた
「ユリアは何も買わなくていいのか?」
「えっとね、これ」
持ってきたのは魔力でカギが出来るノートだった
カギをかけた本人の魔力かそれ以上の魔力を持った人にしか開錠できない
そう言う意味ではあの家には開錠できる人間がいっぱいいそうだが…
まぁ出来るからと言ってそんな人の秘密を暴こうとするような奴は父さん達にぶん殴られそうな気もするけど
「日記でもつけるのか?」
「違うよ?ユリアが作りたい魔道具の絵を描くの!」
これはかなり本気のようだ
「分かったよ。じゃぁおっさんこれ全部このカードで」
ギルドカードを出して言う
支払いを済ませるとランプだけはクロムに渡して他は全て一旦インベントリに入れる
「あとは八百屋だけ見て帰るか」
無理して回ることはしないが八百屋や肉屋、魚屋が通り道にある時は覗いていく
俺達が町に来た時のお約束だ
店主も慣れたもので俺達が行くと傷みそうなものを全て渡してくる
勿論金はとられるけど大抵安くしてくれてるから誰も文句は言わない
例にもれず今日も野菜と果物を大量に引き取って帰ることになった
「いっぱい!」
「いっぱい?」
魔道具は決して子供、しかも女の子が喜ぶようなかわいらしい物じゃない
冒険者がメインで使うからどちらかといえば武骨な物が多いはずだけど…
「シア、私魔道具作りたい!」
マジか…
「ユリアはずっとおじさんに仕組みばかり聞いてるの」
レティが付け足す様に言う
これまで特に何かに興味を持つことのなかったユリアがねぇ…
ついて来たいって言った時点で何となくそんな気はしてたけどな
「流石はカルムの引き取った子だな?ここまで突っ込んで聞いてくる子も珍しい」
おっさんはそう言いながら満更でもない顔をする
「そう言うってことはユリアが押しかけても問題ないってことでいいのか?」
「そうだな。どうせわしには子供もおらん。興味持って覚えたい者がいるならそれほど嬉しいことは無いからな」
そういやおっさんの家族もスタンピードで亡くなってたか
つまり教える者がいなければこの店はおっさんの代で終わることになる
ん?そうなると下手したらユリアがここの後継者になる可能性があるってことか?
ケインに続いてユリアまで…
これはカルムさんが荒れるか?
「ところで魔道具って何歳くらいから作れるんだ?」
「簡単なモノなら今のユリアでも作れると思うぞ。魔力の問題もあるが…」
その言葉にユリアが不安そうな顔をする
「ユリアはそれなりに魔力がある方だからその点は問題ないと思うぞ」
「本当?」
「ああ。スカイと比べても多い」
俺達は母さんと父さんの血のせいもあって一般的な人よりも魔力が多い
そのスカイより多い点についてはカルムさんもナターシャさんも引き取った時から期待をしている部分でもある
「ならあとは根性次第だな」
「なるほど」
笑いながら言うおっさんに俺が頷くとユリアが期待に満ちた目を向けて来る
「悪いけどユリア、決定権は俺にはないからな?」
「えー」
「当然だろ?俺はユリアの兄もどきでしかないからな。戻ってカルムさんに相談だ」
そう言うと明らかに残念そうな顔をする
カルムさんもナターシャさんも頭から反対するタイプじゃなかったと思うけど何でだ?
「俺も一緒に話してやるから、な?」
「ん…レティシアナも?」
「もちろんよ」
レティも苦笑しながら頷いた
『シア、ボクこれがいい』
クロムが小さめのランプを持ってきた
試しにつけてみると明るさが10段階で調節できるらしい
「中々いいのを選んだな?」
『だめ?』
「いや、問題ないよ。ケインは水差し選べたか?」
「うん。これがいい」
持ってきたのは小ぶりの水差しで口が細かい散水から水道水の様に出るものまで5タイプの切り替えができるものだった
「流石に目の付け所がいいな?」
おっさんが感心したように言ってくる
「ランプといい水差しといい、そのサイズで一番いい物を選んどる」
「そうなのか?お前ら凄いな?」
それには俺も驚いた
「ユリアは何も買わなくていいのか?」
「えっとね、これ」
持ってきたのは魔力でカギが出来るノートだった
カギをかけた本人の魔力かそれ以上の魔力を持った人にしか開錠できない
そう言う意味ではあの家には開錠できる人間がいっぱいいそうだが…
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「日記でもつけるのか?」
「違うよ?ユリアが作りたい魔道具の絵を描くの!」
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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